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部屋に置きやすい23.6型の湾曲モニターでRPGやシミュレータをより楽しく!MSIの新型は没入感もアップ
湾曲率1,000Rでゲーミングモニターの性能も十分な「MAG ARTYMIS 242C」 text by 浅倉吉行
2021年9月30日 00:00
湾曲率1,000Rの液晶パネルを採用することで、「人間の目とほぼ同じ湾曲率で圧倒的な没入感を実現する」というMSIの23.6型ゲーミングモニター「MAG ARTYMIS 242C」。3万円台で購入できるエントリークラスの製品で、初めて湾曲モニターを導入するユーザーへ向けたモデルとなっている。
今回のレビューではMAG ARTYMIS 242Cの特長を確認しつつ、実際にゲームで使用した時に期待通りの没入感が得られるのか、湾曲モニターと相性の良いゲームを使い効果をテストしてみた。
165Hz駆動/フルHD/応答速度1msの23.6インチ湾曲モニターFreeSync Premiumにも対応
MSI MAG ARTYMIS 242Cは、最大165Hz駆動に対応した23.6型パネル採用のゲーミングモニターだ。湾曲率は1,000RでMSIでは初の採用モデルとされている。
MSIによると人間の視野とほぼ同等の湾曲率のため高い没入感が得られるのに加え、少ない視線移動で画面端まで見渡せるので目の疲労を軽減することも期待できるという。
本体サイズは533.75×228.37×422.86mm(幅×奥行×高さ)で、電源は45WのACアダプタ駆動だ。
解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)で、応答速度は1ms(MPRT)。パネルの種類はVAで、コントラスト比は3,000:1、色域はsRGBカバー率97.9%とされている。 FreeSync Premiumもサポートしているので、対応ビデオカードを利用すればより滑らかな描画が可能になる。
搭載インターフェイスは、DisplayPort 1.2×1、HDMI 1.4b×2、ヘッドホン出力×1。これらのほか、電源スイッチを本体右下に、OSD操作用のコントローラを本体の右下側の裏面に備える。対応リフレッシュレートは、DisplayPort接続時が最大165Hz、HDMI接続時は最大144Hz。
ディスプレイスタンドは、上下角度を-5~20度に調整できるチルト機能に対応している。本体背面にはVESA100(100×100mm)規格に準拠したねじ穴が設けられており、付属のスペーサーを使用することで同規格対応のモニターアームを利用することも可能だ。
24インチクラスの湾曲モニターは垂直かつ近くで見ると効果的見上げ/見下げで使わないよう注意
ゲームでのテスト結果の前に、使っていていくつか気づいた点を先に紹介しておこう。
23.6インチで没入感を得るには画面から近い位置の方が効果が大きい。ちょうど視野の端に画面が来るくらいの位置で使うと良いのだが、実際設置してみると思いのほか自分と画面の距離が近くなる。少し離れてしまうとフラットな通常のゲーミングモニターとあまり違いが感じられなくなるので、近くで使用することが前提のモデルだと思ってよいだろう。
自分と近い位置で使用する前提なので、比較的省スペースな場所で利用するのに適しているモデルと言える。部屋のスペースや卓上のスペースが限られる人にはフィットするのではないだろうか。画面から離れてゆったり使いたい場合はよりサイズの大きい湾曲モニターを選び、省スペース環境で使いたい場合はこのモデルがあっているはずだ。
また、画面から近い位置で使用することが前提になるので、画面と自分の向きにも注意したい。見上げたり見下ろしたりする位置関係になると、左右の湾曲に加え上下にパースがかかり、かなりの違和感を感じる。水平方向であれば多少ずれても違和感はないが、パースがかかるように上下方向にずれた位置から見ると独特な違和感があり、快適とは言えない。垂直方向の向きは自分の座る位置に合わせしっかり合わせよう。
湾曲モニターと相性の良いゲームを実際に体験!「原神」、NOSTALGIC TRAIN」、Microsoft Flight Simulator」でテスト
イベントシーンは特に高い没入感が楽しめるRPGの「原神」
ここからは実際にゲームで使用した時の使用感を紹介しよう。まずは大ヒットRPGとなった「原神」からテストしてみた。
「原神」はオープンワールドタイプのアクションRPGで、アニメ調デザインの高品質グラフィックが特徴となっているゲームだ。
「原神」は全体的に色鮮やかな場面が多く、美しい世界を楽しむという点では湾曲モニターと相性が良い印象だ。7月の大型アップデートで和テイストなフィールドが追加されたが、夜景や桜など美しい景色をより楽しむことができるだろう。
ゲーム内を散策したりして世界観を楽しむのが好きなユーザーには、湾曲モニターを是非使ってみてもらいたい。「原神」に限らず、美しい景観のRPGであればよりゲームを楽しくしてくれるはずだ。
