パワレポ連動企画

ストレージの選び方、メモリの選び方

[最新版、PC自作の基礎知識](5)

DOS/V POWER REPORT 5月号

 自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新特集「最新PC自作の基礎知識」をまるごと掲載する当企画の5回目は、ストレージの選び方とメモリの選び方。

 「データをどれだけ保存し、どれだけの速度でアクセスするか」を決めるストレージと、データの「作業机」となるメモリはPCの用途を決める重要なパーツだ。起動用ストレージはSSDが主流だが、「HDDをつけるかどうか」もポイントになってくる。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 5月号は現在発売中。50ページにも及ぶ当特集のほか、様々なパーツの詳細レビューや徹底分析、そして「改造バカ一台」などの爆笑記事も掲載している。

ストレージの選び方
メモリの選び方


- DOS/V POWER REPORT 2014年5月号 Special Edition -


ストレージの選び方

【何のためのパーツ?】

・OSやアプリケーションをインストール、起動する場所
・写真や動画などの各種データの保存や取り出しに使う
・仮想メモリなど、メモリ内のデータの一時退避先としても利用

ポイント1システムドライブにはSSD、データドライブにはHDD

【SSDの特徴】
・読み書き全般がHDDより高速
・容量が少ないわりに高額
【HDDの特徴】
・読み書き性能はSSDに大きく劣る
・安価で大容量だが消費電力も大
・データの長期保存先に向く

 異種デバイスの組み合わせによる使いこなしを模索するのがストレージ選びの楽しさだ。PCとして動作させるという意味では安価で大容量のHDDだけでもまったく問題はないが、高速なSSDをOSやアプリの起動用ドライブにすると、下のグラフで示しているようにレスポンスが大幅に向上する。

 ただ、小容量のSSDに大量のデータを保存するには限界があり、買い足しは費用的に厳しい。そのため、録りためた動画や写真といったデータはHDDに保存するという、SSDとHDDの2台構成(必要に応じてOSやアプリのインストール用の光学ドライブも)が現在のセオリーだ。

【ユーザーフォルダ内の「ドキュメント」や「ピクチャ」の場所をSSDからHDDに移動する方法】

 SSDをシステムドライブとして使っていて、ユーザーフォルダ内の「ドキュメント」や「ピクチャ」などにファイルをどんどん放り込んでいると、すぐに間にSSDの空き容量が減ってしまう。

 こういう場合は、これらのフォルダの位置をHDD上の任意の場所に設定してしまうとよい。これで今後「ドキュメント」に入れたファイルは、自動的にHDD側に保存される。容量が巨大になりがちな「ビデオ」、「ピクチャ」、「ダウンロード」などのフォルダにはとくに有効。SSDを使う上での重要テクニックだ。

(1)【「ドキュメント」を移動させる】

 まずはエクスプローラー上の「ドキュメント」アイコンの上で右クリックし「プロパティ」を選択。この作業前にHDDに空のフォルダを作成しておくとよい
em|s|(2)【別のフォルダを指定する】@@

 「場所」タブを開き「移動」ボタンをクリック。あらかじめ作成済みの空フォルダを指定し「O K」を押す。もとに戻す場合は「標準に戻す」ボタンを押そう
em|s|(3)【もとのフォルダは削除される】@@

 このような確認メッセージが出たら「はい」を選択。すると、フォルダ内のデータがHDD側に移動する。これでシステムドライブの空き容量が増えるはず
em|s|(4)【新フォルダの変化に注目】@@

移動先のフォルダはフォルダ名が変更され、アイコンも「ドキュメント」のものに切り換わる。これでSSDの容量不足を緩和できる

ポイント2価格と容量のバランスで決める

 ストレージ選びでは、価格と容量のバランスが大事だ。SSDもHDDも“お買い得感”のある容量が存在しており、そこから外れるととたんに割高になる。

 SSDを買う場合に注意したいのは、予算がないからと言って容量の少ないものを選ぶこと。Windows 8.1の場合、OSだけで30GB弱使うが、そこに大作ゲーム(20〜30GB)やアプリなどを入れ始めると128GBクラスのSSDでも簡単に満杯になる。現在であれば256GBクラスのものが価格的にも容量的にもバランスが取れている。

