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50TB HDDまで見据えたSeagateの製造技術「Mozaic」をアピール、2.5PBの超大容量ストレージや次世代のNVMe HDDなどを紹介
(COMPUTEX AKIBA出張所 / Seagate編)
- 提供:
- Seagate
2025年5月29日 00:10
PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2025」が、5月20日~5月23日の日程で、台湾・台北市にて開催。
Seagateはメイン展示会場の南港展覧館にブースを構え、HAMR(熱アシスト磁気記録)をベースにした同社のテクノロジー「Mozaic」の紹介コーナーや、2.5PBもの超大容量を構築できるデータセンター向けストレージ、次世代のNVMe HDDの紹介など、ストレージメーカーらしい展示に興味を示すユーザーも多かった。今回のレポートではブースにあった展示物から目立った物を紹介しよう。
HAMR(熱アシスト磁気記録)をベースにした技術「Mozaic 3+」50TB HDDの製造も視野に
COMPUTEXのSeagateブースに展示されていたmozaic 3+のイメージモック。熱アシスト磁気記録「HAMR」を中心としたSeagateの技術で、現在の3+の世代では30TBクラス、次世代の4では40TBクラス、5は50TBクラスがターゲット。50TB HDDまでは現時点で製造的な目処がたっているとのことです。#COMPUTEX_AHpic.twitter.com/FeG9RRyd2u
— AKIBA PC Hotline! (秋葉原) (@watch_akiba)May 21, 2025
Seagateのテクノロジーを代表する例として、HAMR(熱アシスト磁気記録)を使った製造技術「Mozaic 3+」をアピール。ブースにはイメージモックが展示されていた。
末尾の数字はプラッタあたりターゲットの容量を示しており、SeagateのHDDは最大10枚のプラッタを搭載するので、次世代の「Mozaic 4+」では4TBプラッタ×10枚で40TBクラスのHDDがターゲット、さらに先の「Mozaic 5+」では5TBプラッタ×10枚で50TBクラスのHDDがターゲットになっている。製造技術的には「Mozaic 5+」まではすでに目途が立っているとのことで、50TB HDDが登場するのもそう遠くない未来となりそうだ。その先となると積層や新たな技術の開発が必要で、HDDの大容量化に向けて研究が続けられているという。
最大36TBのHDD「Exos M」一般向けの BarraCudaも24TBまでラインアップ
SeagateはCOMPUTEXのブースでエンタープライズHDD「Exos M」をアピール。HAMRを使い最大容量は36TB。NAS向けのIronWolf、監視カメラ向けのSkyHawk、一般向けのBarraCudaも、最大24TBと大容量HDDが用意されています。BarraCudaの大容量モデルは今人気になっていますね!#COMPUTEX_AHpic.twitter.com/wXEUqJn5rS
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ブースにはSeagateのテクノロジーを紹介するものが多かったが、HDD製品単体も展示されていた。最大36TBのエンタープライズ向けHDD「Exos M」を筆頭に、NAS向けのIronWolf、監視カメラ向けのSkyHawk、一般向けの BarraCudaを紹介。シリーズを問わず大容量モデルを展開していることがアピールされていた。
なお、 BarraCudaは市場に流通している一般向けHDDとしては最大の24TBモデルを販売しており、日本でも人気となっている。
なんと容量は最大2.5PBSAS接続のストレージシステム「EXOS CORVAULT」
最大2.5PBの外付けストレージが構築できる「EXOS CORVAULT」をSeagateがCOMPUTEXのブースに展示。多数のHDDベイが並ぶ姿は圧巻。PCとの接続インターフェイスはSASで、一般的なPCでも使用一応可能です。データセンター向けなので見る機会はあまりありませんが、ロマンを感じますね。#COMPUTEX_AHpic.twitter.com/DDygbN3tJ2
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データセンター向けのストレージシステム「EXOS CORVAULT」も実機が紹介されていた。HDDフル搭載時には2.5PBと桁違いの容量を実現可能なモデルで、内部にベイ数がずらっと並ぶ姿は圧巻の一言。
