写真家、桐島ローランド氏によるドローン空撮講座や、改造バカ&カトーさんによるゲーミングPC自作対決もあるWindows 10のイベント「Windows 10 ファン感謝祭 2016」が30日(土)、秋葉原UDXカンファレンス Room Fで開催された。
主催は旭エレクトロニクス、協力はマイクロソフト。
イベントでは、ドローン空撮の現状や未来、そしてドローンと3D技術を組み合わせた実例などが紹介されたほか、実は「バルス」にも対応しているというCortanaの秘密(?)の説明、新旧自作の名パーツ展示などが行われた。
桐島ローランド氏が語る ドローン空撮の「現在と未来」 まず、最初のセッションとなったのが桐嶋ローランド氏のドローン空撮講座。
登壇したのは、写真家であり、自身も古くからPCを自作してきたという桐島ローランド氏だ。
ドローン空撮に関してもパイオニア的存在で、今回のセッションはドローン空撮の魅力から必要な機材、運用方法、トレンド、そして昨今厳しくなりつつある傾向の法整備や撮影データを処理できるPCの要求スペックなど、デジタルカメラマガジン編集長の福島晃氏を交えプロカメラマンの視点から詳細に解説した。
会場にはオクタコプターも展示。実機を用いながら、各部の紹介をしていた オクタコプターにように積載力の高いドローンではカメラを据える「ジンバル」を搭載可能。桐島ローランド氏はここにパナソニックの4K動画の撮影が可能なミラーレスカメラ「DMC-GH4」を装着し撮影しているとのこと。ただし実際には複数のドローンやカメラを、シーンに合わせて使い分けているとのことだ 意外と理解されていない(混同されることも多い)ドローンの定義 まず興味深いのは本格ドローンの実機。
会場にはオクタコプターの実機が展示され、秋葉原でもあまり目にする機会の少ない本格ドローンに、多くの来場者が興味を示していた。とはいえこれからドローンを始めたいという初心者に向けのセッションで、ドローンの定義から様々な製品の種類、操作方法からドローン空撮が用いられた実例紹介、そして今後の見通しなど、この内容を聞くだけでドローンの今が分かる内容だった。
PCに関する話題では、4Kを取り扱い始めて5年ほどになるがPCは確かに良くなってきたと言う。ただし、今のPCは確かにパフォーマンスが向上したとしつつも、桐島ローランド氏からすれば、ハイエンド向けのPCにマルチGPUを構築してもまだ足りず、「スペックを上げて」と切望した。例えばこのような高性能PCを用いても現像に5日を要することもあると言う。
初心者にオススメのものとしては比較的安価な製品も多い4枚ローターのクアッドコプター、ローター枚数が多く積載/バッテリーとも大きく安定した撮影ができるマルチコプター(オクタコプター)、ホバリングはできないがより長時間の飛行が可能な全翼型など、それぞれのメリット/デメリットを解説した 操縦に用いるプロポの各部も紹介。ドローン本体に複数のカメラを搭載したものもあり、撮影用とは別にドローンからの映像をスマートフォンに送信、スマートフォン自体はプロポ上のマウントに装着する。大小のカメラがあることで集中しやすいとのこと。また、プロポ自体も複数台用意し、飛ばす専門の人、撮影専門の人と分けて運用すると言う。桐島ローランド氏自身、ドローン操作もできるが、撮影の際には操作専門の方を用意し、自身は撮影に専念すると言う 桐島ローランド氏の撮影による競輪場のムービーでは、空撮と4輪ラジコンを組み合わせ、競輪場の上空から、あるいはエントランスをくぐる部分のドローン空撮では臨場感が、4輪ラジコンではコース上の疾走感を伝える映像を組み合わせた。レースシーンを生で感じられる映像だ 静止画作品では昨年行われた福岡県、小倉城の3Dデータ化 を紹介。1500枚以上の写真を撮影し、そこから3Dデータを作成したとのことで、とはいえ1回で全てを撮影できるわけではなく、上空から側面から往復で飛行し、1ライン撮るくらいでバッテリーを消費してしまい、それを何度も繰り返すことで撮影したとのことだ ドローン空撮について、とくに動画に関しては、ネット映像などの時代にあって一般の方にとってもオモシロイ時代になってきたと説明。世界を相手にアイデア勝負で渡り合え、趣味が講じて本業に鳴る人も多いと紹介した。一方、もう少し敷居が低い空撮での静止画撮影についても、新しいアングル、構図が見つかるとして、その魅力を紹介した。