 HDDは現状2〜3TBが狙い目。1TBで十分という人もいるだろうが、価格差が小さいので、将来性を考えて容量の多いものを買っても損はない。“回転数”という要素もあり、7,200rpmと5,400rpmでは微妙に体感差がある。大容量データを頻繁に扱うのであれば、前者を選んだほうが多少快適になるが、消費電力が上がるといったデメリットもある。

【Samsung製SSDで使える高速化ユーティリティ】

各社のSSDの付属ユーティリティはドライブのメンテナンス(Secure Eraseなど)機能が集められているものが多い。しかしSamsung製SSD(840 EVOまたはPROシリーズ)用の「SSD Magician」のように、メモリを利用してSSDの読み書き性能を大幅に向上させる「RAPID」機能を備えたものもある。こうした機能を目的にSSDを選定するのもよいだろう。

オススメのSSDとHDD

ランダムアクセス性能をさらに強化
CFD販売 S6TNHG6Q

・東芝 TC358790XB6
・東芝製フラッシュメモリ

東芝製人気SSD「HG5d」シリーズの後継。最新SSDのトレンドに合わせランダムアクセス性能を強化した。高速化ユーティリティとして「SSD TURBO BOOST」が付属する。

型番 容量 公称最高速度(リード/ライト) 実売価格
CSSD-S6T512NHG6Q 512GB 530 / 500MB/s 36,000円前後
CSSD-S6T256NHG6Q 256GB 530 / 490MB/s 20,000円前後
CSSD-S6T128NHG6Q 128GB 530 / 490MB/s 11,000円前後

価格・性能ともに現行SSDの牽引役
Samsung Electronics 840 EVO [迷ったらコレ!]

・Samsung S4LN045X01-8030
・Samsung 製フラッシュメモリ

TLCの弱点である書き込み性能の遅さを独自機能「TurboWrite」で補うことで、安価なわりに高い性能を獲得した人気モデル。メモリをキャッシュに使う「RAPID」モードでさらに快速に。

型番 容量 公称最高速度(リード/ライト) 実売価格
MZ-7TE1T0B/IT 1TB 540 / 520MB/s 69,000円前後
MZ-7TE750B/IT 750GB 540 / 520MB/s 54,000円前後
MZ-7TE500B/IT 500GB 540 / 520MB/s 35,000円前後
MZ-7TE250B/IT 250GB 540 / 520MB/s 17,000円前後
MZ-7TE120B/IT 120GB 540 / 410MB/s 10,000円前後

少しでも“ 速く!”なら7,200rpmモデル
Seagate Technology Desktop HDD

・3.5インチ
・5,900rpm、7,200rpm

3TB以下のモデルは7,200rpmの高速なHDD。4TBモデルのみ5,900rpmなので注意。7,200rpmモデルは発熱・消費電力ともに5,400rpmのものよりも大きい。キャッシュメモリは64MB。

型番 容量 公称最高速度(リード/ライト) 実売価格
ST4000DM000 4TB 64MB 17,000円前後
ST3000DM001 3TB 64MB 11,000円前後
ST2000DM001 2TB 64MB 8,000円前後
ST1000DM003 1TB 64MB 6,000円前後

安価&低発熱な5,400rpmモデル
Western Digital WD Green

・3.5インチ
・5,400rpm

低回転で静音志向のHDD。発熱や消費電力が小さいので複数台導入する場合にも向いている。同社にはNAS向けのWD Redやパフォーマンス重視のWD Blackシリーズなど、特定用途向けのHDDもある。

型番 容量 公称最高速度(リード/ライト) 実売価格
WD40EZRX 4TB 64MB 17,000円前後
WD30EZRX 3TB 64MB 12,000円前後
WD20EZRX 2TB 64MB 8,000円前後
WD10EZRX 1TB 64MB 6,000円前後


メモリの選び方

【何のためのパーツ?】

・CPUが処理するデータを一時的に置くための場所
・アプリはメモリをどんどん使う。メモリ容量が不足すれば快適度が大きく下がる
・メモリ速度は内蔵GPUの性能に強く影響する

ポイント1容量は合計8GBにしたい

【メモリ8GBと16GBで差は出るか?】

搭載メモリが少ないと、すぐに容量不足になり、PCの処理速度が著しく落ちる。メモリは“やや多め”が鉄則だ。とはいえ、Webブラウジングや書類作成程度なら4GBもあれば十分である。ただし、ゲームや写真、動画の編集といった作業なども考えているなら、4GBでは心もとないため、8GBは欲しい。

