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速いだけじゃ無い! Synologyの「RT2600ac」で分かる、ハイエンドルーターを買う理由

~レンタルのホームゲートウェイとどう違う? 初心者がやっておきたい設定を徹底解説~ text by 清水理史

ファイル共有やデータ同期を可能にする

USBストレージに加えて、フロントのスロットにSDカードを装着してNASとして使うこともできる

 前述したように、RT2600acは、SynologyのDiskStation譲りの本格的なNAS機能を搭載しているが、その使い方は非常に簡単だ。

 まず、ストレージを用意する。容量を重視するならUSB3.0接続のHDD、スピード重視なら同じくUSB3.0のSSD、手軽さを重視するならSDXCカードをRT2600acの前面のスロットに装着しておく。

 FAT32を認識できるので、そのまま使ってもかまわないが、大容量のファイルを扱いたい場合などはext4などでフォーマットしておくといいだろう。

 ストレージの準備ができたら、サービスを有効化する。ファイル共有機能は、RT2600acの標準機能として搭載されているので、「コントロールパネル」で「Windowsファイルサービス」を有効化しておけばいい。

 上記セカンドステップでユーザーを追加してあれば、PCのエクスプローラーなどからネットワーク上のコンピューターを参照してファイルを読み書きできるようになる。

 もしも、家電と連携させたい場合は、パッケージセンターから「メディアサーバー」を追加しておくといいだろう。これによりDLNAサーバーとして動作するようになり、DLNAに対応したテレビやゲーム機などから、RT2600acに保存された動画や音楽をリモート再生できるようになる。

ファイルサービスを有効化するとネットワーク上のPCからファイル共有が可能になる
メディアサーバーをインストールすると、DLNA対応のテレビなどから動画や音楽をネットワーク経由で再生できる

 また、Synology製品ならではのCloud Station Serverも使えるようにしておくことをおすすめする。

 Cloud Station Serverは、PCやスマートフォンのデータをリアルタイムで同期したり、データをバックアップしたりできる機能だ。パッケージインストール後、PCやスマートフォンにCloud Station Driveアプリをインストールし、接続先としてQuickConnectで設定したホスト名を指定すれば、データを同期できる。

 OneDriveなどのクラウドストレージと同様の機能を実現できるうえ、同期されたデータの履歴を保持できるため、バックアップとしても非常に便利なので、ぜひ活用したいところだ。

 なお、RT2600acでは、グループを設定することができないが、同社製のNASと組み合わせることでLDAPでアカウントを一元管理したり、企業などに導入されているActive Directoryと連携させることもできる。前述したCloud Station Driveを使って、PCからNASとRT2600acの両方のデータを同期することなどもできるので、将来的なステアップアップ先としてNASが用意されているのもSynologyならではの魅力だ。

Cloud Statino Serverをインストールすると、PCやスマートフォンのデータを同期したり、リアルタイムでデータをバックアップできる(利用にはユーザーホームサービスの有効化が必要)
Cloud Station Driveのクライアント。QuickConnect IDを使って簡単に接続可能。PCのデータを同期できる