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光学スイッチって実際どうなの? 高耐久・高速入力・ハイコスパのゲーミングキーボード「CORSAIR K60 PRO TKL RGB」

質感の高いアルミフレーム筐体で使い心地のよさとデザイン性を両立 text by 白倉 甲一

CORSAIR K60 PRO TKL RGB(CH-911D01A-JP)

 CORSAIRの大人気テンキーレスモデル「K65 RGB RAPIDFIRE」の後継にあたる「K60 PRO TKL RGB」が発売される。CORSAIRゲーミングキーボードを象徴するアルミニウムフレーム筐体デザインを引き続き採用し、極力省スペースにまとめられたシンプルデザインが特徴的。上位モデルにある追加ボタンやダイヤルなどは搭載せず、RGB LED機能もバックライトのみだが、新開発の「CORSAIR OPX 光学メカニカルキースイッチ」を採用している。

 リニアストロークなのはK65 RGB RAPIDFIREと同じだが、本機では前述の光学スイッチ採用により、大幅な高耐久化・高精度化をうたっている。しかも、光学スイッチ搭載機としては16,980円(税込)と価格もリーズナブル。今回はそんな注目モデル「K60 PRO TKL RGB」を実際にゲームで使用してみて、どれほど使用感が向上したか見ていこう。

筐体からはよぶんを省きつつ機能は十分のムダのない洗練されたテンキーレスキーボード

 本体サイズ(W×D×H)は359×36×136mm 、本体重量は700g。アルミニウムフレームはデザイン的なものだけではなく筐体の剛性を高めてくれるため、打鍵時のガタつきを抑えて快適にタイピングを行なえる。

正面、日本語配列テンキーレス。余白は最小限かつ、フレームレスなすっきりデザインのアルミニウムフレーム筐体
スペースを最小限に抑えるためにインジケータ類は矢印キー周辺のスペースに収まっている
背面、滑り止めのほか上部2カ所にチルトスタンドを備える

 フルNキーロールオーバーと100%のアンチゴーストに加え、CORSAIR独自の「CORSAIR AXON(アクシオン)」技術により8,000Hzもの超高速ポーリングレートで正確なキー入力を実現。Fnとの組み合わせで基本的なキーボード用のハードウェア設定の変更やWinキーロックなども行なえる

横から見た状態。標準状態でもほどよい傾斜が付いているので打鍵しやすく打ち疲れしにくい
背面のチルトスタンドを起こして角度を付けることも可能
ケーブルは着脱可能なUSB Type-Cコネクタになっている
付属ケーブルはUSB Type-C to USB Type-A

超高耐久、高精度で素早く入力を行なうことができる光学メカニカルキースイッチ「CORSAIR OPX 」

 CORSAIR独自の光学メカニカルキースイッチ「CORSAIR OPX」は一般的なメカニカルスイッチのさらに上をいく1億5,000万回打鍵の超高耐久性を実現。一瞬の入力遅れが命取りになるゲーミング用途に向けて、アクチュエーションポイントはより高速な打鍵が可能な1.0mmとかなり浅い位置で反応するように設定されている。素早い入力を必要とする場面に最適なキースイッチだ。

光学メカニカルキースイッチの「CORSAIR OPX」

 この耐久性と入力速度を実現するために用いられているのが光学式のセンサー。赤外線センサーをパーツが遮ることでスイッチ接点として働くため、一般的な機械式のキースイッチのような物理的な摩耗による故障が限りなく少ない。また、高速入力時にスイッチのON/OFFを誤検知しない信頼性の高さも特徴となっている。

光学式メカニカルスイッチは、一般的なメカニカルスイッチと比べ物理的な摩耗による故障が限りなく少ない
赤外線でスイッチ接点を検出するため、高速で確実な入力を実現している

 スイッチの押し心地としては押し込みが深くなるほど抵抗が強くなるリニアストロークタイプで、同様のタイプの赤軸や銀軸と比べた場合スイッチ接点に当たる金属板がない分、若干の差ではあるもののより引っかかりの少ない押し戻しになっている印象だ。

