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QLC SSDやケーブルで速度は変わる?NVMe対応M.2 SSD外付けケースでいろいろ試してみた

PC側のUSBコントローラやドライバの違いもテスト、ケーブルの重要性も再確認 text by 久保 勇

 M.2 NVMe SSDを外付け化するUSB接続のケースが登場して2ヶ月ほどが経過しましたが、まだまだ情報が少ない製品ではあります。そこで、SSDを問わず性能が発揮されるのか、ケーブルなどの影響はあるのかなど、条件を変えていろいろテストしてみました。

 環境によっては速度が出たり出なかったりするケースもあるので、購入したもののうまく速度が出ないといった人は参考にしてもらえればと思います。

 今回のテストでは、M.2 SSD用外付けケースはアイティプロテックから販売されているAOTECHの「AOK-M2NVME-U31G2」を使用し、SSDはMLC NAND、TLC NAND、QLC NANDを搭載する3種類を用意しました。

JMS583コントローラを搭載したNVMe SSD用USB外付けケース「AOK-M2NVME-U31G2」

AOK-M2NVME-U31G2

 今回NVMe M.2 SSD用外付けケースとして使用したのはアイティプロテックから販売されている「AOTECH AOK-M2NVME-U31G2」。

 USB 3.1 Gen2対応のモデルで、NVMe対応SSDが搭載可能。1GB/sを超える速度が出せることがウリとなっている製品。

 外観は非常にシンプルで、USB 3.1 Gen2対応ケーブル(Type-A - Type-C/50cm)、専用工具(ドライバー)、マニュアル、データ復旧ソフトなどが付属しています。

 サイズはM.2 SSDよりも少し大きい程度で、なかなかコンパクト。ケースの内部へはネジを外してアクセスする仕組みになっています。

 搭載コントローラはJMicronの「JMS583」。SSDの固定はマザーボードなどと異なり、スペーサーを裏からネジで固定する方式になっています。

 CrystalDiskInfoで搭載SSDのステータスを確認できるのも特徴で、動作温度なども見ることができます。外付けケースはモデルによっては搭載ストレージの情報が見られなくなるものもあるので、この点は便利。試してみた限り、NVMe SSDであればモデルを問わずステータスは確認できるようです。

MLC/TLC/QLCの3タイプのSSDを用意、NANDの種類で速度は変わる?

 今回、使用するSSDはMLC/TLC/QLCの3タイプ。MLC NANDのモデルはSamsung MZ-V5P256B/IT、TLC NAND(3D)のモデルはWestern Digital WDS250G2X0C、QLC NAND(3D)のモデルはIntel SSDPEKNW010T8X1を使用しています。

 それぞれマザーボードのM.2スロットの接続した際の実測値は以下の通り。USB 3.1 Gen2の帯域幅は理論値10Gbps(1.25GB/s)なので、どのモデルもSSD側のシーケンシャル速度がボトルネックにはならないはずです。

MLCタイプのNAND型フラッシュメモリを搭載するSamsung MZ-V5P256B/IT。
マザーボードのM.2スロットに搭載した際の速度。
TLCタイプの3D NAND型フラッシュメモリを搭載するWestern Digital WDS250G2X0C
マザーボードのM.2スロットに搭載した際の速度。
QLCタイプの3D NAND型フラッシュメモリを搭載するIntel SSDPEKNW010T8X1
マザーボードのM.2スロットに搭載した際の速度。

 テストに使用するマザーボードはASRockのZ370搭載モデル「Z370 Extreme4」で、このマザーボードに搭載されているASMediaのUSB 3.1 Gen2コントローラ「ASM3142」にSSDを接続してテスト。

 ASM3142はUSB 3.1 Gen2の帯域性能をフルに発揮するために開発されたモデルで、現在でも最速クラスのUSB 3.1 Gen2コントローラとしてマザーボードに搭載されています。そのほかの主な検証機材は以下の通り。

Z370 Extreme4に搭載されているUSB 3.1 Gen2コントローラ「ASM3142」で速度を計測。

・CPU:Intel Core i7-8700K
・マザーボード:ASRock Z370 Extreme4(Intel Z390)
・メモリ:Crucial CT2K8G4DFS8266(DDR4-2666 8GB×2)
・SSD:Crucial CT1000MX500SSD1(SATA 480GB)

搭載NANDを問わず1GB/sオーバー、汎用性の高いM.2 SSD外付けケース

 AOK-M2NVME-U31G2にSSDを搭載した際の計測結果ですが、結果は以下の通り。

 シーケンシャルリードは全モデルで1GB/s超えとなり、搭載NANDを問わず高い性能が発揮されました。

Samsung MZ-V5P256B/IT(MLC)使用時の計測結果。
Western Digital WDS250G2X0C(TLC)使用時の計測結果。
Intel SSDPEKNW010T8X1(QLC)使用時の計測結果。

 SSDに一定以上の性能があれば大きな速度差は出ないようで、おそらく、現行品のNVMe SSDであれば多くのモデルで1GB/s超えの結果が出せるのではないでしょうか。

 また、概ね3モデルとも同じような速度になっているので、AOK-M2NVME-U31G2に搭載されているPCIe - USB変換コントローラ「JMS583」の上限値なども見えてきます。

 今回テストしているSSDは全てPCI Express 3.0 ×4レーン接続のモデルなので、機会があれば×2レーン接続のSSDでも速度が出るのか検証してみたいと思います。

●NVMe対応品ではないPCIe接続のSSDは使える?

 今回使用しているM.2 SSD外付けケースのAOK-M2NVME-U31G2は、対応SSDはNVMe対応のM.2 SSDのみとされています。

 NVMe SSDが登場する前は、NVMe非対応のPCIe接続SSDが一時出回っており、そうしたモデルが使用できるのかも実験してみました。使用したのはAHCIベースのPCIe接続SSD「Samsung MZHPU128HCGM-00004」。

 なお、保証対象外の機器を搭載した場合、最悪、外付けケース/SSDが故障する可能性も考えられるので、ご注意ください。

PCIe接続SSDの初期モデルSamsung MZHPU128HCGM-00004。
CrystalDiskInfoでのステータス。

 AOK-M2NVME-U31G2に搭載してPCに接続した際の挙動ですが、機器として認識はされたものの、正常に初期化できず使用できませんでした。デバイスとして全く認識されない場合もあり、残念ながらNVMe SSDでなければ使用できないようです。

 初期のPCIe接続SSDは使い道がなかったりするので、対応外付けケースが出てきて欲しいところではあります。

機器としては認識されているものの、正常ではありません。
初期化しようとするとエラーが出て使用できない旨のダイアログが表示されます。