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PC初心者でも作れる!?初めての自作PC講座。失敗せずに確実に、安全&キレイに作る手順、教えます
【全手順解説!初めての自作PC組み立て編 】 text by 石川 ひさよし
2024年8月13日 09:00
動作検証:ここまでの作業の確認と初期不良がないかを確認
マザーボードに取り付けるべきものを一通り取り付け終わったら、ここで一旦動作確認を行っておきます。
まだ見慣れたPCの姿にはなっていないですが、この状態でも、キーボード&マウスとモニターを接続すればPCとして利用できます(ホコリやさまざまな事故を考慮すると、一般的にはこのまま使い続けるのはオススメしませんが)。
動作検証の準備として、PCの電源をON/OFFできるようにする必要もあります。これには、マザーボード上にある電源スイッチそのほかのフロントパネル用ピンヘッダーにスイッチを接続します。電源スイッチはPCケースのものを流用するのが手っ取り早いでしょう。また、検証用のスイッチやLEDがセットになった“PC自作便利グッズ”も市販されています。
モニター、キーボード、マウスを接続しましょう。モニターとの接続は、ビデオカードを装着している場合はビデオカード側の映像出力端子(DisplayPort、HDMIなど)に、CPUに統合されたGPU機能を利用する場合はマザーボードのバックパネル上にある映像出力端子に接続してください。
以上の準備ができたら電源を投入します。電源ユニットにメインスイッチ(背面部分にあるものがほとんど)がある場合はそれをONに、続いてマザーボードに接続した電源スイッチを押しましょう。各部のファンが回転をはじめ、LEDが点灯していれば、少なくとも通電には問題ないという証です。
電源がONになると、UEFI(UEFI BIOSやBIOSと呼ぶ場合もあります)の画面が起動します。UEFIは、簡単に言うとPCのハードウェアなどを制御するもっとも基本的な管理機能で、マザーボードに組み込まれています。
はじめて電源をONにするときは、UEFI画面が起動するまでしばらく時間がかかるばあいがあります(ハードウェアのチェックを行っています)。数分かかることもあるのでしばらく待ち、画面が切り換わってUEFI画面が表示されればひとまずはOKです。
もし数十分(目安は30分程度)待っても何も表示されない場合は、パーツの取り付けもしくは取り付けたパーツ自体にトラブルが生じている可能性があります。電源スイッチを長押しして一旦電源OFFにしましょう。各部の接続を確認し、再度電源をONにしてみてください。
それでもダメな場合は、問題のある箇所を絞り込む必要があります。今回の行程であれば……
・CPUクーラーが回っているか確認→回っていなかったらCPUクーラー周辺に問題あり
・メモリを1枚ずつ挿す、スロットを替える→メモリ周辺に問題あり
・ビデオカードを外し、マザーボードの映像出力とモニターを接続する→ビデオカード周辺に問題あり
・SSD/HDDを外してみる→外したSSD/HDDに問題あり
といったように、パーツやケーブルを一つ一つ抜き挿ししながら挙動の変化を確認していきます。一度抜いて挿しし直したことで改善すればまずはまずはOK。いずれかのパーツに原因があれば(順番にチェックすることで原因が絞り込める場合があります)その情報を持ってショップやメーカーのサポートに連絡して“具体的な症状”を伝えて相談してみましょう。
もし、原因らしい原因がはっきりしない場合ですが、こういったときもPCパーツショップに頼れる場合があります。ショップの中にはトラブル時のサポートが充実している店舗も多数存在しているのです。この辺りも考慮して購入場所を検討するのも大いにアリです。
さて、無事にPCが起動すると、UEFIの画面が表示されますが、初回起動時には「Press F1 to Run SETUP」またはこれに類するメッセージが表示されます。F1キーを押してセットアップを行ってくださいという意味です。表示のとおりキーボードのキーを押し、UEFIセットアップ画面に進みます。
このUEFIの画面では、取り付けたCPU、メモリ、SSDが認識されているかどうかを確認します。下記の画面の▼マーク部分に、取り付けたパーツが表示されていればOKです。
注意が必要なのはメモリの“動作モード”です。初回起動時は確実に動作する最低限の設定で動いている場合がほとんどです。たとえば今回、DDR5-5600メモリを用いましたが、初回起動時にはDDR5-4000(=DDR5 4000MHz)という遅い設定で動作していました。
メモリの動作設定を変更するのは簡単で、メモリに記録されている「XMP」(今回の画面上での表記は「X.M.P.」)をUEFI上で指定するだけ。これで最適な動作設定であるDDR5-5600に切り替えることができます。
XMPの本来の目的は「メモリをCPUの定める標準設定(=定格)より高速に動作させる(=オーバークロック動作)」ための設定情報なのですが、今回は「CPUが定める標準設定」を読み込ませています。通常よりもメモリに負荷をかけている設定というわけではないので、特に心配する必要はありません。
この段階でやるべきことはここまで。ひとまず変更を「保存」し、UEFIセットアップを終了しましょう。
再起動したときのUEFI画面は、「ブートデバイスが見付からない」という内容の表示かあるいは自動で再びUEFIセットアップが表示されます。現時点ではOS(=Windows)をインストールしていないので、動作としては正常です。ここで一旦電源スイッチを長押しし、電源OFFに、続いて電源ユニット背面の主電源スイッチもOFFにして、次の行程に進みます。