ドローンの置かれた現状、そして将来についても言及。現在、日本でも法整備化が進められているが、飛行禁止区域が設定されたこと、そして国内で飛行できる場所などを紹介。今後、ドローンレースや防災、配達、そして現時点では「ネタ」であるが人間の搭乗なども期待される。ただし、バッテリー駆動時間や自動操縦技術など、さらに進化が必要とのことだ ちなみに桐島ローランド氏、本日2月1日21時から、Youtube Live!で生放送番組「アイドル GEEKERS 」をプロデュースするとか。アイドルが競合製品をガチで比較しちゃう、という内容で、第1回はゲストに高橋敏也氏も登場する 「バルス」も対応! 「コルタナさん活用術」も飛び出すWindows 10の新機能詳細解説 新しい認証機能の「Windows Hello」。とくに顔認証機能はまだ一部の完成PCでしか利用できないが、今後外付けのWindows Hello対応カメラが搭乗すれば利用が進むと言う。Surface 4によるログインでもでは、認証自体は成功するもPINが要求されるというハプニングも。そこは落ち着いてPINを不要とする設定手順を紹介したり、顔認証の精度を高めるテクニックなどを紹介したりした また、「CortanaはEdgeはどうなった?MicrosoftによるWindows 10 最新状況レポート」と題された2つ目のセッションでは、日本マイクロソフトの春日井良隆氏が登壇。
桐島ローランド氏、高橋敏也氏が横からチャチャを入れる形で進行した。会場にはSurface 4やXbox Oneが持ち込まれ、実際のデモを中心にWindows 10が従来のWindowsと異なる点や、新機能について紹介があった。
詳細は写真キャプションの通りだが、特に興味深かったのが「Cortana」の項。天気の情報など、合成音声がある一方、特定の固定フレーズ「どらえもんやって」「バルス」などでは特別に収録された音声が流れるそう。
Windows 10でもとくに注目される「Cortana」。デモももちろんだが、今回は裏側についても紹介。例えばリージョン(国や地域)毎に呼び方が違い、日本で「コルタナさん」という呼び出し方になった経緯や、現在のCortanaの音声には収録音声と合成音声があることなどを紹介。方言を喋らせることもできるCortanaだが、その方言を監修する際、開発からマイクロソフトのスタッフ全員に声がかかり、春日井氏も実際、岐阜弁に関わったとか Microsoft Edge(ブラウザ)も紹介。Microsoft Edgeは、ほかのブラウザと仲良くなることが目的、とウェブ標準への準拠の方針を説明。また、先進的な機能として、ゲームコントローラを接続してブラウザ上から操作、ゲームをプレイするデモや、PCのタッチ機能と地図サイトを用いて地図上にコメントを書き込むデモ、そしてコメントを書き込んだ地図をコピーしてExcelに貼り付けるデモなどが紹介された Xbox Oneと接続できる「Xboxアプリ」。Xboxの映像をストリーミングし、手元のPC上でゲームプレイできるこの機能は、とくに家族持ちライター陣には高評価。リビングに置くことの多いXbox Oneだが、それを自室のPCでプレイできることで家族との軋轢を避けることができるとか。また、録画機能もあり、デモでは実際のゲームをプレイしたわけではないが、Xboxアプリ上での操作などを録画、再生した マイクロソフトのVRゴーグル「Microsoft HoloLens」による近未来VR体験も映像で紹介 東京ゲームショー2015で展示もあったARシューテング「Shadow Shooter」。本物の弓に各種センサーとプロジェクタを繋ぎ、仮想的に弓矢を放てる。センサーの制御などの高度な処理やプロジェクターの制御にはステックPCが必要で、標準的な開発環境が利用できるWindows 10というメリットにも言及 改造バカ&カトー氏の最新自作対決 超高性能の高橋氏、実利重視のカトー氏 組み上げた実機。左が加藤勝明氏の実利重視PC、右が異なるビデオカードのSLIが異質の高橋敏也氏作超高性能PC 最終セッションとなった「改造バカ vs. カトーさん最新自作対決」では、高橋敏也(TSY)氏と加藤勝明(KTU)氏、両ライターが考えるベストなゲーミング自作PCをプレゼンした。
高橋敏也(TSY)氏は、今回設定されたルール「パーツは借りてもOK」を駆使してGeForce GTX 980 TiのマルチGPU構成にPCI Express SSD、1~2GBしか使わないと言いつつ32GBのメモリを加えた超高性能PC。最後は「私は何と闘っているのだろう」と反省しつつ、「やっぱり自分で手に入れたパーツじゃないと……」。
