COMPUTEX AKIBA出張所

MSI、持ち出せる超ハイエンドノートや豪華仕様のAMD X570マザーを発表

4K/HDRの曲面液晶や「Lightning」の記念モデルも(COMPUTEX AKIBA出張所 / MSI編)

 PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2019」が、5月28日~6月1日(現地時間)の日程で台湾で開催されている。

 詳細な取材記事は僚誌PC Watchが報じているが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。

 記事末尾に製品やメーカーへの意見を入力できる入力欄を用意したので、ぜひ意見や要望を送信してほしい。いただいた意見はそれぞれのメーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。

フラグシップの新型ゲーミングノートPCにAMD X570マザーを多数展示

 MSIはビデオカードやマザーボードのトップブランドとして世界的な知名度をもつMSIだが、近年はゲーミングデバイス、液晶ディスプレイなども好調。日本市場でも着々と存在感を増している。

 COMPUTEX TAIPEI 2019でも大きなブースを構えさまざまな展示を行っている。マザーボードではAMD最新のRyzen 3000シリーズとともに発表されたAMD X570チップセットを搭載したマザーボードやLightningシリーズの10周年ビデオカード、大画面のゲーミングカーブディスプレイなどが注目製品だ。

 また、MSIといえば、ゲーミングのイメージも強いが、今回はクリエイター向けモデルにも注力しており、クリエイター向けの「PRESTIGE」ブランドにデスクトップPCや液晶ディスプレイやクリエイター向けマザーボードの新製品を多数展示していた。

Core i9/GeForce RTX 2080搭載のフラッグシップゲーミングノート「GT76 DT 9SG」

ゲーミングノートPCのフラッグシップ「GT76 DT 9SG」。17.3型モデルとしては比較的コンパクトなサイズにデスクトップPC向けのCore i9を搭載可能としている。
4つのファンとヒートパイプを贅沢に使ってC強力に冷却する「COOLER BOOST TITAN」を採用。CPU接触面をCNC研磨により平滑度を高めており、冷却効率を向上させている。

 ノートPCの新製品の中でひときわ目立ったのが「GT76 DT 9SG」。デスクトップ向けのCore i9も搭載できるゲーミングノートPCのフラッグシップモデルだ。17.3型の大画面液晶ディスプレイを装備しており、GPUはNVIDIA GeForce RTX 2080を搭載している。

 独自の冷却システム「COOLER BOOST TITAN」を採用。2つのサーマルモジュールと4つのファン、そして11本ものヒートパイプを贅沢に使って高性能CPUとGPUを強力に冷却。サーマルモジュールのCPU接触面をCNC研磨により平滑度を高め、さらに効率的な冷却ができるようになっている。

 狭額縁デザインの採用により、従来の17.3型モデルより小さく見た目もスマート。スポーツカーをイメージしたというシャープなフォルムも印象的。1キー単位でRGB LEDを制御できるRGB LEDキーボード(Per-key RGBゲーミングキーボード)を搭載するほか、前面にもRGB LEDが点灯するライトバーを装備。背面にもテールランプをイメージしたLEDを実装するなどテンションを上げる演出面も抜かりなく備える。

スポーツカーをイメージしたというシャープなラインで構成したボディーは表面も質感高く仕上げられている。
MSIゲーミングシリーズのシンボルであるドラゴンのエンブレムは、新たにエンボス加工の3D仕様となった。
キートップ1つ単位でRGB LEDの発光を制御した「Per-key RGBゲーミングキーボード」を搭載。派手なイルミネーションが楽しめる。

超豪華「神マザー」のAMD X570チップセット搭載モデルが登場、Ryzen 3000シリーズ対応の「MEG X570 GODLIKE」

MEG X570 GODLIKE。単体の展示はなく、カーブ型PCケース「MPG ALCHEMY 700X」に収納された状態での展示だった。
GODLIKEのストロングポイントをアピールする展示。VRMには14+4+1フェーズ、内訳はCPUコア+メモリ+IO(PCI Expressなど)とのこと。

 MSIのゲーミングフラッグシップとしておなじみとなった超豪華マザー「GODLIKE」に最新のAMD X570チップセット搭載モデルが加わった。

 VRMは電力効率の高さで定評のあるIRデジタル電源を採用し、14+4+1の合計19フェーズの超高耐久設計。VRMとチップセットのヒートシンクをヒートパイプで接続し、チップセットのヒートシンク部には空冷ファンを搭載する。同社担当者によれば、この空冷ファンの仕様は「特許申請中」。ビデオカードなどで培った技術を応用しているという。