 LGA1150やFM2+のCPUを使う場合、メモリはデュアルチャンネルという高速化技術を利用するために同容量を2枚ずつ装着するのがセオリーだ。なお、メモリは搭載枚数が増えるほど、相性問題といったトラブルが出やすくなる。そのため、合計8GB積みたいなら2GBを4枚よりも4GBを2枚にしよう。

ポイント2速度はDDR3-1600が基本

【高クロックメモリは内蔵GPUに効く】

 メモリの速度表記方法には、モジュールの規格(メモリの帯域を示す)、またはチップの規格(メモリクロックを示す)が用いられる。右の表のとおり、どちらの記載方法でも数値が高いほうが速い。なお、CL(CASレイテンシ)に関しては逆に小さいほうが高速。ただし、レイテンシの設定は上級者向け、普通に使う分には気にする必要はない。

 現在は1,600MHz動作の「DDR3-1600」が主流だが、もっと高クロック動作の「DDR3-2133」などのメモリを使えば、処理性能が向上する。ただ、ほとんどの場合、向上率はほんの数%であり、費用対効果は悪い。

 しかし、CPUの内蔵GPUに限って言えば、高クロックメモリと組み合わせると性能が急激に伸びる。UEFIメニュー上でメモリクロックの設定を行なう必要はあるが、試してみる価値は十分にある。

【DDR3メモリの速度の表記】
メモリモジュールの規格 メモリチップの規格 メモリクロック
PC3-10600 DDR3-1333 1,333MHz
PC3-12800 DDR3-1600 1,600MHz
PC3-14900 DDR3-1866 1,866MHz
PC3-17000 DDR3-2133 2,133MHz
PC3-19200 DDR3-2400 2,400MHz

【検証環境】CPU:Intel Core i5-4670K(3.4GHz)、マザーボード:ASUSTeK GRYPHON Z87(Intel Z87)、メモリ:Corsair Components Dominator CMD8GX3M2A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、Corsair Component
s Dominator CMD16GX3M2A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2)、Corsair Components Vengeance CMZ8GX3M2A2133C11(PC3-17000 DDR3 SDRAM 4GB×2)※ファイナルファンタジーXIVベンチで使用、グラフィッ
クス機能:Intel Core i5-4670K内蔵(Intel HD Graphics 4600)、SSD:Micron Technology Crucial M500 CT480M500SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、480GB)、OS:Windows 8.1 Pro 64bit版

オススメのスタンダードメモリとオーバークロックメモリ

スタンダード仕様で低価格な万人向けメモリ
CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(実売価格:9,500円前後) [迷ったらコレ!]

・PC3-12800(DDR3-1600)
・CL=9

 IntelのLGA1150用CPUを使ったシステムでは標準的な1,600MHz動作のメモリ。4GBの2枚セット構成なので容量は十分。ほとんどの用途で問題なく使える。1万円を切る価格も魅力だ。

性能を重視するならこれくらいのものを狙え
Corsair Components Vengeance CMZ8GX3M2A2133C11(実売価格:12,000円前後)

・PC3-17000(DDR3-2133)
・CL=11

 2,133MHzで動作するオーバークロックメモリだ。4GBのモジュールを2枚セットにした合計8GBモデル。Intel製マザーボードを使えば、XMPにより簡単にメモリのOCを設定することができる。


- DOS/V POWER REPORT 2014年5月号 Special Edition 目次-

1回目:PC自作はいつだって楽しい! 〜改造バカ、かく語りき〜
2回目:理想のマシンを自分で作ろう 〜自作PC作例集6選〜
3回目:CPUの選び方、マザーボードの選び方
4回目:ビデオカードの選び方
5回目:ストレージの選び方、メモリの選び方
6回目:PCケースの選び方
7回目:電源ユニットの選び方、CPUクーラーの選び方
8回目:パーツ選びが終わったら、ここを確認!
9回目:PC組み立て徹底解説、パーツ取り付けからインストールまで 〜10万円のパーツで組んでみた〜
10回目:小型PCを自作する場合の注意点
11回目:トラブル発生時の原因特定方法


DOS/V POWER REPORT 5月号発売中】

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(AKIBA PC Hotline!編集部)