対する加藤勝明(KTU)氏は、コストパフォーマンスを重視した実利重視構成。ターゲットをPC版Fallout 4に定め、このプレイで年末年始を棒に振ったとか。家族をなだめるために行った沖縄旅行では、39年ぶりの雪に見舞われたエピソードなどで会場の笑いを誘った。
ちなみに最終的には「来場者の挙手で勝負!」になったが、結果は加藤氏PCの圧勝になっていた。
まずは加藤氏による自作PC講座。スマホやタブレットに押され、円安による価格の高騰、パーツの進化速度の鈍化といったマイナス要素はあれど、ワットパフォーマンスの向上やHDDやSSD価格の下落、NVMe M.2 SSDなどの搭乗で今の自作のメリットを伝えた ゲーミングPCのパーツ選びのポイントでは、ボトルネックになりやすいパーツとしてGPU/CPU/SSDを紹介。一方でSSDについては、ゲーミングの場合はNVMe M.2などはGPU側がボトルネックになりやすいという理由で優先度は低めに、コスパと大容量が魅力のSATAモデルを押した 高橋敏也氏のPC デモでは3DMarkのFire Strike、Extreme設定を実行。14258ポイントを計測 「世界の中心で理想のゲーミングPCを叫んだ改造バカ」と題した高橋敏也氏。
今回のルール「パーツは借りてよし」をフル活用し打倒KTUに望む。豪勢なパーツを集めたが、ビデオカードに関しては同じ製品2枚を集めることができず、同じメーカーの製品だが、ASUSTeKの「STRIX」、「MATRIX」という異なるGeForce GTX 980 Ti搭載ビデオカードを組み合わせた2-way SLI。同じGPUでメーカーが同じなら動く! 同じGPUなら異なるメーカーのビデオカードでも動く可能性が高いと釈明
加藤勝明氏のPC 135,000円コースのPCで計測した各種ベンチマークデータを示したうえでFallout 4をデモ 対する加藤勝明氏は先の自作PCのポイントを押さえつつ価格を135,000円に収めたPCで勝負。
しかし「135,000円を嫁さんにOKもらうのは難しい」ということで、94,000円に抑えた構成も用意。135,000円コースはフルHDの高画質、94,000円コースはフルHDの中~高画質狙いとか。
往年の名パーツ展示も! アラフォーオーバー歓喜? 撮影OKおさわりOKの「新旧名パーツふれあいひろば」。とくに往年の名パーツは、アラフォー/アラフィフ世代には懐かしの品ばかり。手にとって撮影して当時を懐かしむ方が多かった 展示ブース「新旧名パーツふれあいひろば」には、「新」製品では昨年末発売のDOS/V POWER REPORT 2月号のPCパーツ100選で金賞を受賞した現在のオススメPCパーツ各種、そして同2月号の付録「名パーツカレンダー」に収録された往年の人気PCパーツを展示していた。
まずは「旧パーツ」から ASUSTeK「P/I-P55T2P4」。Intel 430HXを採用したSokect 7マザーボードで、メモリはEDO DRAMのSIMM、ユーザーが実装する形式のL2キャッシュや、ISAバス、ASUS Mediaバスなどが懐かしい。なによりフォームファクタがBaby ATだ 言わずと知れた名CPU、Intel「Celeron 300A」のSEPP(Slot 1)版。当時から優れたCeleronのコストパフォーマンスに加え、オーバークロック耐性の高さで人気となった。その後、デュアルCPU化の手法が発見され、後にSocket 370(PPGA)版とデュアルCPU化をジャンパで設定できるSlot 1変換アダプタの登場によって爆発的にヒットした CPUではそのほかにIntel MMX PentiumとSlot A版AMD Athlonも 20世紀の高速ストレージ用インターフェースと言えばSCSI。なかでもadaptec製SCSIカードと言えば定番中の定番。展示されていたのは「AHA-2940UJ」。Ultra SICIに対応するインターフェースを内部×1、外部×1に搭載していた カノープスのキャプチャカード「MTV2000」(2002年)。PCでTVを視聴/録画することが流行しだしたのが2000年頃。MTVシリーズと言えば、アナログ波放送の時代にあって高性能なゴーストリデューサーや3D Y/C分離などの高画質化機能、そしてハードウェアMPEG-2エンコーダーの搭載などで定番となっていた製品だ。カノープスと言えば2005年にトムソングループ傘下へ、そして2007年にはグラスバレー傘下となり、現在EDIUSなどの編集ソフトウェアはグラスバレー、ビデオ配信などMEDIAEDGE関連はMEDIAEDGEが取り扱っている ダイアモンド・マルチメディアのビデオカード「Edge 3D 3240」(1995年頃)。