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7千円割れで銀軸/赤軸/青軸搭載、日本語配列の高コスパゲーミングキーボード「GAMDIAS HERMES S1」
RGB LEDバックライト搭載のテンキーレスモデル text by 佐藤岳大
2021年6月30日 00:01
ゲーミングキーボードを選ぶ際、「メカニカルスイッチ搭載」を外せないポイントにしている人も多いだろう。ただし、性能の良いメカニカルキースイッチは高価なので、キーボード本体もそれなりの価格になってしまうのは避けられない。そんな中、ゲーミングブランドGAMDIASから、日本語配列でメカニカルスイッチを採用したテンキーレスキーボード「HERMES S1」シリーズが新たに登場した。
ゲーミングキーボードは、英語配列ではノーブランド品などで安価なものも見つけられるが、日本語配列となると低価格なモデルを探すのは難しい。「HERMES S1」シリーズは、7,000円を切る価格ながらメカニカルスイッチを採用し、日本語配列かつRGB LEDバックライトまで備えている。本稿では、そんなGAMDIASが日本向けに展開してきた意欲作「HERMES S1」シリーズを紹介していこう。
標準的な日本語配列かつメカニカルスイッチ搭載ゲーミングキーボードらしいポイントを抑えた高コスパモデル
HERMES S1シリーズでは、銀軸スイッチ搭載の「HERMES S1S-JP RGB」、赤軸スイッチ搭載の「HERMES S1R-JP RGB」、青軸スイッチ搭載の「HERMES S1B-JP RGB」の3モデルが用意されている。スイッチを除いた仕様は各モデルとも共通となっている。まずは共通するキーボード全体から見ていこう。
なお、フルキーモデルの「HERMES L1」も同時に発売されており、テンキーが必要なユーザーはこちらを選ぶと良いだろう。こちらも7,000円を切る価格で販売されており、高コスとパフォーマンスなモデルとなっている。
HERMES S1シリーズの解説に戻るが、全体的なデザインはかなりシンプルな印象。過度な装飾などは無く、ゴミの溜まりにくいフレームレスで癖のない外観デザインは今のトレンドに沿ったものとなっている。
キー配列は日本語配列で、キー数は91キーだ。ご覧の通り、配列は英語配列の印字を変えただけの”なんちゃって日本語配列”ではなく、標準的な日本語配列だ。半角/全角キーのほか、変換キー、無変換キーなどもしっかり搭載されている。
標準と異なるのは左Windowsキーの位置にFnキーが配置されている点だが、ゲーム中の誤操作などで敬遠されがちな左Windowsキーを省いて、Fnキーを配置しているというのはゲーマーフレンドリーな設計と言えるだろう。
本体サイズは370×140×30mmと、テンキーレスキーボードとして一般的なサイズ。ゲーム用途では、マウスを動かせるスペースを広めに確保しておきたいため、ほとんどフルサイズキーボードと同様の機能を使えるテンキーレス設計は、ゲーマー向きと言える。
一方で、重量は675gとメカニカルスイッチ採用のキーボードとしては軽めの仕様。剛性の強化や装飾などを目的に金属板や金属パーツを使ったゲーミングキーボードは1kgを超えるモデルもあるが、本製品は比較的軽量と言えるだろう。
軽量なだけでなく、本製品はメタルバックプレートを搭載しており、剛性と安定した打鍵感を実現している。コストをおさえつつも、メカニカルキーボードならではの使い心地の良さを損なわないようにしているのは好印象だ。
重量が控えめとなると、気になるのは打鍵中にキーボードがズレてしまう可能性だが、本体裏面には滑り止めのゴムが配置されているため、ゲーム中でもデスク上で動いてしまう心配は不要だろう。
また、安価なキーボードでは省かれがちな角度調整用の脚も備えているため、自分に合った角度で使うことができる。キートップも行ごとに角度を変えたステップスカルプチャーデザインのため、ゲームだけでなく文字入力時も疲れにくい。
USBケーブルは、本体背面中央から直出しとなっている。ケーブルを自由に選べる着脱式ではないが、1.5mなので通常の利用であれば十分な長さがある。
キートップは文字部分が半透明になっており、バックライトの光が透過するデザイン。表面処理も滑らかで、指の引っかかりなどを気にせずゲームに集中できる。
バックライトLEDはRGB仕様で、シンプルな外観にゲーミングキーボードらしい印象を与えてくれる。
LED制御のためのユーティリティなどは不要で、バックライト操作はキーボードだけで完結する。実際の発光パターンについては動画で撮影しているため、そちらを御覧いただきたいが、豊富なパターンが用意されている。
このほか、ゲーミングキーボードらしい機能としては、アンチゴースト、Nキーロールオーバーに対応。ポーリングレートも1,000Hzとゲーミングらしい設計。
Windowsキーの無効化といった機能を備えるほか、ユニークなものとしてはWASDキーとカーソルキーを入れ替えるという機能も備えている。これらもすべてキーボード上で設定が可能だ。
銀軸/赤軸/青軸それぞれの特長を再確認、耐久性は打鍵5,000万回
ここからは3種類のキースイッチについて紹介しよう。HERMES S1シリーズのメカニカルスイッチは「GAMDIAS認定スイッチ」で、独CHERRYのMXスイッチと互換性があり、5,000万回の耐久性を謳っている。
ゲーム特化の銀軸、速いキー入力を求めるならコレ!
