トピック

MSIのピラーレスケースで究極の裏配線、美しいゲーミングPC「STORM 幻界 GK-147F47S」

POWERED BY MSIのホワイトモデル text by 坂本はじめ

STORM「幻界 GK-147F47S」

 STORMの新作PC「幻界」は、MSIの背面コネクタ設計マザーボード「PROJECT ZERO」シリーズのマザーボードと、同じくMSIの背面コネクタ対応ケース「MSI MAG PANO M100R PZ / WHITE」を組み合わせることで、究極の裏配線である背面配線を実現したゲーミングBTO PCだ。

 STORMとMSIの協力体制によって構築された「POWERED BY MSI ESSENTIAL」モデルでもある幻界の魅力を、Core i7-14700F/GeForce RTX 4070 SUPER搭載モデルの「GK-147F47S」でチェックしてみよう。

スマートな背面配線と白いパーツが映える「STORM 幻界」

 MSIコラボレーションモデルとも言えるSTORMの「幻界」は、MSIの背面コネクタ設計マザーボード「PROJECT ZERO」と対応ケースの採用で背面配線を実現した、「POWERED BY MSI ESSENTIAL」仕様の新作ゲーミングBTO PCだ。

 3面のガラスパネルと白いカラーリングが特徴のMSI製PCケース「MSI MAG PANO M100R PZ / WHITE」に、白を基調としたカラーリングのパーツを組み込んで構築された幻界は、背面配線と白いカラーリングによって美しいビジュアルに組み上げられている。

3面強化ガラスパネルが特徴的なPCケース「MSI MAG PANO M100R PZ / WHITE」を採用する「STORM 幻界」。背面コネクタ設計マザーボードの採用によって、ほとんどのケーブルがケース右側面側に隠されている。

 今回テストするCore i7-14700F/GeForce RTX 4070 SUPER搭載モデル「GK-147F47S」に採用されているマザーボードの「MSI B760M PROJECT ZERO」は、基板のパターン部分やメモリスロットまでを覆う“"STORM限定”のカバーを装着した特注仕様。ガラスパネル越しに目立つ配線はビデオカード用のPCIe 16ピンケーブルのみであり、そのケーブルもSTORMのこだわり白いケーブルを用いることで、美しいビジュアルに仕上がっている。

フロント側にもガラスパネルを配置したピラーレス設計。
ケース搭載のインターフェース類は左側面のフロント側底部に配置されている。
左側面。クリアガラスパネルを採用しており、内蔵パーツのビジュアルを楽しめる。
右側面。金属パネルを採用しており、フロント側とリア側に通気口が設けられている。
フロントパネルに対応した2面パネルの天板を装備。パネルには通気口が設けられている。
背面。マザーボードやビデオカードのインターフェイスにアクセスできるほか、排気ファンが配置されている。

 GK-147F47Sの冷却システムは、水冷ヘッドに2.8インチの大画面液晶を備える240mmサイズのSTORMオリジナル水冷CPUクーラー「ST-AIO240_MAX WH」と、RGB LEDを搭載する4基の120mmファン(フロント×3、リア×1)によって構成されている。

 右側面のフロント側に配置された3基のファンは、一見するとケース内部の空気を排出する排気ファンに見えのだが、羽根の向きが通常のファンと逆になっているリバースブレードファンとなっており、ケース外の空気を取り込む吸気仕様となっている。これにより、3基のフロントファンから取り込んだ空気を、リアのファンや水冷クーラーなどから排出するというエアフローが構築されている。

水冷ヘッドに2.8インチの大型液晶を備えるSTORMオリジナル水冷クーラー「ST-AIO240_MAX WH」を搭載。
フロント側に配置された3基のファンは吸気ファンとなっており、ケース外から取り込んだ空気はリアのファンや水冷クーラーのラジエーターから排気される。

 金属製のサイドパネルに覆われている右側面内部では、マザーボードの背面コネクタに各種ケーブルが接続されている。サイドパネルに覆われているため通常は見えない部分だが、STORMの組立て技術によって各ケーブルは整然と配線されており、美しい内装に仕上がっている。

ケース左側面の裏配線スペース。STORMによる見事な配線仕上げで美しくケーブリングされている。
背面コネクタに接続されたケーブル。24ピンメインコネクタやCPU用のEPS12Vといった電源ケーブルから、USBやフロントパネル用ヘッダーまで、ほぼ全てのケーブルが背面側で配線されている。
ファンやLEDの配線も綺麗にまとめられている。SATAコネクタなどもマザーボードに背面コネクタとして搭載されており、SATA対応のストレージを搭載する際は表からは見えない。

 白く美しいPCに組み上げられたSTORM 幻界。準ハイエンド級の高性能プロセッサであるCore i7-14700F/GeForce RTX 4070 SUPERを採用するGK-147F47Sの販売価格は、標準構成で税込み329,800円。

 パーツ構成のカスタマイズにも対応しているが、標準構成の時点でもCrucialブランドの32GB DDR5メモリや1TB SSDを搭載しており、本格的にゲームを楽しめるハイスペックなPCとして完成されている。

BTOメーカーとMSIの協力体制のもと製造される「POWERED BY MSI」モデル

 STORMの幻界は「POWERED BY MSI ESSENTIAL」モデルであるとされている。ここで、POWERED BY MSIに属するPCがどのような製品なのか確認しておこう。

 POWERED BY MSIとは、PCメーカーとMSIの協力によって製造されたBTO PCであることを示すもので、PCに搭載されたMSI製パーツの種類と数に応じて「ULTIMATE」、「ADVANCED」、「ESSENTIAL」の3つのグレードが設けられている。