ちなみに、プレイしていて特に没入感が高くなったと感じたのはイベントシーン。イベントシーンは操作せず見ることに集中するせいもあると思うが、ストーリーを楽しむことに重きを置くユーザーにも湾曲モニターは相性が良いだろう。「原神」のイベントシーンで没入感が高まるなら、アニメ映画などでも効果があるのではと思い試してみたが、なかなか効果的だったので機会があれば是非試してもらいたい。
また、「原神」はアクションRPGなので戦闘中などは画面が目まぐるしく動くが、「MAG ARTYMIS 242C」は最高165Hz表示/応答速度1msなのでこうしたシーンでも快適。ただし、画面全体を把握するには少し離れて見た方が遊びやすいので、寄って使ってこそのMAG ARTYMIS 242Cの効果を活かしきるのが難しい面もある。
世界観に浸るタイプのゲームとの相性はバッチリ、田舎を探索する「NOSTALGIC TRAIN」
2本目は、幻想的な日本の田舎を感じられるウォーキングシミュレータ「NOSTALGIC TRAIN」。
ノスタルジックで美しい理想の田舎を見て楽しむタイプのゲームで、1両編成の電車に乗って周辺の景色を楽しんだり、徒歩で散策して景観を楽しむことができる作品だ。
ゆったりとゲームの世界観に浸るタイプの「NOSTALGIC TRAIN」は、湾曲モニターと非常に相性が良い。のんびり遊ぶゲームほど湾曲モニターの効果を発揮するといってもいいだろう。ゲーム内にはこれぞ田舎といったスポットが多数用意されており、行ったことが無いのにその景観は懐かしさすら感じるのだが、湾曲モニターで楽しんでいるとよりそうした印象が強くなり、声が漏れそうになる場面もあった。
「NOSTALGIC TRAIN」は見ていて写真を撮りたくなるような風景が多く、見て楽しむことに特化されている。一人称視点である点も世界に浸りやすい要因となっており、湾曲モニターでその没入感をさらに高めることができるといった印象だ。
このタイプのゲームで湾曲モニターの良さを感じることができるのであれば適性があるので、将来的によりインチサイズの大きいモデルにステップアップしていったり、ウルトラワイドの大型モニターを導入しても元が取れるだろう。
湾曲との相性は最高クラスのフライトシミュレータ「Microsoft Flight Simulator」
最後は大作フライトシミュレータの「Microsoft Flight Simulator」。
本誌でも複数回にわたり湾曲モニターと「Microsoft Flight Simulator」を組み合わせたレビューを行っているので、定番の組み合わせと言えるタイトルだが、没入感が楽しさに直結する「Microsoft Flight Simulator」は湾曲モニターで遊ぶべきゲームと言えるくらいに相性が良い。
「Microsoft Flight Simulator」は広大な世界の広がりを楽しむゲームでもあるので、視野を画面で埋めることができる湾曲モニターと非常に相性が良い。画面の枠があるとどうしても一歩引いたところから見ている感じがするが、曲面モニターであればこうした邪魔になる部分が視界から排除できるのでよりゲームに没入することができる。
湾曲モニターは没入感は高まるものの、意図的に画面を歪ませているため相性が悪い用途があったり、全てがメリットとして活かせないケースもあるが、「Microsoft Flight Simulator」に関してはデメリットに感じるような部分がほぼ無い。かなりやり込めば何か気付く部分もあるかもしれないが、複数回テストしているものの、今のところ問題を感じたことが無いので、このゲームに関しては是非とも湾曲モニターで遊んでもらいたいところだ。
なお、乗り物に搭乗するタイプにシミュレータは湾曲モニターと相性が良いゲームが多い。「Microsoft Flight Simulator」ほどとはいかないが、同じくMicrosoftから発売されている景観の美しいレースゲーム「Forza Horizon」シリーズなども湾曲モニターと相性が良いので、レースゲーム好きのユーザーにも湾曲モニターを試してもらいたいところだ。
初めて購入する湾曲モニターに適したMSIのMAG ARTYMIS 242C省スペースでも没入感が得られる湾曲率1,000Rの23.6インチモデル
MSI MAG ARTYMIS 242Cは、広い設置スペースなどが無くても没入感の高いゲームプレイを体験させてくれる湾曲ゲーミングモニターだ。
没入感という点では、大画面モデルやウルトラワイドタイプのゲーミングモニターがより大きな効果が得られるが、設置スペースの関係でこれまで湾曲モニターが導入できなかったユーザーには、湾曲率1,000Rで23.6インチという仕様は魅力になるだろう。
また、湾曲モニターが自分にあっているのかテスト的に導入したいというユーザーにもこのモデルは価値があるはずだ。ウルトラワイドの湾曲モニターは高価なので、いきなり購入するのはためらわれるが、MSI MAG ARTYMIS 242Cであれば3万円台前半~中盤で販売されているので比較的手も出しやすい。
応答速度やリフレッシュレートの面でもゲーミングモニターの性能をしっかり押さえたモデルになっているので、湾曲モニターに興味はあるけど手が出せなかったというユーザーには是非チェックしてもらいたい製品だ。
[制作協力:MSI]