 メモリスロットは4本で、DDR4-4600に対応。拡張スロットはPCI Express x16を4本用意し、全てPCIe Gen4対応。3基あるM.2スロットはすべてPCIe Gen3 x4に対応し、ヒートシンク「M.2 Shield FROZR」を装着。これに加えて、PCIe Gen4対応のM.2 SSD RAID拡張カード「M.2 XPANDER-Z Gen4」も付属する。

 通信機能は2.5GBASE-Tと10BASE-Tの有線LANに加え、WiFi-6対応無線LANをオンボードで搭載。さらに10GBASE-T対応LAN拡張カード「10G SUPER LAN CARD」を同梱。

 超高耐久設計のVRM、強力な冷却システム、そして豪華な機能、付属品は、まさに「神レベル」。日本での発売が楽しみなモンスターマザーだ。

チップセットには、ビデオカードで培った技術を応用した高効率ファンを搭載したヒートシンクを装着している。このファンデザインは「特許申請中」という。
PCIe Gen4対応のM.2 SSD RAID拡張カード「M.2 XPANDER-Z Gen4」と、10GBASE-T拡張カード「10G SUPER LAN CARD」が付属。
3基あるM.2ソケットすべてにヒートシンク「M.2 Shield FROZR」を装着。両面実装のM.2 SSDも冷却できるダブルサイドデザインとなっている。

最上位ビデオカード「Lightning」のブランド10周年アニバーサリーモデルを展示

「Lightning」シリーズの10周年を記念した「GeForce RTX 2080 Ti Lightning 10th Anniversary Edition」。GPUクーラーのカラーがゴージャスなシルバーに変わっている。
3連ファンの左右ファンにカラフルなRGB LEDを実装。通常モデルにもある演出だが、明るいシルバーとの組み合わせは記念モデルらしいゴージャス感がある。

 ビデオカードのコーナーでは、同社ビデオカードのフラッグシップブランドである「Lightning」シリーズの10周年を記念した「GeForce RTX 2080 Ti Lightning 10th Anniversary Edition」を展示。

 ビデオカードとしての仕様は、通常モデル「GeForce RTX 2080 Ti Lightning-Z」と共通。GPUブーストクロック1770MHz、GDDR6の転送レート14GbpsのOC仕様だ。GPUクーラーのカラーが通常モデルがブラックとゴールドのツートーンであるのに対し、記念モデルではシルバーに変わっている。

 3連ファンにはカラフルなRGB LEDを実装。サイド部にはロゴやアニメーションを表示するOLEDパネルを搭載したゴージャスな演出も通常モデル同様のものだが、カバーのカラーがシルバーに変わったことで、より煌びやかで記念モデルらしいゴージャス感のあるビジュアルとなっている。

 なお、会場にはこれとは別にピンクカラーのLightningも参考展示されていた。こちらもなかなかインパクトのあるビジュアルだ。ミドルレンジクラスでこうしたカラバリ展開があると面白いかもしれない。

カーボン柄の部分もシルバーを採用。サイド部にはOLEDパネルが搭載されており、ロゴやアニメーションを表示する。
会場にはピンクカラーのモデルも展示されていた。
ピンクモデルのバックプレート。鮮やかなメタリックピンクはインパクト抜群だ。

GeForce RTX 2060搭載モデルもある新エントリークラスゲーミングノート「GP65 Leopard」

15.6型液晶ディスプレイを搭載したミドルレンジクラスのゲーミングノートPCの新製品「GP65 Leopard」。スリムベゼルでスタイリッシュなボディーが印象的。
すっきりとしたフォルムが印象的。質感の高いシルバーの塗装が施されている。中央にあるドラゴンのエンブレムは赤色のクリア素材。バックライトを透過し印象的に光る。

 GP65 Leopardは、15.6型液晶ディスプレイを搭載したミドルレンジクラスのゲーミングノートPCの新製品だ。

 狭額縁デザインのスマートでコンパクトなボディーに15.6型液晶ディスプレイを搭載。解像度は1,920×1,080ドットで、「IPS Level」の広視野角パネルを搭載、144Hzの高リフレッシュレートにも対応する。