まずは銀軸だが、HERMES S1搭載の3種のスイッチのうち、最も「ゲーム特化」な仕様なのが銀軸スイッチだ。
銀軸スイッチは、押し始めから底打ちまでクリック/タクタイル感のないリニアな荷重特性を持つ。CHERRY製の同種のスイッチでは押下圧45gとなっているが、打鍵感からGAMDIAS認定スイッチも同様の押下圧と考えて良いだろう。
銀軸ではキーの入力に反応するアクチュエーションポイントが浅く設定されているため、僅かに押すだけで入力できるのが特徴だ。そのため、反応速度が勝敗に繋がるFPSやMOBAといったジャンルのゲームのプレイヤーに向いていると言える。
反面、僅かに押すだけで反応してしまう関係で、キーを強めに叩くタイプのユーザーなどは文字入力時にミスタイプが増えてしまうという場合もある。わずかな指の力みで押してしまうこともあるため、特に今まで固いキーボードを使っていたユーザーは少し注意してほしい。
リニアな打鍵感で普段使いもしやすい赤軸、オーソドックスで心地良い打ち心地を求めるならコレ!
続いては赤軸だが、こちらはゲームはもちろん通常利用も適した打鍵感といえるモデルだ。
荷重特性は銀軸と同じくリニアな仕様で、押下圧も45gで共通だが、銀軸などよりもピーキーな感じはなくオーソドックスなものとなる。赤軸は高級キーボードなどにも良く採用され、日本人好みの感触のキースイッチとも言えるものだ。
銀軸との違いはアクチュエーションポイントで、赤軸は僅かに深く設定されている。そのため、銀軸と比べて反応速度では劣るが、キートップを触った程度では反応せず、間違ってキーが入力されてしまうことは少ない。底打ちするタイプの人にも向いているといえるだろう。
ゲームだけでなく、文章入力など通常用途の利用も検討している場合は、赤軸モデルに一考の価値がある。
クリック感のある青軸、メカキーらしい打ち心地や入力した感触が必要なユーザーはコレ!
最後は青軸で、こちらは端的に言うと「もっともメカニカルらしい」スイッチだ。
銀軸/赤軸と異なり、キーを押した際にカチッというクリック感があるのが特徴。クリック感のあるポイントがアクチュエーションポイントのため、入力を触覚で把握できるのが利点だ。また、カチカチという打鍵音も鳴るため、いかにもメカニカルスイッチらしい打鍵感が得られる。
ゲームによっては打鍵してしっかり入力されたフィードバックがある方が適しているケースもあり、打鍵した際にしっかりと感触が確かめられるキーボードを求めているユーザーは青軸のモデルを選んでもらいたい。もちろん、文章入力の際にクリック感が欲しいというユーザーにも向いている。
なお、リニアなスイッチに比べて動作音は大きいため、静かな環境や動画配信など音に気を使うシーンには向いていないこともある。導入の際は利用環境に問題が無いか検討してからが良いだろう。
好みのキースイッチを選べる高コスパなゲーミングキーボード入門用としてもおすすめな日本語配列モデル
紹介してきたように、HERMES S1は価格をおさえつつもしっかりとした日本語配列とメカニカルスイッチを搭載したゲーミングキーボードとなっている。
とくに銀軸/赤軸/青軸と好みに合わせたキースイッチを選択できるというのは嬉しいポイントだろう。コストパフォーマンスを求めるユーザーはもちろん、手の出しやすい価格帯の製品なので、はじめてゲーミングボードを導入するといった人にも向いている。
HERMES S1シリーズは、ゲーマーだけでなく、日本語配列のメカニカルキーボードを探しているなら良い選択肢となる製品だ。
[制作協力:アイティーシー]