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PCパーツ各社に聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」【2024年版/AMD、アスク、ASRock、ASUS、CORSAIR編】
2024年1月1日 00:00
新年明けましておめでとうございます。
新年といえば去年の振り返りと今年の展望。「メーカーから見た去年の売れ筋パーツ」や「今年の意気込み」が気になる人も多いはず。
そこで今回、PCパーツメーカーなど計26社に「2023年にヒットした製品」や「2024年の意気込み」をお伺いし、お寄せいただいたコメントをそのまま掲載しました。
各社が力を入れている、そして今後入れていくポイントや今年の意気込みなど、なかなか興味深いコメントもあったりします。掲載順はブランド名アルファベット順ですので、気になるメーカーがある方はそこを、全部読みたい方は頭からどうぞ。
PCパーツ各社に聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」(2024年頭版) |
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AMD、アスク、ASRock、ASUS、CORSAIR |
Crucial、FIIO、FlexiSpot、FRONTIER、GIGABYTE |
IIJ、Intel、マウスコンピューター、MSI、Nextorage |
パソコン工房、パソコンショップSEVEN、Qualit、Seagate、Sycom、Synology |
TEAM、サードウェーブ(ドスパラ)、トランセンド、Western Digital、ZOTAC |
日本AMD株式会社 ジャパンマーケティング本部 マーケティングスペシャリスト 佐藤美明氏
●2023年にヒットした製品を教えてください
CPUは相変わらずAMD Ryzen 7 5700Xも大人気でしたが、Ryzen 7 7800X3Dがヒットしています。競合他社の最新製品を迎えてもゲーム最強CPUの座を譲らなかったことや、DDR5メモリやAMD5マザーボードも買いやすくなってきたことが要因と思います。おかげ様で2023年も某価格サイトのCPU金賞を初代Ryzenから7年連続受賞しました。
グラフィックスはAMD Radeon RX 7800 XTとRX 7600です。基本的な処理(ラスタライズ処理)では競合を超える性能をもつRX 7000シリーズですが、ミドルクラスではレイトレなど処理が重くなることを避けるユーザーが多くなるのか、基本性能の高さが評価されたのだと思います。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
CPUはAMD Ryzen 5 7600です。AM5マザーボードやDDR5メモリが、製品数増加や市場価格を理由に選びやすくなり、Ryzen 7000シリーズと5000シリーズの性能差からPC全体のコスパは7000シリーズの方が優れる場合も出てきました。Ryzen 5 7600はTDP65Wという低発熱・低消費電力性とお求めやすさから、初めてのPCやサブPCを組む方に最適です。
グラフィックスはAMD Radeon RX 7900 XTXです。ゲームによって競合最上位製品と並ぶ性能を持ちながら、GPU初のチップレット構造など最新テクノロジー採用により圧倒的にコスパが優れています。ドライバー更新によるさらなる性能向上やAIパフォーマンスの最適化も進み、まだまだ目が離せない製品です。
●2024年の意気込みを教えて下さい
2023年はCPUもグラフィックスも、新世代製品の販売に手ごたえを感じた一年でした。Ryzenはラインナップが揃って多くのニーズに応えられ、Radeonは正しい評価が浸透してきて、ファンが確実に増えています。
2024年にAMDは早くも設立55周年を迎えます。新しいAMD Ryzen Threadripperシリーズも登場し、ハイパフォーマンスからスモールPC、あるいはモバイルゲーミングPCまであらゆる場面でCPUもグラフィックスもGo!Go!な1年にしていきます!
●読者に一言どうぞ
12月に4年ぶりとなるファンイベントを秋葉原で行いました。多くのパートナー企業の皆さんの協力があり、そして以前からのユーザーさん、新しいユーザーさんなど多数の方の参加がオフライン、オンラインでありました。そこで実感したのは、AMDはやっぱり皆さんに愛されているということです。皆さんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、AMDで良かった!と思ってもらえるような2024年にしていきますので、ぜひ引き続き応援してください。よろしくお願いします!
