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【SSD&HDDの基礎知識:製品選び編】SSD/HDD選びのポイントは速度だけじゃない! 容量や耐久性、組み合わせにも注目!!

SSDの容量はどのくらいあればいいの? ゲーミングPCにHDDは必要? text by マルオマサト

“PCパーツの基礎知識”シリーズ第2回のテーマは「ストレージ」。今回は、アプリやデータを記録するSSDを選ぶ際にチェックすべきスペックの意味、SSD/HDDを適材適所で使うための選び方のポイント、そして自作PCの用途に応じて検討したSSDおよびHDD組み合わせの実践的なプランなどを紹介する(SSD/HDDの仕組や各部の詳細についてはこちらで解説している)。

SSDやHDDはどう選んで組み合わせればいいの?

・SSDはインターフェースやNANDの種類でパフォーマンスが決まる
・SSDの容量は余裕を見てチョイスしたほうがピーク性能が長く発揮できる
・メーカーが提示する“用途提案”を参考にすると選びやすい
・NASや外付けSSD/HDDの選択が便利な場合も!

SSDのグレードの違い

SSDのグレード、価格の違いはどこにあるのだろうか。インターフェースや公称性能の違いはもちろんだが、NANDの種類やDRAMキャッシュの有無、耐久性(TBW)、保証期間などでも違いがある。スペックシートや製品カタログなどから違いを見極めるためのポイントを整理しておこう。

Western Digitalは、後述のHDDと同様、仕様と性能の違い(およびその違いから生まれる価格の差)や用途の違いを“色”で明示しており、非常に分かりやすい。エントリー向けの緑「WD Green」、幅広い層向けのスタンダードである青「WD Blue」、ゲーマーやクリエイター向けの黒「WD_BLACK」、そして高信頼性のNAS向けの赤「WD Red」の名前を冠する製品が登場しており、2,5インチまたはM.2のSerial ATA接続タイプ、M.2や拡張カード型のNVMeモデルなどをラインナップ
【製品情報やスペックシートから分かる情報は大事!】
インターフェースSerial ATAかPCI Express/NVMeかで基本性能の“上限”が定まる(PCI Expressの場合は世代間でも大きな差が付く)。HDDには十分な性能だったSerial ATAだが、圧倒的に高速なSSDには上限が低い。ただ、PCI Express/NVMeの製品でもすでにPCI Express 4.0の上限に早くも到達しそうだ
パフォーマンスの指標シーケンシャルリード/ライト性能(1秒間に何MB転送できるかで表現されることが多い)、ランダムリード/ライト性能(特定条件で1秒間に何回読み書きできるかを示す“IOPS”という単位で表現されることが多い)は数値で整理されている。販売価格と並んで、製品選びで一番に気になる数値
NANDの種類NAND型フラッシュメモリは“メモリセル”と呼ばれる単位ごとに書き込み回数の上限があり、それを超えると書き込めなくなる。メモリセルにあたりに記録するデータの量が少ないほど、書き込み回数の上限は高く、性能(とくに書き込み)も高速で、価格は高価になる傾向にある。製品の位置付けや性格付けにつながる情報だが、製品によっては公式なデータが公開されていないことも。そのほかの仕様、専門誌などの実施したテストをもとに推測することが可能な場合もある
DRAMキャッシュ搭載していると読み書きの効率化や、NANDへの書き込みを減らし、耐久性を高める効果などがある。こちらも非公開の場合もあるが、NANDの種別同様、詳細なテストなどからある程度推察できることもある。DRAMキャッシュを持たず、メインメモリを代用する仕組も使う製品も存在
TBW(Total Byte Written)NANDには書き込み回数の上限があり、それを超えると書き込めなくなる(=寿命)。TBWは耐久性の指標で、寿命に到達するまでにどれだけ書き込めるかを示す値。大きいほうが耐久性に優れる
保証期間保証期間は信頼性、製品の位置付けを判断する指標として有効。長いほど品質に自信がある製品と考えよう

