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“暴れ馬”Core i9-11900Kの性能を存分に引き出せるMSI「MEG Z590 ACE」を徹底テスト!

第4のブースト機能“Adaptive Boost Technology”をより深く試してみた!! text by 加藤 勝明

グラフィックス描画性能を「3DMark」でチェック

 続いてゲームグラフィックスの描画性能を「3DMark」で検証してみよう。テストは“Fire Strike”および“Time Spy”を使用した。

「3DMark」Fire Strikeのスコア
「3DMark」Time Spyのスコア

 Fire StrikeもTime Spyも、CPUで物理演算を実施するテスト(Physics/CPU)があるが、Fire StrikeではABT 251W設定が僅差で上回り、逆にTime SpyではABT 251W設定が最下位になった所に注目したい。CINEBENCH R23のマルチスレッドテストスコアの傾向に合致するのはTime Spyだが、負荷のかかり方によってはFire StrikeのようにABT 251W設定が逆転する“場合もある”ようだ。ただTime SpyにおいてもCPUの影響を最小限に抑えたGraphicsテストのスコアはABT有効設定に次いで2番手に付けている(ただし最下位との差もきわめて小さい)ため、CPU負荷の低いゲームグラフィックス描画においては、ABT 251W設定でも問題ない“こともある”ようだ。

実ゲームでのABTの効果は限定的?

 ではGPU負荷の重いゲームと軽いゲームそれぞれにおけるパフォーマンスを検証してみよう。ここでは時間の制約から「アサシン クリード ヴァルハラ」と「レインボーシックス シージ」を使う。
 アサシン クリード ヴァルハラは画質“最高”設定、レインボーシックス シージはVulkan APIを選択した上で画質“最高”+レンダースケール100%設定とした。解像度を上げるとGPUバウンドの状況になるため、解像度はどちらのゲームもフルHDのみとした。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。

「アサシン クリード ヴァルハラ」1,920×1,080ドット時のフレームレート
「レインボーシックス シージ」Vulkan、1,920×1,080ドット時のフレームレート

 このテストではCore i9-11900K+ABTの設定がRTX 3080 FEのパフォーマンスにどの程度影響するかを見るものだ。そしてこのグラフが示すとおり、ABTを有効にしたほうがわずかにフレームレートが向上する。アサシン クリード ヴァルハラの場合は最低fpsの底上げ効果が、レインボーシックス シージの場合は平均fpsがわずかに向上した。ABT 251WとABT有効設定の効果はほぼ同じであるため、CPUがフルに回るような状況でなければ、ABT 251W設定でも十分機能することが示された。

 ただゲーム画面を同時にCPUエンコードでキャプチャするような場合はABT 251Wではパワー不足になる可能性がある。CPU全コアを全力で回したいなら、Power Limitに縛りを設けないABT有効設定にするのがオススメだ。