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肌も綺麗で動きも滑らかな高画質Webカメラ「elgato Facecam」、プロストリーマーも使える1080p/60fps仕様

本格カメラのような補正機能も魅力的なCORSAIRの最新モデル text by 白倉甲一

「elgato Facecam」

 CORSAIRのネイティブ60fps対応/フルHD(1,920x1,080)解像度のWebカメラ「elgato Facecam」が日本でも10月末から販売開始となった。

 ストリーマー向けWebカメラの中でもかなり高性能な製品で、専用ユーティリティで補正機能などの詳細な調整に対応した本格的なモデルとなっている。今回は、このFacecamを使った実際の撮影や、配信環境での実用感をチェックしていこう。

室内使用に最適化されたセンサーと高い品質の光学ガラスレンズを搭載

究極のWebカメラを目指して制作されたという、最新鋭のイメージセンサーとプロ級のレンズを搭載したFacecam。

 今回紹介するFacecamは室内使用に最適化されており、撮影時のノイズを低減する「Sony STARVIS CMOS」センサーを搭載している。レンズには18層の反射防止コーティングが施された光学ガラスレンズ「Elgato Prime Lens」を採用、絞りf/2.4、焦点距離24mm、画角82°、撮影距離30~120cmといったスペックになっている。

 対応解像度は1080p60、1080p30、720p60、720p30、540p60、540p30。ネイティブ60fpsの滑らかな映像と高画質を併せ持ったまさにプロストリーマー向けWebカメラといった性能だ。

スタジオカメラを彷彿とさせる正面側のデザイン。
レンズの保護カバーは上下の溝にはめ込むタイプ。非使用時にうっかり映りこまないようにするのにも便利。
Facecam側はUSB3.2 Gen1 Type-C対応。ケーブル着脱式で、付属のUSBケーブルはType-C - Type-Aになっている。
カメラ起動中はインジケーターが点灯。常時点灯や常時消灯も可能。
本体上部、ゆるやかに湾曲していてレンズの上下をシェードで覆うような形状になっている。

 マウント部分を除いた本体サイズは幅80 x 高さ48 x 奥行58 (mm)、重量は103g。やや大きめではあるが内部にヒートシンクを搭載し、継続的に処理部の冷却が可能な設計になっている。

 接続インターフェイスはUSB3.2 Gen1(5Gbps)で、ケーブル着脱式。本体側のコネクタ形状はType-Cで、接続用のType-C - Type-A形状のUSBケーブルが付属している。

マウント部分は前面をツメで引っかけて挟み込むスタンダードなタイプ。
マウント底面、接地面に余裕があるので直置きでも安定するが、滑り止めのゴムなどはないので机置きで使用する場合は別途三脚を用意する方が良いだろう。
側面。マウントは底面取り付けで着脱可能。
チルトに対応、上下方向共にある程度自由に傾ける事が可能だ。
マウントを取り外すと1/4インチサイズのネジ穴が現れる。

 標準マウントは一般的なディスプレイのフレームを挟み込むスタンダードなタイプで着脱可能。チルトに対応し垂直首振りで自由に角度をつけられる。

 マウントを外すと本体下部に1/4インチサイズのネジ穴があるので、使用する環境に合わせてカメラ用三脚などに付け替えて使用するのも良いだろう。

Webカメラとは思えないほど細やかな調整が可能専用ユーティリティ「Camera Hub」で好みの画質に

ユーティリティ「Camera Hub」のメイン画面、基本的な調整は全てこの画面から一括管理できる。プレビュー画面ではスクリーンショットの撮影や反転表示が可能。

 Facecamは、専用ユーティリティ「Camera Hub」を使う事で詳細な設定が可能で、項目は「視野角」「コントラスト」「彩度」「シャープネス」「露出」「ISO」「ホワイトバランス」「ノイズ除去」「アンチフリッカー」など多岐にわたる。どちらかというと、マニュアル操作可能なミラーレスカメラに近いといった印象だ。

 設定内容はFacecamのオンボードメモリへ保存されるので、一度調整さえしてしまえば各機材間でもOSなどを問わずこだわりの調整をそのまま引き継いで使用する事ができる。

ユーティリティ左側のコントロールパネルだけの状態にすることも可能で、出力画面をOBSなど別ツールに任せている際はこの表示状態で画面に置いておくのもいいだろう。
インジケーターの点灯設定や各部設定項目のリセットもできる。

 スクリーンショットを1ボタンで保存する機能も備えており、保存時にポップアップも出ないのでサクッと撮影したい時はCamera Hub一つで簡単に完結できる。画像を保存したフォルダへはボタンを押すだけで簡単にアクセス可能で、地味ながら撮影したスクリーンショットを手っ取り早く確認できて便利な機能だ。

実は色の調整機能が凄い!肌の色がゾンビになったり赤くなったりからはサヨナラ配信上に思うままの画を乗せられる「Facecam」

 Webカメラと言えば人間を被写体にするのがやはり一番の目的となるはずだ。Facecamはユーティリティの「Camera Hub」を使う事で撮影時の色味調整などを詳細に設定できるので、実際に色々な設定を試してみよう。