 第9世代CoreプロセッサーのHシリーズのCPUを搭載。GPUは、最高でGeForce RTX 2060を搭載する。独自の冷却システム「MSI Cooler Boost 5」により、CPUとGPUを強力に冷却し、フルパフォーマンスを発揮させることができる。

 キーボードは、1キー単位で発光管理ができる「Per-key RGBゲーミングキーボード」を搭載している。キートップのサイドに「Silver-Lining」と呼ばれる特殊な加工がRGB LEDの光を絶妙に拡散し、美しく演出する。

1キー単位で発光管理ができる「Per-key RGB」仕様のキーボードに「Silver-Lining」と呼ばれる特殊な加工を施しており、美しく光る。
パームレストは、金属のように見えるが、実は樹脂製だ。メタリックカラーの高品位な塗装を施しており、チープな印象はまったくない。
底部は大胆にメッシュカバーを多用し、通気口を大きく確保。CPUとGPUの冷却効率を向上させている。

家庭用ゲーム機と相性抜群の大画面カーブ液晶ディスプレイ「Optix MAG321CURV」

ゲーミングカーブ液晶ディスプレイの新製品「Optix MAG321CURV」。32インチで4K解像度、HDR入力に対応している。
1500Rという従来の水準(1800R)よりもきついカーブも特徴の1つ。技術的な難易度は高いが、よりリアルの感覚に近い、高い没入感が得られるメリットがあるという。

 さまざまな事業を展開するMSIの中でも急成長を遂げているのが、カーブ型のゲーミング液晶ディスプレイ。

 1年前の出展時はこの分野でほとんど実績がなかったというが、そこから脅威の急成長で、カーブ型ゲーミング液晶ディスプレイのベンダーとして世界ナンバーワンまで上り詰めたという。

 今回のCOMPUTEX TAIPEI 2019でも多数のカーブ型ゲーミングディスプレイを展示していた。中でも注目したい製品が、32インチの「Optix MAG321CURV」。

 4K解像度、HDR対応で対応リフレッシュレートは60Hz。PCだけでなく、SwitchやPS4 Proなど家庭用ゲーム機との接続を意識しているという。

 27~32インチのカーブ液晶の湾曲率は「1800R」が主流だが、本製品は湾曲率「1500R」という、きつめのカーブを採用しているのも特徴の1つ。技術的には難易度が高いが、よりリアルの感覚に近い、高い没入感が得られるメリットがあるという。

 なお、日本のゲーミング液晶ディスプレイ市場はまだ24インチクラスが主流だというが、32インチのカーブ型液晶ディスプレイ「Optix MAG321CQR」も売れているという。同社の担当者は個人的な見方だと前置きしつつ、「今後は日本市場もより大型へシフトしていくのではないか」と話していた。

32インチの大画面は日本のゲーミング液晶ディスプレイの主流よりはかなり大きいが、カーブモニターなら32インチでも比較的視線移動少なく全体を見渡せる。
画面の高さや角度は変更可能。
cap背面にはRGB LEDイルミネーションも搭載している。

エントリーゲーマーがより手に取りやすいモデルを、RGB LED搭載キーボード/マウスセット「GK30 GAMING COMBO」

ゲーミングキーボード(VIGOR GK30)とゲーミングマウス(CLUTCH GM30)のバンドルセット「GK30 GAMING COMBO」。
キーボード下にRGB LEDを実装するほか、テンキー部分の手前にもRGB LEDで光るライトバー実装し、さまざまなイルミネーションが楽しめる

 GK30 GAMING COMBOは、ゲーミングキーボード(VIGOR GK30)とゲーミングマウス(CLUTCH GM30)のバンドルセットだ。
 キーボードはメンブレンスイッチ(Plunger Switch)ながら3パーツ構造によりメカニカルスイッチライクな小気味よいタッチ感を実現している。
 キーボード下にRGB LEDを実装するほか、テンキー部分の手前にもRGB LEDで光るライトバー実装し、さまざまなイルミネーションが楽しめる。ユーティリティ上での制御のほか、キーボードに制御キーが用意されており、それを押してLEDの明るさ、エフェクトの種類や向きを切り替えることができる。
 ゲーミングマウスは最大5000dpi対応。カスタマイズ可能な6ボタンを装備。OMRON製スイッチを採用しており、高いクリック耐久性をもつ。
 こちらもRGB LEDで光るドラゴンロゴとライトバーを実装。キーボードと合わせてイルミネーションが楽しめる。
 予価は5,000円程度とリーズナブルで、汎用のキーボードやマウスでゲームをしている方のステップアップに最適だ。