NANDの種類は、現在はメモリセルあたりに3bitを記録するTLCが主流で、エントリークラスでは4bitを記録するQLCも増加中だ。QLCは低コスト・大容量化に有利だが、1セルあたりに記録できるデータが増えるほど、耐久性や性能は不利になる。その不利をカバーするために導入されているのが「SLCキャッシュ」だ。空き容量の一部をキャッシュとして使う技術で、性能向上に大いに役立つが、キャッシュ切れ後の性能低下には注意。

NANDは、1セルあたりに記録できるデータの量が増えるほど容量が増やしやすくなるが、書き込み回数は低下する。“単純な構造ほど速く長寿命”、“高密度化すると容量が増やしやすい”が基本だ
SLCキャッシュの働きを示す転送速度推移の例(WD_BLACK SN850を使用)。SSDに対してファイルを連続して書き込む際、SLCキャッシュに十分な空きがある場合は最高速でデータが転送されるが、SLCキャッシュを使い切ると転送速度が落ち込む。ただ、日常使用でここまで極端な連続書き込みを行なうケースはそう多くない
SLCキャッシュの容量はSSDの空き領域のサイズに左右されることが多く、空き容量が多いほど、大きなSLCキャッシュが確保される(グラフはWD_BLACK SN850 1TBモデルの例)。SSDにはデータを詰め込み過ぎず、ある程度の空き容量を確保して運用するのがベスト。また、大容量モデルほどSLCキャッシュがたくさん確保できるためピーク性能も高い傾向にある

耐久性についてはTBW (Total Byte Written)という明確な指標もある。寿命に到達するまでにどれだけ書き込めるかを示す値で、数字が大きいほうがより耐久性に優れる。容量が大きい(メモリセルが多い)ほうが有利なので、比較する際は容量あたりの数値で見る必要がある点に注意したい。

製品のスペックシートには当然重要な情報が詰まっている(画面はWD Blue SN550 NVMeの例)。同じ製品でも容量によっても詳細なパフォーマンスは異なる場合があり、大容量モデルほど高性能になる傾向が高い。中でも「耐久性」の指標であるTBWは、大容量モデルが数倍大きくなる。価格は高いが、とくに2TB以上のモデルは「容量が大きくて高速、しかも耐久性も高い」とメリットも大きい

「用途別」の元祖・HDDの使い分け

HDDでは業界全体で用途別のブランド分けがより浸透している。その元祖はWestern Digitalの“色分け”ブランディングだ。ハードウェア、ファームウェアを用途別に最適化し、色をフィーチャーして明快に性格付けを表現、用途を分かりやすく分類している。現在のHDDの構造はかなり複雑化しており、ファームウェアによる最適化は欠かせない。素直に用途に合ったHDDから選ぶのが、よいシステムを構築する近道だろう。

HDDの用途提案と言えば、Western Digitalの“色分け”が有名。現在個人ユーザー向けとしては、汎用の青「WD Blue」、NAS向けの赤「WD Red」シリーズ、ゲーマーやクリエイター向けの黒「WD_BLACK」、監視システム向けの紫「WD Purple」、エンタープライズ向けの金「WD Gold」、というラインナップが展開されており、それぞれ用途や使用環境に最適化されたチューンが施されている

一般的なPCシステムでは、データ保存用に使うことがほとんどなので、Western Digitalなら「WD Blue」が最有力。PCの利用頻度が高く、信頼性をより重視したい方はNAS向けである高耐久・高信頼の「WD Red」を選ぶのもよいだろう。

また、Western Digitalの製品ラインナップの場合、10TB以上の大容量モデルでは、製造段階で内部に空気の代わりにヘリウムガスを充填することで、プラッタ枚数増による大容量化、精度向上や故障率の低下、空気抵抗低減による省電力化や静音化、発熱低下などを実現した製品がラインナップされる。個人用途でこのサイズのHDDをチョイスするケースは少ないかもしれないが、大容量HDDを求めるならヘリウム充填タイプの性能と安心感は大きい。

「NAS」って何?

