特集、その他
QLC SSDやケーブルで速度は変わる?NVMe対応M.2 SSD外付けケースでいろいろ試してみた
PC側のUSBコントローラやドライバの違いもテスト、ケーブルの重要性も再確認 text by 久保 勇
2018年10月30日 06:05
ドライバで大きく変わる速度、基本的にはOS標準ドライバがベター
最後にドライバの違いで速度が変わるのかも検証してみました。
今回のテストは、ここまでOS標準のドライバ(バージョン10.0.17134.1)を使用して検証を行っていますが、マザーボードメーカーなどのサイトで公開されているASMedia純正のWindows 10用ドライバ(バージョン1.1638.1)を使用して速度が変わるのかをテストします。
SSDはWestern Digital WDS250G2X0Cを使用しています。
速度を見る限り、基本的にはWindows 10標準のドライバで使用した方が速度は出るようです。OS標準のドライバでうまく動作しない場合など、何か特別な理由がなければASMedia製ドライバを使う必要はなさそうです。
●出所の怪しいASM3142用のドライバは使い物になる?
上記でOS標準ドライバを使うのが良いと記載しましたが、マザーボードによってはOS標準ドライバと相性が悪い製品も存在します。
出所がしっかりしているASM3142用のドライバは上記のバージョン1.1638.1くらいしかありませんが、こちらは速度がでません。しかし、Googleで検索するとWHQL認証を通っているというドライバが山ほどでてきます。これらがどういったものなのか、ちょっと試してみました。
なお、ASMediaは公式サイトなどではドライバを配布しておらず、搭載製品を販売しているメーカーがドライバを公開する形式となっています。このため、海外の情報サイトなどで出回っているものは出所がわからず、場合によっては導入することでOSに不具合が発生することもあります(※今回のテストでは再インストールを複数回することになりました)。
このため、どうしてもOSの標準ドライバやバージョン1.1638.1のASMedia製ドライバで速度がでないといったケース以外では導入しないことをお勧めします。
実際にダウンロードしてみると、一見ASMedia純正のドライバのように見えます。インストーラーも使用可能で、見た目は完全にASMedia製ドライバです。
ちなみに、ドライバはバージョン違いで多数で回っており、最新ではバージョン1.165x.x系のものが流通しています。
なお、インストールなどは普通に行えますが、今回テストした環境ではドライバの詳細を確認するとなぜかWindows 10標準ドライバとして最終的に認識されるようで、バージョンなどが確認できない状態になります。
また、バージョン1.165x.x系のドライバは今回テストした環境ではインストール後OSに若干不具合が発生するようになり、初期化するか再インストールしなければ直らない状態になりました。
なお、テストしてみた限り、1.1648.x以降であれば、速度自体は発揮されている感じでした(SSDはWestern Digital WDS250G2X0Cを使用して計測)。
環境ごとに何が起きるかわからないものなので、どうしても速度が出ないとき以外は手を出さない方が良さそうな感じではあります。ASMediaが公式にドライバを公開してくれれば良いのですが……。
NVMe SSD時代に1台は持っておきたい外付けケース使わなくなったM.2 SSDは超高速USBメモリとして再利用
NVMe SSD対応USB外付けケースをいろいろな面からテストしてみましたが、いかがでしたでしょうか。登場したばかりのジャンルの製品ですが、ピーキーな部分も意外と少なく、自作PCユーザーなら1台は持っておいて損は無い製品だと思われます。
PCが起動しなくなった際にNVMe SSDからデータを取り出したい場合や、超高速なUSBストレージの構築、使わなくなったNVMe SSDの活用など、結構いろいろな用途で使える製品です。今後、NVMe/SATA両対応モデルなどの登場も期待したいところです。
NVMe SSDを活用している人は試しに一台手に入れてみてはいかがでしょうか。
なお、AOK-M2NVME-U31G2を販売するアイティプロテックによると、このモデルは日本ギガバイトと検証を協力し製品化したものとのことです。このケースを使用し、日本ギガバイトがOSインストールディスクの換装を行う活用例紹介の動画が公開されているので、気になる方はチェックしてみてください。