搭載するチップ「NV1」はNVIDIAが最初にリリースしたGPU(当時はグラフィックアクセラレータ)。ダイアモンドマルチメディアのビデオカードと言えば当時憧れの製品だった PCに挿すNEC-HEのPC-FX互換ボード「PC-FXGA」(1995年頃)。NEC PC-98向けのCバス版もあったが、これは希少なISAバスカード版だ。PC上のCD-ROMドライブを活用できたり、独自の3D機能を搭載していたりと、家庭用ゲーム機のPC-FXよりも多機能だった。 ダイアモンドマルチメディアのビデオカードもうひとつ忘れてはならないのが「Monster」シリーズ。展示されていたのは「Monster 3D II PCI」。3DfxのVoodoo2チップを採用したビデオカードで、これの2枚挿し「元祖」SLIは当時の多くのゲーマーの度肝を抜いた 一方で2Dユーザーに絶大な支持を得ていたのがMatroxの「Millenium」。展示されていたのは「MGA-MIL/4」。PCIの初代Milleniumだ。AT互換機のほかNEC PC-9821用もあり、筆者をはじめ、当時PC-9821にこれを挿していた方も多かったことだろう カノープスのビデオカード「Spectra 8400」。GeForce 2 GTSを搭載するAGP 4Xカード(懐かしい!)。当時、PCでも2D画質重視から3D性能重視へと時代が変わりつつあり、その中でもカノープスのビデオカードと言えば画質のよい3Dビデオカードという評価があった 現在まで続くサウンドカードのブランド、Creativeの「Sound Blaster」。展示されていたのは「Sound Blaster Live!」。PCIカード世代に突入した当時のモデルだ。チップはEMU10K1 CPUクーラーの名機「ANDY SAMURAI MASTER」。製品名でもあるANDY氏(当時のサイズのスタッフ)が設計に携わり、パッケージにも写真が使われたことでちょっとした話題になった。それはそれとしてヒートパイプを用いて上下2つのヒートシンクで放熱、上部に12cm角ファンを置くというスタイルは、冷却性能にも優れていた。現在はKABUTOシリーズがこの後継にあたる。 一方の「新パーツ」は? PCパーツ100選金賞受賞製品を集めた「新」パーツコーナー CPUクーラーからはサイズの「虎徹」。冷却性能と静音性、そしてコスパが秀逸 HDDからは信頼性重視でNAS向けモデルのウエスタンデジタル「WD Red」 ビデオカードではMSI「GTX980Ti GAMING 6G」。4Kゲーミングという現在最新のトレンドに向けた製品 小型ケースではディラックのQbee 03。パカっと折れて開くスタイルで、小型ながら組み込み難易度が低め ATXケースではCoolerMasterの「Master Case」。カスタマイズ性の高さがウリだが価格は控えめ アッパーミドルマザーボードではGIGABYTE「GA-Z170X-UD5 TH」 メインストリームマザーボードではASRock「Fatal1ty H170 Performance」 ウルトラハイエンド部門からはMSI「Z170A XPOWER GAMING TITANIUM EDITION」 Mini-ITXではASUSTeK「Z170I PRO GAMING」 電源はSeasonic「Xseries SS660XP2S」。80PLUS Platinumの高効率にフルプラグインの利便性が特徴のモデルで、価格は高めなものの安定性の高さで鉄板のポジション メモリ部門では多くのマザーボードメーカーでもまず最初にテストされることの多いMicron「Crucial」ブランドの製品で「Ballistix Sport」。SSDはPCI Express Gen3 x4接続のM.2モデルSamsung「SSD 950 PRO M.2」。CPUはIntelからSkylakeの最上位「Core i7-6700K」
イベントの様子はこちら なお、イベントのセッションの様子はYoutube やニコニコ生放送 、AmebaFRESH! にて視聴可能。
視聴者プレゼントとしてGIGABYTEの小型PCキット、BRIX BSI3H-6100も用意しましたので、気になる方は是非ご覧ください。なお、視聴者プレゼントの応募締め切りは2月7日(日)の0時0分。番組のどこかで表示されるキーワードと必要事項を、こちらのフォーム から送信してください。
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