HDDの用途の一つとして近年需要が高いのが、NAS(Network Attached Storage)と呼ばれるネットワークに直接接続して利用するストレージ機器だ。PCやスマートホンなどのモバイル端末、AV機器などからネットワーク経由でアクセスでき、NAS上に文書、写真、動画などのファイルを保存したり再生したりすることが可能。複数の端末からアクセスすることができるので、さまざまなデータの共有が可能だ。

NAS製品にはさまざまなスタイルのものがあるが、自分でストレージ(HDDを使うのが一般的)を組み込んで設定できるタイプだと、ストレージの台数や容量をコントロールしやすくて便利。冗長性を持たせるなら、2台以上のHDDを搭載できる製品を選ぼう

複数人同時アクセスや、細かいアクセス制限の設定もできるので、ご家庭なら家族みんなで、会社であれば部署単位や会社全体でファイルを共有する、といったことができるので、データの集約やストレージの効率的な利用にもつながる。

NASは共用するストレージなので、システムが安定稼働し、安心してデータを置いておけることが非常に重要だ。そのため、複数台のHDDを内蔵して組み合わせることで、冗長化(もしHDDに障害が発生してもシステムやデータを維持できるように備えること)や高速化を図る「RAID」という機能を利用できる製品が多い。「24時間365日の稼働に耐えられること」、「RAIDでの運用に向いていること」がNAS用のHDDに求められる重要な要素となっており、一般向けにNAS用HDDを大々的にアピールした元祖と言える製品が、Western Digitalの「WD Red」シリーズだ。

“WD Red”を冠するHDD/SSDは複数あり、HDDの「WD Red」はSMR方式で容量が2~6TB、「WD Red Plus」はCMR方式で容量が1~14TB。このほか、さらに大規模な環境向けの「WD Red Pro」も販売されている。SSDの「WD Red SA500 NAS SATA SSD」は2.5インチとM.2があり容量は500GB~4TB(M.2は2TB)、NASのパフォーマンスを向上させる“SSDキャッシュ”としても活用できる、24時間365日稼働に耐える設計のSSDとなっている

「外付けストレージ」という選択肢

ここまで自作PCユーザー向けに内蔵ストレージの話を中心に解説してきたが、古くからPC周辺機器として広く用いられてきた「外付けストレージ」も引き続き多数登場している。小型HDDの一般化、SSDの普及、そして外付け周辺機器接続用の代表的規格であり取り扱いも容易なUSB規格の高速化という技術的な進歩も手伝って、以前よりさらに多種多様な製品が流通している。

とくに“高速なSSD+高速なUSB”という組み合わせの外付けSSDは、コンパクトな形状と内蔵HDDを上回る読み書き性能から、自作PCユーザー視点でも注目すべきスペックに到達している。小型PCケースを愛用していてストレージ増設の余地がもうない、ノートPCなどとストレージを気軽に共用したい、空いているUSB 3.2ポートを有効活用したい、などといった場合に、選択肢に含めてみてはいかがだろうか。

USB 3.2 Gen2対応の外付けSSD「My Passport SSD」(左)と、USB 3.2 Gen2x2対応の「WD_BLACK P50 Game Drive SSD」(右)。シーケンシャルリード性能はそれぞれ1,050MB/sおよび2,000MB/sに達しており、内蔵のSerial ATA SSDの速度を大きく上回る非常に高いパフォーマンスを誇る

用途・機能別 ストレージフル活用術

最後に、実戦的な例を見てみよう。ストレージの選び方や使い分けは、PCを快適に使う上で大きなポイントになる。その具体的な例を用途や活用シーン別に紹介するので、製品選びの参考にしてほしい。

ゲーミングPCのストレージ構成

高性能なストレージを利用すると、ゲームの起動やロード時間が短縮され、快適にプレイできる。PCI Express 4.0の高速なSSDをOSとゲームをインストールするドライブにしつつ、プレイ頻度が減ったゲームなどを退避しておいたり、自分の過去のプレイ動画を保存するドライブを用意して併用するのがよいだろう。ちょっとしたゲーム/データ置き場なら、RAIDを用いるような高度な信頼性は必要ないので、コスパのよいミドルレンジ以下のSSDやHDDでよいだろう。