 アクチュエーションポイントの浅さと引っかかりの少なさはスイッチの誤タイプにつながる部分もあるが、それにより実現する高速入力は瞬間的な判断と動作に勝敗がかかってくるゲーミングシーンでは欠かせないものだ。やや玄人向けにはなるものの、使いこなせさえすれば精密なコントロールに重きを置く上級者にはうってつけのスイッチだと言えるだろう。

一般的なメカニカルスイッチは接点となる金属板同士の干渉がチャタリングなどを発生させてしまうこともあるが、物理接触がない光学メカニカルキースイッチであれば高速打鍵時などでも正確な入力検知が可能だ

各種設定、ライティングやキー割り当てが可能な統合ユーティリティ「iCUE」

 キーの割り当てやライティング設定、各種設定変更などはCORSAIR製品の統合ツール「iCUE」から行なうことができる。

 設定はキーボード側に保存可能で、最大でプロファイルを50個も保存できる上位モデルらしい仕様となっている。

RGBバックライトはiCUEユーティリティ上から設定可能なほか、所定のキーバインドで調光などを行なうこともできる
入力デバイスはもちろん、PCの発光デバイスをすべてCORSAIRに統一すれば、このユーティリティ一つでライティング制御は思いのまま
ハードウェアレベルで設定を記憶させられるので、iCUEを入れていないPCなどで使う場合にも好みのライティングで光らせることができる
ポーリングレートは7段階から選択可能、高いほど寸分の遅延も許さない即応性が手に入るがPCのリソースも使うことになるのでPCのパフォーマンスと相談だ
ソフトウェア上からのキーバインドは細かく設定が可能。自由にカスタマイズして使いやすさを向上させよう

机を広く使えるテンキーレス+高速入力の光学スイッチでゲームをより快適に

「VALORANT」、攻守2チーム/5vs5に分かれて戦う硬派なスタイルながら、キャラクターそれぞれに個性的な能力があり戦略の幅が広いFPSゲーム
(C) 2022 RIOT GAMES, INC.

 ここで実際に「K60 PRO TKL RGB」を使って、その感触を確かめていこう。テストプレイにはVALORANTを使用。このゲームでは射撃時にきっちり移動を止めないと弾が大きくぶれる。いわゆるストッピングが重要なゲームで、高速かつ高い精度で操作のできるOPXスイッチは最適と言えるはずだ。

マップの逆側で味方が続々倒され向かう道中、待ち伏せに対して即座に対応することができた
スパイク設置のために屋根下へ潜り込んだ敵も、操作にもた付く事なく冷静に排除

 アクチュエーションポイントの浅さから誤タイプが心配だったものの、もともとリニアスイッチを好んで使っていることもあり、何度かプレイすれば十分慣れることができむしろ快適なくらいだった。配列もスタンダードなので味方と意思疎通を行なう場合などもササっと文字を打て、VCなしでチャット交流というスタイルも取りやすい。

 本製品よりさらに小さいコンパクトキーボードもあるが、そういった製品では全キーを使用するのにファンクションキー同時押しが必要なものもある。すべてをダイレクトに入力できるという点は、FPSだけでなくサバイバルゲームやMMORPGなど、キーアサインが多数必要なゲームを遊ぶタイプのゲーマーにもうれしい点だろう。

定番ゲーミングキーボードのテンキーレスモデルの新たな1ページ。省スペース&デザイン性&使いやすさの相乗効果

 数あるCORSAIRゲーミングキーボードの中でもテンキーレスモデルはシリーズごとにいくつかの種類から選択が可能だ。

 上位のK70シリーズのようにマルチメディアファンクションなどが使える機種もあれば、今回の「K60 PRO TKL RGB」のように最小限のスペースで抑えたデザインなど多種多様だ。

 日本の住宅事情ではなかなかデスクスペースを広く取れないということもあり「K60 PRO TKL RGB」のように少しでも筐体を小さくしつつ、定番のCORSAIRデザインをしっかり受け継いだモデルはありがたい。

 キーボード一つをとってもさまざまなサイズやデザイン、機能から自分の用途や環境に合わせたものを選べ、机の上のデザイン的な統一感も同時に得られるのは、ゲーミングデバイスメーカーの老舗であるCORSAIRの強みと言えるだろう。

 なお、本製品はAmazon限定販売となっており、10月7日(金)発売予定だ。気になる人はぜひ確認してみていただきたい。

[制作協力:CORSAIR]