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画像生成AIを快適に動かすならこれを買え!『Stable Diffusion XL 1.0』編【リフレッシュレートから選ぶGPUの最適解⑦】
DOS/V POWER REPORT 2023年秋号の記事を丸ごと掲載!
2024年2月28日 09:05
大注目の画像生成AI技術 Stable Diffusion XL 1.0
せっかく17種類のGPUを集めたので、「Stable Diffusion」における画像生成の速度も比べてみよう。リフレッシュレートの話題から離れるが、番外編と見てほしい。
Stable Diffusionは無料で利用でき、簡単に使うためのツールはいくつか登場しているが、定番なのがAUTOMATIC1111の「Stable Diffusion web UI v1.6.0」だ。今回は、このUIと最新版となるStable Diffusion XL1.0(SDXL1.0)を利用して画像を生成する。なお、SDXL 1.0は画像生成にBaseとRefinerの2パス方式を採用しているが、ここではBaseだけを利用。また、GeForceはCUDA版、RadeonとArcはDirectML版を利用しているため、環境は同一ではなく、各種条件を同じにしても生成される画像は異なる。RadeonとArcは参考程度と見てほしい。GeForceはビデオメモリが8GBを境に速度が大幅に変わる点に注目だ。
手軽に試したいなら「Fooocus」が便利
導入と使い方が簡単なStable Diffusion対応ツールとして「Fooocus」にも注目が集まっている。Stable Diffusion web UIと同じくWebブラウザ上で動作するが、短いワードでも高度な調整でリアルな仕上がりが楽しめるほか、さまざまなキーワードがあらかじめ用意されており、手軽に画像生成にチャレンジできる。原稿執筆時点で対応するGPUはGeForceシリーズのみだった。
Adobe のAI技術「Firefly」はどうなの?
商用利用も可能なAI技術として正式にサービスがスタートしたAdobeの「Firefly」。日本語で画像生成が可能と便利だが、クラウド上で処理されるため、PCのスペックは生成スピードに影響しない。低スペックのPCでも気軽に使えるのはよいが、ハイエンドGPUが活躍できないのはちょっと残念だ。画像生成だけではなく、オブジェクトの追加や削除、テキストに効果を追加など多彩な機能を用意している。
12GB以上から選びたい
テスト結果からGeForceに関してはビデオメモリが10GB以上あったほうがよいのは明白だ。Windows環境でのRadeonやArcの最適化はまだまだこれからと言える。
CPU | Intel Core i9-13900K(24コア32スレッド) |
マザーボード | MSI MPG Z790 CARBON WIFI(Intel Z790) |
メモリ | Micron Crucial DDR5 Pro CP2K16G56C46U5(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2) |
システムSSD | Western Digital WD_BLACK SN850 NVMe WDS200T1X0E[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB] |
電源 | Super Flower LEADEX V G130X 1000W(1,000W、80PLUS Gold) |
OS | Windows 11 Pro(22H2) |
Stable Diffusion XL1.0でBaseモデルだけを使用。プロンプト用ワードとSeed値は固定し、Sampling methodは「DPM++2M SDE Larras」を選択、steps 30、Batch Count 3、Batch size 1設定で画像生成を完了するまでの時間を測定した。すべてPCを起動してから1回目の測定結果で、解像度は512×512ドットと768×768ドットの2種類で実行した |
[TEXT:芹澤正芳]
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