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人気YouTuberと同じPCを求める人が増加。冷却ファンは冷却重視に回帰?マイニングの影響で大容量HDDが品薄に

~ アキバのショップ店員が語る2021年 その3 ~

 2021年を振り返るこの企画。アキバのショップスタッフに特に印象に残った製品や出来事について聞いてみた。

 ケースファンに関しては、性能面の関心が高まった年だったかなと。Noctuaに追いつこうとするメーカーも増えてきたし。今でも光るファンを選ぶ人はいますけど、性能面にもこだわる人が増えましたね。CPUもビデオカードも熱いからだと思うんですが……。それにあわせて、PCケースも見た目よりも冷却性能を重視する傾向に回帰したというか。空気の流れがいいモデルが人気ですね。

 電源は850Wクラスが標準になった感じです。安く買えるようになったというのもありますが、マイニングなどは関係無く1,000Wや850Wが普通に売れるようになりました。あとは、白いビデオカードや電源の需要がすごく増えて、今は定番化しています。YouTuberや女性ゲーマーが白いPCを使用しているようなので、その辺の影響かなと。PCにもカワイイを求めているのかもしれません。併せてNintendo Switchで配信をしたいという人も増えました。この辺も以前と違って女性の方が増えましたね。

 Windows 11は静かだなと。もうちょっと起爆剤になるかなと思っていたんですが、今のところは特に何も無く……。

 PCケースはThermaltakeのVersa H26が、水冷や大きいビデオカードが入って価格も安いということで良く売れましたね。ほかは白系のPCケースが全体的に人気で、中でもNZXTのH510 Elite WHITEは好調でした。人気YouTuberが白いケースを使っていたというのもあるようですが、この1年はとにかく若い人を中心に、人気YouTuberやゲーマーと同じ構成のPCを組みたいという人が多かったですね。自作PCって自分だけの1台を作るという感覚だったんですが、そういう感覚はあまり無いようです。まあ、若年層が自作PCに興味を持ってくれるようになったので、そこは良かったですね。

 PCIe 4.0対応SSDの1TBや2TBがかなり売れた印象ですね。PS5でSSD増設が利用できるようになったタイミングでもかなり売れて、PS5で使えるヒートシンク付きSSDの在庫は一時的に国内から消える状態になるくらいでしたからね。PC側もマザーボードがほぼPCIe 4.0対応製品に切り替わりましたし、年間を通して好調だったと思いますね。

 HDDはこれまで同様にNAS向けが良く売れましたね。NASでの利用はもちろん、1台だけ購入する人も多いので、高耐久なHDDとして使いたいといった人も多そうです。Western DigitalのWD Redシリーズや東芝のMNシリーズなどが買いやすい価格帯ということもあり人気ですね。

 マイニングの影響で、大容量HDDが一時的に在庫が不足した点が印象に残ってます。10TB以上のモデルが軒並み売り切れて、信頼性重視のエンタープライズ向けや、大容量SSDの問い合わせが多くありました。国内の大容量HDDの正規品が無くなって発注が困難になり、価格も大幅に上がりました。このほか、HBAカードやRAIDカードなどのインタフェースカードも半導体不足で、入手困難になり、EOLになったモデルがかなりありましたね。

 この業界に入って25年ですが、こんなに物が無くて右往左往することは無かったですね。もう少し供給が安定してくれればなと。