 まずはデフォルトのオートの状態を紹介するが、色合わせはなかなか優秀でそのまま使っても綺麗だ。このため、細かい設定が難しいと思う場合にはオートに任せてしまうのも良いだろう。

デフォルトの自動調整のまま撮影してみた。肌の色合いは色温度が重要になるが、オートでも綺麗に合わせてくれる印象だ。
カメラ自体の性能が高いこともあり、オートの状態でも十分綺麗に撮影できる。
撮影した際のホワイトバランス以外の設定値。露出とホワイトバランスは自動調整が選択可能でそのほかのパラメーターも細かく設定可能。いろいろ数値や設定を変えても簡単にリセットすることが出来るので、好みにあわせ色々調節してみよう。

 ユーティリティ上にはオートで使用してもどう補正されたのか自動補正時の数値が表示されるので、カメラ慣れしていないユーザーでも目安として参考にしやすいのは嬉しいポイント。

 マニュアル調整時は、スライダー、直接入力、スピンボタンの3種類使え、項目毎に前回の保存状態に戻せるボタンがついているので試しながらの調整が容易に行える。UIもうまくまとめられシンプルになっているのでわかりやすい。それぞれの項目内にタブ分けがほとんどなく、1画面で全体を確認できることが調整のしやすさに繋がっているとも感じた。

ホワイトバランスを変更して暖色系の色合いに傾けてみた。
周りの照明が暗い場合などは色温度を暖色側に設定し、やわらかい雰囲気を演出するといった使い方もおすすめ。
色温度を上げると色合いが青寄りになり、白などは清潔感のある色合いになる。
露出補正を極端にして美肌(?)風味に。白背景に同化してしまわないように輪郭をシャープネスで強調してみたりと自由度は高い。

 通常の屋内撮影と違い、配信環境では周りにゲーミングデバイスやモニターのような光り物があったり、照明の配置などの影響でなかなか思うように被写体を撮りにくいという事もあるだろう。そんな時Facecamであれば生き生きとした画面作りができるのも魅力の一つと言える。

 Webカメラは、肌の色が死人のようになってしまったり、真っ赤になってしまったりと、ホワイトバランスの調整機能があまり良くないモデルもあったりするが、「Facecam」であればそういったことが避けられる。自然な印象に色を合わせることも、温かみのある色にして演出を加えたりすることもできる。

 ストリーマーは顔出しで配信することも多いかと思うが、自分が綺麗に映るか、意図したイメージの画像をユーザーに見せられるかは重要なポイントになるはずなので、こうした調整機能に優れたモデルは活用のし甲斐があるはずだ。もちろん、ストリーマーに限らず、オンライン会議などでWebカメラを使うことが多いユーザーにもお勧めしたい。

60fpsの滑らかさは操作方法や手の動きを伝えるのにも有効素早い指捌きもリアルタイムでしっかり見える!

 流行のFPSや対戦ゲームなどはもちろん、音ゲーやRTAなど、上級者のプレイを余すところなくチェックしたくなるのがゲーマーの性分。上級者ほどかなり速い操作を行っていたりすることもあり、動画で公開されているものの、何が起きているのかよくわからないといったこともあるだろう。

 そういった際に効果的なのが高フレームレートでの録画だ。Facecamはネイティブで1080p/60fps対応で、コントローラーやマウスキーボードでの細かい操作もバッチリ捕らえられるはず。実際に操作時の様子を記録してFacecamの実力をチェックしてみた。

【elgato Facecamの60fps撮影テスト】
Apex Legendsプレイ時の様子を60fpsで記録してみた。動画の滑らかさを確認してもらいたい。

 動画を見てもらえればわかるが、60fpsでの撮影は30fpsなどと比べるとかなり滑らかだ。操作がとんでもなく高速なプレイヤーの場合はこれでも追いきれない場合もあるが、30fpsではガチャガチャしてしまってわかりにくい部分も60fpsであればだいぶ確認しやすくなる。操作方法を視聴者に紹介したい場合は60fpsでの配信はかなり有効だ。

 PCゲームに限らず、スマホゲームなどでもスワイプ動作など複雑な操作が要求されるゲームは増える一方なので、テクニックを知りたいユーザーには手元動画の需要も高まっている。滑らかに精細な映像を撮影できるFacecamはプラットフォームにかかわらず様々な場面での活躍も期待できそうだ。

ライブストリーミング時代にうってつけな本格仕様の配信用Webカメラ綺麗に撮れるモデルを探しているなら有力な選択肢

 顔出し配信や手元動画など、ゲームプレイをする際には様々な要素が求められるようになった現在では、機材一つをとっても高い性能が求められる。特に高画質でのゲーム配信などが簡単に出来るようになった分、低い性能のWebカメラではそこだけ画面が浮いてしまい、雰囲気作りの観点からもあまり好ましいとは言えないだろう。

 こだわりの配信環境を構築していく上で、カメラは性能を求めるとビデオカメラなどを選択する必要があり、価格の面でも取り回しの面でもなかなか難しい部分が多かったのだが、これからは配信に特化したWebカメラというのも選択肢として有力な物になっていくのではないだろうか。Facecamをはじめ、外にも持ち出しやすいこうした小型の本格的なWebカメラは、画質を求めるストリーマーには是非おすすめしたい製品だ。

[制作協力:CORSAIR]