クリエイターPCのストレージ構成

クリエイティブでとくに重要視したいのは、頻繁にアクセスすることになるキャッシュ(仮想記憶)領域。ここにPCI Express 4.0対応のハイエンドNVMe SSDを使えば、作業のパフォーマンスがアップする。OS/アプリドライブはそこそこ高速なミドルクラスのNVMe SSDで十分だ。また、完成作品や素材などを保管しておくドライブには大容量でコスパのよいSerial ATA SSDやHDDを使いつつ、RAID構成のNASや外付けストレージの活用も検討したい。

チョイ古PCが生まれ変わる!?

エントリークラスのSSDでも、ランダムアクセス性能はHDDの数十倍。HDDを搭載した古いPCのOSドライブをSSDに換装するだけでも格段に快適になる。換装の際にはデータ移行ツールが便利だが、Western DigitalのSSDの場合は「Acronis True Image WD Edition」が無償で利用できる。クローン機能で古いHDDから新しいSSDへ環境を丸ごとコピーすることができ、わずらわしい再インストール/環境再構築の手間なくすぐに快適に使える。

自作PCなら空いているSerial ATAポートやM.2スロットを、ノートPCならUSB接続の外付けSSDケースなどを利用すれば、システムドライブのクローン作業は簡単。パフォーマンスアップの効果も抜群だ
ストレージの乗り換えの効果はかなり大きく、HDDからSSDへの換装ともなると、誰もが体感できるレベルで大幅に性能が向上する。単純なWindowsの起動、アプリの使用感アップなど、確実な効果が期待できる

家庭内データの集約

デジタル化が進行する中、家族全員がPCやスマホを所有しているという家庭も少なくないだろう。家族の思い出の写真や動画を家庭内で保管、共有するにはNASが最適だ。NASが1台あれば、ネットワーク経由で家族全員のPCで簡単にデータを共有できるし、誤操作が不安なお子さんからは閲覧専用にするなどアクセス制御もしやすい。こうした大切なデータの保管には、信頼性の高いNAS用のHDDをRAID 1以上の構成で使う万全の体制で臨みたい。

製品にもよるが、NASにはPCやスマホのファイルからテレビやレコーダで録画した番組などまで保存可能。家庭内のデータを集約・保管するのに便利な存在
NASに使うならば、複数台利用時の温度管理や振動対策もされているWD RedシリーズのようなNAS用HDDが最適。HDD×2のRAID 1、HDD×3以上のRAID 5で運用すれば、データの安全性や障害への強さが期待できる