キートップの下からじんわり光が漏れる仕様。ライトバーも搭載する。RGB LEDの効果の種類や効果の向きなどを制御するキーも用意されている。
キーボードの制御キーを使って明るさや色、発光パターンなどを変えることができる。同社ノートPCやマザーボードに付属する「DRAGON CENTER」などユーティリティ上での制御ももちろん可能だ。
ゲーミングマウスは最大5000dpi対応。カスタマイズ可能な6ボタンを装備。OMRON製スイッチを採用しており、高いクリック耐久性をもつ。

AMD X570搭載マザーはゲーミングからクリエイター向けまで多数展示、ケースもラインナップ拡充

 これまでに取り上げた製品以外でも注目したい製品が多く展示されていた。X570チップセット搭載マザーボードのほか、クリエイター向けの製品が多く展示されていたのが印象的だ。

「GE65 Raider」。迫力のオーディオ、240Hzの高リフレッシュレート対応液晶ディスプレイなど、GP65 Leopardをグレードアップさせた仕様をもつ。
「IMMERSE GH30ゲーミングヘッドセット」。「GK30 GAMING COMBO」と合わせて利用するのにピッタリのエントリーモデル。
マザーボードユーティリティの「DRAGON CENTER」がリニューアル。「Mystic Light」や「GAMING CENTER」、「LAN Manager」といった従来別アプリだったユーティリティが統合され、使い勝手が向上。RGB LEDの制御やゲーミングマウスのdpi設定もここからできるようになった。
MEG X570 ACE。GODLIKEに次ぐナンバーツーのゲーミングモデル。
MEG X570 ACEは、GODLIKE同様にヒートパイプやファン付きのチップセットヒートシンクを搭載している。
派手なRGB LED演出を備えたアッパーミドルレンジのゲーミングモデル「MPG X570 GAMING PRO CARBON WIFI」。
ミドルレンジゲーミングモデルの「MPG X570 GAMING EDGE WIFI」。VRMヒートシンクを拡張してIOカバーとして一体成形することで冷却性能を向上させている。
「MPG X570 GAMING PLUS」は、シンプルなゲーミングモデル。IOカバーは省かれているが、VRMヒートシンクはかなり大型でチップセットヒートシンクも装備する。
クリエイター向けの豪華マザー「X570 Creation」。
PRESTIGEシリーズ初のデスクトップPC。
PRESTIGEシリーズ初のモニター製品「PRESTIGE PS341WU」。シリーズ共通のホワイトカラーに加えて、DCI-P398%をカバーする広色域も特徴。
CreationシリーズのマザーボードやPRESTIGEシリーズのPCに新たに導入された「Creator Center」。Photoshop CCやLightroom Classic CCなどに最適化する機能を持つ。
売れ行き好調だという32インチのカーブ型液晶ディスプレイ「Optix MAG321CQR」。
AI機能を搭載したカーブ液晶ディスプレイ「MPG341CQR」。下部のカメラで使用者を認識して自動でゲーム用プロファイルを適用するなどの機能をもつ。
ゲーム配信用に重宝しそうなWebカメラ用雲台(カメラ自体は別売り)も付属している。
MSIのPCケース最上位モデル。20cm角を含めた4基のアドレッサブルRGBを搭載している。側板両側が開くほか、簡易水冷ホルダー部分だけを引き出せる構造。
世界初のラミネートガラス採用。静音性にフォーカスしたPCケース「MPG HRPE 300X」。
フロントドア内部には吸音材、防塵フィルターを装備している。吸音材は天板にも装着している。
メインステージではAmazonとのコラボレーションによるデモを実施。MSIのノートPCで(Amazon Echo dotのように)Alexaに音声で指示して照明をコントロールできる。
PCI Express 4.0対応SSD「PHISON PS5016-E16」のデモも行われていた。
シーケンシャルリードは5GB/sオーバー
平面タイプの27インチゲーミングディスプレイ「Optix MAG271R」。
AMD 50周年を記念してデザインされたPCの展示も。

製品やメーカーに関して意見や要望などがあればご記入ください

2019年06月30日まで

[制作協力:MSI]