株式会社アスク コンシューマ事業本部
●2023年にヒットした製品を教えてください
まず、DeepCoolの空冷クーラーでAK400が今年爆発的なヒット商品となったことが挙げられます。
3,000円台のコスパ最強モデルのラインでは、これまで他社製品がシェアを独占していたのですが、それに取って代わる製品になったことが印象的です。安価ながら細かい部分も手を抜かずに作りこまれており、実物を見ていただければ納得してもらえる商品だと思います。これは自社工場を持つDeepCoolの強みと言えます。
もう一つ挙げるとすると、Radeon RX 7800 XTですね。緑一色の景色の中で一瞬だけ赤い彗星が輝きました(ほんの一瞬ですが……)。AMDさんには来年こそ伝統のRadeonの復活に期待したいですね。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
注目といえば、今年のPCケースのトレンドになったピラーレスデザインでしょう。
弊社取り扱いですと、DeepCoolのCH780シリーズやNZXTのH6 Flowシリーズがありますが、なかでもZALMANのP30シリーズは非常にコスパの良い製品になっており、じわじわと販売数も伸びてきています。
H6 Flowシリーズより安価な価格設定で、電源スイッチやインターフェースはサイド面に付いており、フロントから見たデザインが非常に洗練されていてカッコいいと思います。
●2024年の意気込みを教えて下さい
2023年は急速な円安進行で世の中のあらゆる製品が値上がり、物価高による消費マインドの低迷で非常に厳しい一年だったなという印象です(弊社のような輸入代理店にとっては本当につらい一年でした・・・)。
ただ、弊社イベントにご来場いただいたお客さまや、弊社にお問い合わせいただくお客さまの中には若い世代の方が増えてきていますので、今後のPC DIYの明るい未来に期待したいと思いますし、2024年も魅力的な新製品を数多く投入していきたいと思っています。
●読者に一言どうぞ
弊社としてはPC DIYパーツを通して、つくる楽しさや所有する喜びを、一人でも多くの方々に見て、知って、体験していただきたいと思っています。
2024年はそのような機会を1つでも多く作っていきたいと思っていますので、弊社で企画するイベントにもぜひ足を運んでいただければうれしいです。
ASRock Incorporation エクストリームプロダクトマーケティング 原口有司氏
●2023年にヒットした製品を教えてください
Z790 LiveMixer & B650LiveMixerです。発売自体は2022年の10月ですが、1年を通して配信者・コンテンツ制作者向けモデルとして新ブランドの構築となりました。
新ブランドは通常、認知度は低く、店頭に並んでも埋もれてしまう可能性もありましたが派手なデザインと明確な使用方法とわかりやすい拡張性が功を奏したと思っています。
また多くの配信者、プロゲーマー、Vtuber、またはUSBを多用する皆様が購入して使ってもらい、それを配信や、SNSなどで拡散していただいたことで認知も広がり、売れ続けたと感じています。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
ASRockのゲーミングブランド「Phantom Gaming」から新たに誕生した「Z790 NOVA WIFI」です。
最新のIntel系マザーボードではハイエンドのセグメントはE-ATX製品が多い中、Z790 NOVA WIFIはATXサイズでM.2SSDを6枚搭載できるという驚異的な拡張性もさることながら、DDR5を再調整し、配線含めて再最適化させた超ハイスピードモデルになります。
もちろん、ASRock独自の「Lightning Gaming Ports」や「Ultra USB Power」にも対応し、性能を追求する欲張りなユーザーに最適なMBだと思います。
●2024年の意気込みを教えて下さい
今年もより自作市場を沸かせることができるような製品を用意しますので皆さんお楽しみに!YouTubeの配信以外にも業界を盛り上げるべく、みなさんと触れ合える機会もふやしていこうと思います。
●読者に一言どうぞ
ASRockはマザーボードだけでなくグラフィックスカードやMiniPCなどの製品を取り扱っています。ぜひ一度製品を使っていただき、Xなどで感想を聞かせてもらえると嬉しいです。
YouTubeの登録者数がも少しで1万人……Xのフォロワーも少しで10万人なので、ぜひフォローお願いいたします!
これからもASRockをよろしくお願いいたします。
OPビジネスグループ 広報 吉田ゆみ乃氏
●2023年にヒットした製品を教えてください
ゲーミング製品が特にヒットしました。
2023年はASUSのゲーミングブランドのRepublic Of Gamers(ROG)から発売されたプロ向けゲーミングデバイスのROG Aceシリーズに始まり、ROG AllyやROG Raikiriなど今までなかったカテゴリの新製品が様々発表され、そのたびに話題になりました。
特にROG Allyを中心としたゲーミングエコシステムによりROGがより一層認知されたと感じました。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
ASUSのクリエイター向けブランドのProArt製品も多く発表されました。中でもProArtのビデオカードは2023年初めて発表され、よりクリエイターに向けた静音性も性能も高いPC環境を提供できるようになりました。
また2023年は、様々なクリエイター向けイベントにも参加させていただきました。今後一層クリエイター向けのProArtのエコシステムも充実していく予定です。
●2024年の意気込みを教えて下さい
2024年も皆様をあっと驚かせる製品が目白押しです。ASUS/ROG/ProArtとそれぞれのブランドから出る予定の新製品がたくさんありますので是非、新年から注目していただければと思います。
また、2023年から様々なイベントに参加させていただきましたので2024年も引き続きイベントに参加していき、皆様と交流したり、製品に触っていただける機会を設けたいと思っております。
●読者に一言どうぞ
これからも様々な最先端の技術を用いて新製品を皆様にいち早く提供したいと考えております。ASUSを知らない方でも面白い製品を作っている会社、と広く認知していただけるように邁進してまいります。 ぜひASUS(エイスース)、ROG(アールオージー)、ProArt(プロアート)、ブランドの名前だけでも覚えてください!今後ともどうぞよろしくお願いします。
JAPAN Marketing Manager 神冬旗氏
●2023年にヒットした製品を教えてください
2023年は『iCUE LINK』という自作PCの概念を覆すテクノロジーを発表しました。これはケーブルマネジメントを簡素化することで組み立て時間の大幅な短縮、メンテナンスの容易さに貢献します。また、配線がすっきりすることでより美しい自作PCを仕上げることができるのでたくさんの方からポジティブなフィードバックをいただいています。
その他にも有機ELを搭載した45インチワイドモニター『XENEON FLEX』は、ご自身の手で曲げることのできる世界初のゲーミングモニターとして話題となりました。ゲームだけでなく編集作業や映画鑑賞の際の没入感の向上へと貢献します。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
CORSAIRはゲーミング周辺機器にも力を入れており、話題のラピッドトリガー搭載のキーボード『K70 MAX』は一押しです!スイッチにもCORSAIR独自のMGX軸という磁気スイッチを採用し、打鍵感も好評をいただいております。
●2024年の意気込みを教えて下さい
日本市場では白製品のシェアが他地域に比べてとても高いのでベーシックな黒だけでなくクリーンな印象を与える白製品にも継続して力を入れていきたいと思っています!
●読者に一言どうぞ
まだCORSAIR製品を試したことがないという方もたくさんいらっしゃると思うので、2024年は国内の様々な地域で店頭イベントを行いたいと思っております。ぜひCORSAIRの公式Xなどをチェックして最新情報をGETいただけると嬉しいです!