特集、その他
PC初心者でも作れる!?初めての自作PC講座。失敗せずに確実に、安全&キレイに作る手順、教えます
【全手順解説!初めての自作PC組み立て編 】 text by 石川 ひさよし
2024年8月13日 09:00
組み立て前半戦:マザーボードへの組み付け
いよいよ組み立てに入ります。ただしこの前半戦ではまだPCケースに入れることはありません。マザーボードに搭載できるパーツから作業を進めます。
また、もう一つの目的に動作検証があります。まだ仮組みと言える段階で問題を見付けておけばバラし作業も少なくてすみます。
CPUの取り付け
CPUをマザーボード上のCPUソケットに装着します。CPUソケット内またはCPU裏には細かなピンがあります。このピンの損傷に気を付けながら作業をしましょう。
CPU装着で想定される失敗は
・CPUソケットカバーを外そうとした
・CPUを落とした
……といったものです
これを踏まえて、できるだけリスクを抑えた方法を紹介します。
※上記の方法で外れない場合は手で外すしかありませんが、すでにピンはCPUによってカバーされているので安全に行えます
CPUクーラーの取り付け
CPUクーラーを装着します。CPUクーラーの装着方法は製品によって異なるので、基本は製品マニュアルに従って作業してください。
まずどのCPUクーラーにも共通する点を説明しておきます。Intel Core(LGA1xxx)はCPUソケット周囲の四つの穴を使ってマザーボードと裏、表から挟んで固定、AMD AM4/5はCPUソケット裏にあるバックプレートを利用して固定したり、リテンション(黒い樹脂パーツ)のツメを利用して固定したりします。
CPUクーラーの装着作業では、
・ファンのブレードや軸に触れない
・ネジやナットを締め過ぎない
・グリスを塗る際に盛り過ぎない
……といった点に注意しましょう。
グリスが足らないと熱がうまく伝わりません。少ないよりは多いほうがマシですが、はみ出し過ぎるとショートを生じかねません。塗り方はいろいろとありますが、初心者には塗布量を調節しやすい「ヘラ塗り」をお勧めします。
CPUクーラーが付属するCPUもあります(リテールクーラーと呼びます)。今回は、基本中の基本であるIntel Coreシリーズに付属するリテールクーラーの装着手順を紹介します。Intel Core用リテールクーラーは、プッシュピン式と呼ばれる固定方法を採用しています。
今回はツールレスで固定できる簡単なものを使用しましたが、自作PCで広く用いられる大型のCPUクーラーはネジで固定するものが一般的。PCに限らず「4本のネジで固定するもの」全般に言えることですが、ネジを締める際は「対角線の順番で締める」(左上→右下→右上→左下、など)、「仮止め→本締めの2ステップで締める」のが基本です。いきなり本締めしようとすると、CPUクーラーが傾いて対角線反対側のネジが締めづらくなってしまいます。
メモリの取り付け
メモリの装着自体は簡単ですが、間違いやトラブルが生じやすいところでもあります。主な原因は、
・挿す向きが逆できちんと挿せない(“逆挿し”は原則できない構造)
・しっかり根本まで挿せていない(片側しかラッチがない製品で起こりがちです)
・複数本あるスロットに対し挿すべき位置を間違えている
あたりで、まずは「きちんと挿す」ことが重要です。
メモリとメモリスロットの構造をチェックしましょう。
メモリスロットが4本あるマザーボードで2枚のメモリを使用する場合、規定のスロットに挿さないと性能が引き出せない場合があります(まれに起動しないことも)。CPUソケット側から数えて2番目、4番目に挿すのがセオリーですが、まずはマザーボードのマニュアルを参照しましょう。
それでは実際にメモリを挿していきます。
M.2 SSDの取り付け
続いて、M.2 SSDを固定していきましょう。
最近のマザーボードには複数のM.2スロットが備わっています。システム(OSをインストールする)用SSDはCPUに接続されたM.2 SSDに挿します。基本的にはCPUソケットにもっとも近いM.2スロットがこれに該当しますが、詳しくはマザーボードのマニュアルを参照してください。CPUではなくチップセット側に接続しているM.2スロットもあります。データ用(2台目以降)SSDに利用するものについてはこちらで問題ありません。
近年は数が減っているのでそこそこのレアケースですが、使用するM.2 SSDがSerial ATA 3.0接続だった場合は注意。見た目は同じでも、挿せるスロットに制限があります。また、昨今はSerial ATA対応のM.2スロットはあっても1、2基で、Serial ATAポートと排他利用になるケースもあります。
SATA SSD/HDDの接続
2.5インチのSSDや3.5インチのHDDの接続方法を説明します。どちらもSerial ATA 3.0(SATA)で接続するストレージで、SSD本体はシャドーベイに固定し、Serial ATAケーブルと電源ケーブルで接続します。
Serial ATA SSD/HDDの装着は特に難しいことはありませんが、コネクターの破損は耳にします。ラッチによるロック機構があるため、取り外すときはコネクターのラッチを押しながらケーブルを引き抜きます
ビデオカードの取り付け
ビデオカードを装着します。ビデオカードはPCI Express x16スロットに挿して利用します。マザーボード上でもっとも大きな拡張スロットです。そして末端には必ずラッチまたはメーカー独自の固定具が備わっています。
電源の接続
電源ユニットから延びる電源ケーブルと各パーツを接続していきます。
コネクターの種類を見ていきましょう。
いくつかポイントを挙げます。まず、ATX(24ピン)は20+4ピン、EPS12V(8ピン)は4+4ピン、PCI Express(8ピン)は6+2ピンと、端子が分割できるものがあります。ATX24ピンは20ピンだった時代の名残なので分割不要です。EPS12Vが4+4ピンの分割式なのは、もともと4ピンのATX12Vがあり現在もこれを使うマザーボードがあるためです。必要に応じて分割しましょう。
PCI Express 6+2ピンについてはエントリークラスのビデオカードで6ピンソケットを採用している製品があるためです。これも必要に応じて分割しましょう。
NVIDIA GeForceで使用されているPCI Express 16ピン(12VHPWRや12V-2x6とも)については、対応している電源ならそれを使うのがスマートです。ただし、PCI Express 16ピンを使用するビデオカードにはPCI Express 8ピンからの変換アダプターが付属するので、PCI Express 16ピンのケーブルがない電源ユニットでも大丈夫です。
すべてに共通する点ですが、コネクターを接続する際は根本までしっかりと挿しましょう。電気が流れないのはそもそもアウトですが、接触が悪いと異常に熱を持ったり、ホコリが原因でショートしてしまったりすることもあります。最悪の場合、損傷や発火といった事故にもつながりかねません。「しっかり挿す」、「マニュアルの指示通りに挿す」、「ケーブルの根元をムリに曲げない」ことを心掛けましょう。