データ用インターフェイスはSASで、管理用ネットワークインターフェイスは10/100/1000Gbitイーサネット対応。シーケンシャルのスループット性能はリードが12GB/s、ライトが10GB/s。4Uラックサイズの製品で、本体の大きさは176.4mm×441mm×1,139mm。システムデータの保護機能のSeagate Autonomic Distributed Allocation Protection
Technology(ADAPT)に対応している点も特徴。
HDDも将来はNVMe接続にNVIDIA Bluefield-3 DPU搭載エンクロージャー環境での使用例を紹介
COMPUTEXでSeagateが次世代の「NVMe HDD」をアピール。NVMe化で速度の向上やプロトコルの影響によるロスを減らすことができるそう。HDDの単体展示はなかったものの、NVIDIA Bluefield-3 DPUを搭載するエンクロージャーを使い、ワークステーション環境での接続例が紹介されていました。#COMPUTEX_AHpic.twitter.com/QPYn0PlGRZ
— AKIBA PC Hotline! (秋葉原) (@watch_akiba)May 22, 2025
次世代のHDDはSSDと同じく接続インターフェイスがNVMeに。現在のSSDはPCIeをベースとしてSSDに最適化されたNVMeプロトコルが主流になっているが、SATAないしSAS HDDは従来規格のままだった。これをNVMe化することで共通化し、速度の向上やロスを減らすことができるという。
現在のテスト機はラベルなどもない状態のためHDD単体の実機展示は行っていないとのことだったが、ブースの一角にはNVIDIA Bluefield-3 DPUを搭載するエンクロージャーを使い、ワークステーション環境での接続例が紹介されていた。まずはSAS HDDなどが使われている分野のHDDから置き換えが始まるようで、将来的にはコンシューマー向けHDDもNVMe HDDへの移行が行われるものと思われる。
Seagateがクラウドストレージサービスを提供「Lyve Cloud」をアピール
COMPUTEXのSeagateブースで紹介されていた「LYVE Cloud」サービス。AIなど要求の厳しい用途にも耐えられる環境を提供。超巨大データをストレージごとSeagateに送りクラウドへデータ転送する「LYVE Mobile」との組み合わせにも対応。輸送対応のストレージ本体も展示されていました。#COMPUTEX_AHpic.twitter.com/9IOdSXZecw
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Seagateが提供しているクラウドストレージサービス「Lyve Cloud」は、大容量で信頼性の高いサービスをアピール。ランサムウェアなどへの対策はもちろん、最新のデータ保護機能、高い拡張性をユーザーへ提供。最も要求の厳しいAI/MLアプリケーションとクラウドネイティブなワークロードをサポートするとしている。
ネットワーク経由でデータセンターへのデータ転送が現実的ではない超大容量ファイルを、Seagateがデータセンターへ物理的にデータ移行行うサービス「Lyve Mobile」との連携もとられており、ブースには実際に超大容量データを物理的に持ち運ぶためのストレージ「Lyve Mobile Array」が展示されていた。「Lyve Cloud」と「Lyve Mobile Array」はサブスクリプションでサービスが提供されている。
HDDの内部を3Dホログラムで紹介見てわかるデジタルサイネージを展示
COMPUTEXのSeagateブースに展示されていたド派手なホログラムサイネージ。HDDの分解図が紹介されており、動きもあって目を引きます。内部構造の紹介は立体的に確認できるとわかりやすくていいですね!#COMPUTEX_AHpic.twitter.com/ThsdWC3Cf1
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Seagateのブースには二つの目立つオブジェが置かれていた。一つは無限大記号をモチーフにしたもので、データが人や社会の中を流れ続け循環し続けることを表したとのことだった。
もう一つがHDDの内部構造を立体的に紹介するデジタルサイネージ。立体的に見せることでHDDの内部構造が伝わりやすく、動きも大きかったので非常に目立っていた。足を止めてみている人も多く、こちらもユニークな展示アイテムとして好評だった。