 STORMの幻界が属するPOWERED BY MSI ESSENTIALは、PCの基幹パーツであるマザーボードと、その他1点のパーツにMSI製品を採用していることが条件とされており、3つのPOWERED BY MSIの中でもっともパーツ選択の自由度が高い。幻界の場合、背面配線を実現するマザーボードとケースにMSI製品を採用することでこの条件を満たしている。

 上位グレードより要件が緩いESSENTIALグレードだが、どのグレードのPOWERED BY MSIモデルであっても、PCメーカーとMSIが協力体制を構築していることには変わりない。基幹パーツを製造するMSI協力のもと構築されているという事実は、幻界の信頼性を測るひとつの指標と言えるだろう。

Core i7-14700F + GeForce RTX 4070 SUPERの性能をしっかり発揮ベンチマークとゲームで実性能をテスト

 ここからは、ベンチマークテストやゲームでのフレームレート計測を通して、STORM 幻界のCore i7-14700F/GeForce RTX 4070 SUPER搭載モデル「GK-147F47S」のパフォーマンスをチェックする。

Cinebench 2024

 まずは、3DCGベンチマークテストのCinebench 2024を実行した結果から確認する。テストは標準の「最低実行時間=10分」設定で行っており、実行時の室温は約25℃だった。

 GK-147F47Sが記録したスコアは、GPUテストが「18,958pts」、CPU(Multi Core)が「1,651pts」、CPU(Single Core)が「121pts」。Core i7-14700FとGeForce RTX 4070 SUPERを搭載するPCのスコアとしては想定通りといったスコアであり、GK-147F47SがCPUとGPUの性能をしっかり引き出していることを確認できる。

エーペックスレジェンズ

 エーペックスレジェンズでは、グラフィック品質を出来る限り高く設定したうえで、フルHD/1080pとWQHD/1440pで平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは300fps。

 GK-147F47Sが記録した平均フレームレートは、フルHD/1080p解像度で「約294.9fps」、WQHD/1440pで「約269.0fps」だった。高画質設定であってもWQHD/1440pまでなら200fps以上の高フレームレートが期待できるのは、ハイスペックなゲーミングBTO PCならではのパフォーマンスであると言える。

フルHD/1080p解像度で最高画質の場合、平均フレームレートは約294.9fpsだった。
WQHD/1440p解像度で最高画質の場合、平均フレームレートは約269.0fpsだった。

エルデンリング

 エルデンリングでは、グラフィック品質のプリセットを「最高」に設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pで平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは60fpsで、レイトレーシングはオフにしている。

 GK-147F47Sは、フルHD/1080pとWQHD/1440pの両解像度で上限の約60fpsに達しており、安定して上限フレームレートの維持が可能だった。このパフォーマンスがあれば、6月の発売が予定されているDLCも存分に楽しむことができるだろう。

フルHD/1080p解像度で最高画質(レイトレーシングオフ)では60fps維持が可能、画質設定次第ではレイトレーシングの使用を検討しても良いかもしれない。
WQHD/1440p解像度/最高画質(レイトレーシングオフ)でも60fps維持が可能だった。

見た目の良さだけでなく実は冷えるSTORMの「幻界」、しかも思いのほか静かCPU・GPU温度と騒音を計測してみた

 最後に、ビジュアル面を追求して設計された背面配線対応ピラーレスケースを採用する幻界が、ハイスペックなパーツを十分に冷却できるのか、エルデンリングをWQHD/1440pでプレイ中の動作温度をHWiNFO64 Proでモニタリングしてみた。テスト時の室温は約25℃。

 30分連続でエルデンリングを動作させ続けた際の温度を計測した結果、CPU温度が「平均47.7℃/最大63℃」、GPU温度は「平均48.4℃/最大50℃」を記録した。これは、それぞれの温度リミット(CPU=100℃、GPU=84℃)を大幅に下回る温度であり、十分に冷却できていると言える結果だ。

 優れた冷却性能を実現している幻界だが、その動作音はどの程度のものなのか騒音計で計測してみた。計測時、騒音計はケースから約40cm離れた位置に設置している。

 PCの電源をオフにしている時の騒音値が「31.1dBA」であるのに対し、負荷を掛けずに起動しただけの状態での騒音値が「35.9dBA」、エルデンリングを動作させたさいに動作音が特に大きくなった時の騒音値が「36.6dBA」だった。耳に聴こえる音としてもそれほど大きな変化はなく、エルデンリング程度の負荷であればファンスピードを大きく上げなくても冷却できる実力があるようだ。

ビジュアルと冷却性を兼ね備えた背面配線PC「STORM 幻界」

 STORMの幻界は、MSIの背面配線対応マザーボードとケースを組み合わせた白く美しいビジュアルと、ハイスペックパーツをしっかり冷やせる冷却性を兼ね備えたゲーミングBTO PCだ。

 背面コネクタ設計のマザーボードやケースの販売がスタートし、自作PCでも扱えるようになりつつある「背面配線」だが、POWERED BY MSI ESSENTIALモデルとしてMSIとの協力体制で構築された幻界は、部品選定から組立て品質に至るまで高い質で完成されている。

 性能的にも冷却的にも安心して選べるゲーミングBTO PCの一つである「幻界」。パーツ構成のカスタマイズが可能なことはもちろん、バリエーションモデルも複数用意されているので、背面配線と白いカラーリングが作り出すビジュアルに魅力を感じるのなら、ぜひそのラインナップを確認してもらいたい。