覚えておきたい「ストレージ」関連用語

シーケンシャルアクセス(Sequential Access)
データを読み書きする方式のうち、先頭から順に読み書きするタイプをシーケンシャルアクセスと言う。記憶メディアでは、メディアの構造そのものがシーケンシャル(もともとは連続という意味)のテープデバイスを除き、ランダムアクセスが基本だ。しかし、連続した領域を読み書きするのがもっともオーバーヘッドが少ないことから、データは通常シーケンシャルに格納される。たとえばCDでは、トラックそのものが渦巻き状のシーケンシャルな構造で、トラックをたどれば連続再生できる。HDDへの記録でも、空き領域の続く限りデータはシーケンシャルに格納される。
ランダムアクセス(Random Access)
データを読み書きする方式のうち、データが格納されている順番に関係なく目的のレコード(ブロック)を読み書きするタイプをランダムアクセスと言う。シーケンシャルアクセスと並んでストレージ性能の指標とされているが、動画などの大きなサイズのファイルを扱う処理ではシーケンシャルアクセス性能が、アプリケーションの起動など小さなファイルを多数読み込むような処理ではランダムアクセス性能が作業の快適さにつながる。
SLC(Single Level Cell)
メモリの記憶形式の1種で、一つのメモリセルに対して1bitのみの情報を記録する方式を指す。MLC方式と区別するために使われる。
MLC(MultiLevel Cell)
電位の違いを使い、一つのメモリセルに複数bitを格納する技術をMLCというが、狭義には1セルに2bit格納する技術のことを指す。
TLC(Triple Level Cell)
NAND型フラッシュメモリの種類の一つ。一つのセルに3bitのデータを保存することができるが、書き換え可能回数の面ではMLCよりも不利。現在の主流の方式。
QLC(Quadruple Level Cell)
NAND型フラッシュメモリの種類の一つ。一つのセルに4bitのデータを保存することができるが、書き換え可能回数の面ではTLCよりも不利。ただし、キャッシュ技術の進化などで使い勝手は着実に向上。大容量化が容易、かつ大容量化により速度・耐久性などの改善も可能なことから、今後が期待される方式でもある
SLCキャッシュ
TLCやQLCタイプのNAND型フラッシュメモリを採用したSSDにおいて、NANDの一部の領域をSLCのように扱うことで高速なキャッシュとして利用する技術。
TBW(Total Bytes Written)
総書き込み量。SSDにおいて、メーカーが保証する記録可能な総データ量を指す。Tera Bytes Writtenとも。
ヘリウム充填(封入)
HDDの製造段階で、HDD内部に空気よりも軽い気体であるヘリウムを充填(封入)すること。気体抵抗が少なくなるため、プラッタ回転時の振動を抑えられ、プラッタ枚数の増加、ヘッダ制動の精度向上、抵抗低減によるモーターの省力化(=省電力化と発熱抑制)などが可能になり、HDDのさらなる容量増加を実現する。HDDメーカー各社の製品のうち、容量最上位モデルで利用される場合が多い。
NAS(Network Attached Storage)
通常のサーバーからファイルサーバー機能を分離し、専門に処理させるネットワークストレージ技術。
RAID Redundant Arrays of Inexpensive(Independent)Disk
複数台のディスクドライブを利用し、ディスクの容量や高速性、信頼性を上げる技術。RAIDが提唱された論文では、構成の異なる以下のような五つのモデル(レベル1からレベル5)が定義された。

・RAID 1
常に同じ内容を、2台のディスクに書き込んでおく方式で、ミラーリング(Mirroring)とも呼ばれている。データを完全に二重化するため、ディスクの使用可能容量は半分になってしまうが、一方がダウンした際には、ペナルティなしで継続稼働が可能。

・RAID 2
ミラーリングの欠点であるディスク容量の効率の悪さをカバーするため、エラー検出/訂正用のハミングコード(Hamming Code)を用いる方式。一般には使われていない。

・RAID 3
複数台のデータディスクと、エラー訂正用のパリティデータ(ダウンしたデータディスクのデータを算出するための符号)を格納するディスク1台で構成。データを、バイト単位に分割して各ディスクに分散して書き込む。冗長分は、常にディスク1台分だけなので、ミラーリングよりも効率的。

・RAID 4
RAID 3と同じ構成だが、I/Oレートを向上させるために、データを各ディスクにブロック単位に分散して書き込む。一般には使われていない。

・RAID 5
パリティ専用のディスクは持たず、データとパリティを複数台のディスクにブロック単位に分散して書き込む方式。構築には最低3台のディスクを必要とする。パリティ用に1台分相当の容量が必要になるので、使用効率はRAID 3/4と同等。パリティも分散するため、I/OレートはRAID 4よりもさらに向上する。

・RAID 6
RAID 5の信頼性をさらに高めたもの。パリティを二重化することで2台のディスクが同時に故障してもデータの救済が可能になる。ただし、パリティ用に2台分相当の容量を必要とし、RAID 5よりも書き込み速度は低下する。

・冗長性を持たないRAID
信頼性を上げるための冗長性は持たないが、複数のドライブに分散書き込みを行なうことによって、高速性と大容量を実現するタイプもよく使われる。いわゆるストライピング(Striping)と呼ばれるタイプで、これをRAID 0と言い、耐障害性も高めるために、ストライピングにミラーリングを組み合わせた「RAID 0+1(0&1)」あるいは「RAID10」と呼ばれるタイプもある。