 | 【 2011年11月8日号 】 |
| 現行最速クラスのRAIDカード「LSI MegaRAID SAS 9265-8i」を試す SSD×4台RAID 0は他の追随を許さぬ速さ Text by 久保 勇 |
- 挙動は従来モデルと
同傾向RAIDカードのクセをチェック、従来モデルと同傾向の挙動
LSIのRAIDカードは設定により速度が伸びたり、逆に速度が伸び悩むことがあるが、そうした傾向が9265-8iにもあるのが調べてみた。ここではSSD(Crucial m4 128GB)を2台使用してRAID 0の速度を計測している。 なお、ベンチマークソフトCrystalDiskMarkの計測サイズは1,000MBで行うのが一般的だが、9265-8iはキャッシュが1GB搭載されており、この値ではキャッシュの影響を大きく受けてしまう。そのため、実ストレージの速度を測る際は、計測サイズを4,000MBに設定してテストしている。
まずは書き込みキャッシュ有効時/無効時の速度をテストしてみた。LSIのRAIDカードは、書き込みキャッシュの有効/無効の違いで大きく性能が変わる傾向があるためだ。
下のベンチマークはキャッシュを有効/無効を切替えた際のもの。新モデルの9265-8iも、これまでのモデル同様、書き込みキャッシュ有効時に高い性能を発揮する。書き込みキャッシュを無効にした場合は、ほぼキャッシュが使われない状態になるようだ。・キャッシュ速度
(書き込みキャッシュ有効)・キャッシュ速度
(書き込みキャッシュ無効)・ストレージ速度
(書き込みキャッシュ有効)・ストレージ速度
(書き込みキャッシュ無効)
CrystalDiskMark(100MB)
CrystalDiskMark(100MB)
CrystalDiskMark(4,000MB)
CrystalDiskMark(4,000MB)また、搭載キャッシュがCrystalDiskMarkの計測サイズにどのような影響を受けるのか調べるため、計測サイズ別の速度も調べてみた。CrystalDiskMarkの計測サイズをキャッシュ容量を超える値に設定すると、キャッシュの恩恵がほぼ無いRAIDカードも存在する。9265-8iは、キャッシュ容量を超えるファイルサイズの転送でもある程度はキャッシュの恩恵を受けられる。
CrystalDiskMark(100MB)
(キャッシュ速度)
CrystalDiskMark(1,000MB)
CrystalDiskMark(2,000MB)
CrystalDiskMark(4,000MB)
LSIのRAIDカードはキャッシュをうまく使って速度を引き出すタイプの製品なので、速度を重要視するのであれば書き込みキャッシュは有効で使用するのがいいだろう。ただし、書き込みキャッシュは有効時は急な電源断などが起こるとキャッシュ内のデータが失われるリスクがあり、信頼性が求められる環境ではBBU(バッテリーバックアップユニット)やUPSとの併用がお勧めだ。続いて、RAIDアレイのストライプサイズの違いによる速度差を調べてみた。ストライプサイズは8KB、16KB、32KB、64KB、128KB、256KB、512KB、1MBから選択可能で、デフォルト設定は64KB。
前モデルの9260-8iはデフォルトの64KB時に性能を発揮する傾向が見られたが、9265-8iは64KB〜256KBまでの間であれば性能を発揮するようだ。ストライプサイズの設定に関しては若干自由度が高くなったといえる。・ストライプサイズ32KB ・ストライプサイズ64KB ・ストライプサイズ256KB ・ストライプサイズ512KB 
CrystalDiskMark(4,000MB)
CrystalDiskMark(4,000MB)
CrystalDiskMark(4,000MB)
CrystalDiskMark(4,000MB)改良されている面もあるが、キャッシュ周りの挙動やストライプサイズの影響などは従来モデルに近い傾向となっている。LSIのRAIDカードの特性を知っているユーザーであればこれまで通りの感覚で使えるだろう。
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http://www.lsi.com/products/storagecomponents/Pages/MegaRAIDSAS9265-8i.aspx
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LSI MegaRAID SAS 9265-8i