取材中に見つけた○○なもの

ビデオカード型のマイニングマザーやケース入りの完成品リグなど、利便性の高いマイニング製品が登場

COMPUTEX取材時に見かけた気になるアイテム -マイニング関連製品編-

 COMPUTEX 2018のブースレポートを6月上旬からお届けしましたが、そこでは拾えなかった気になるアイテムを紹介したいと思います。

 今回紹介するのはマイニング関連製品。昨年の熱狂的な状況からすると大分落ち着きましたが、製品は着々と進化しているようです。

ビデオカード型のマザーボードをPowerColorが展示、マザーとGPUはUSBで直結

ビデオカード型のマザーボード

 PowerColorのブースには、ビデオカード型のマザーボードが展示されていました。このタイプが主流になると、リグの形状も変わってくるかもしれません。

 ライザーケーブル経由で接続する前提のモデルとなっており、ビデオカードとの接続はUSBコネクタ経由専用となっているなど、かなり割り切った製品になっています。マザーボードへの給電もPCIe 8ピン経由で行うようです。

 後で言われて気付いたのですが、実はこのリグに使われているビデオカードはUSB接続(コネクタのみ、データはPCIe x1)モデルというかなり特殊なモデルでした。

マザーボード正面、必要な機能がコンパクトにまとめられています。
マザーボードとビデオカードはUSBケーブルで直結する仕組み。
リグの全景。この手のマザーボードが主流になると、リグは1段タイプに切り替わるかも?

ラックなどにそのまま収められるケース入りのリグをBIOSTARが展示

iMinerシリーズ

 BIOSTARはケースに収まった状態のマイニングリグを複数展示していました。

 このタイプであれば、組んだ状態での輸送なども可能になり、管理がかなり楽になります。自分で組める知識があればそれぞれパーツを購入して組む方が安上がりですが、業者などが購入する場合はこの形状が主流になるかも。

 完成品PCの状態のマイニングリグは他メーカーも力を入れており、会場内でちらほらと見かけました。

完成品PCタイプのマイニングリグで、輸送なども容易に。
より多くのビデオカードが搭載できる奥行きの長いモデルも。
MOD PC風の魅せるマイニングリグも展示されていました。

14GPU搭載のマイニングリグをSAPPHIREが展示、搭載されているのはファンレスカード?

SAPPHIRE INCA CS-14

 SAPPHIREのブースでは、Radeon RX 470を14基搭載したマイニングソリューションのデモが行われていました。

 ビデオカードをよく見るとファンレスカードになっており、1Uラックサーバーなどのように正面から風を当てて全体を冷却するタイプになっています。しかもこのカード、1枚あたりRadeon RX 470を2基搭載したデュアルGPUカードです。搭載マザーボードのCPUはAMD製のSoCで、オールAMDなシステムです。

 このほか、マイニング用ではありませんが、拡張カード型のマザーボードも展示されていました。型番は「IPC-FP4-RCM」で、搭載されているのはAMDの組み込み向けAPUです。

スペック一覧。
カード自体はファンレス仕様。
組み込み向けマザーボードの「IPC-FP4-RCM」。

逆T字型の変形マイニング用マザーボードをdianjiが展示

BTC B250

 完成品タイプのマイニングリグに使用する変形タイプのマザーボード「BTC B250」がdianjiのブースに展示されていました。

 形状はT字型といった感じで、ベースの大型ライザーカード部分の上に拡張カード型のマザーボードを挿して使うタイプになっています。スロットの間隔などが固定となるため、専用ケースと組み合わせて使用することが前提の製品になりますが、完成品リグを作成したいメーカーには便利なモデルかもしれません。

 CPUはLGA1151対応のモデルが使用可能で、ビデオカードは最大8枚まで搭載可能です。

製品スペック。
正面から見ると逆T字型といった感じ。
こうした専用ケースに収めて使用するモデルです。

2,800Wのマイニング電源や完成品リグをGeILがプライベート展示

マイニング向け2,800W電源

 メモリメーカーとして知られるGeILですが、関係者向けのプライベートエリアにマイニング関連の製品が展示されていました。

 容量2,800Wの大型電源や、1,800Wモデルをはじめ、ATX電源タイプの2,000Wモデルなど複数のモデルを展示。このジャンルにも力を入れるようです。なお、これらの電源は200V環境向けなので、日本で使うにはちょっと制約があります。

 また、完成品タイプのマイニングリグも用意され、電源だけで無くトータルソリューションとしても展開していくようです。

左が1,800Wモデル。
ATXタイプの2,000Wモデルも。
完成品タイプのマイニングリグ。

2,000Wオーバーのマイニング電源をANDYSONが複数展示

2,400W対応のマイニング電源。

 ANDYSONは2,400Wや1,800Wといった高出力タイプのマイニング電源を複数展示。

 日本では同社の高コスパモデルが流通していますが、価格のバランスが良ければ高出力タイプの物も流通するかも。形状やカラーなどの違いで複数モデルが展示されていました。

 80 PLUS GOLD認証がうたわれているので、効率面でも期待できるモデルかもしれません。なお、展示されていたのは全て200V環境向けのモデルのようです。

2,400Wモデルは80 PLUS GOLD認証。
2,400Wモデルはブラックで形状が異なるモデルも。
1,800Wモデルや1,600Wモデルも展示。

トータル3,200WのマイニングシステムをFSPが展示

ニコイチ構成のマイニングリグ

 FSPのブースでは、最大3,200Wまで対応できるというニコイチ構成のマイニングリグが展示されていました。

 マザーボードやCPU、電源などを2セットずつ用意し、1基のフレームに全て搭載した物で、デモ機には12枚のGeFoece GTX 1060が搭載されていました。電源にはビデオカード出力に特化するための拡張ユニットが搭載されているのが特徴で、これにより多数のビデオカードを搭載してもPCIeコネクタが足りなくなるといったことが防げるようです。

電源出力をPCIeコネクタ出力メインに切り替えるための変換ボード。
システム構成。
2,000W電源を使ったマイニングリグも展示されていました。

個人ユーザー向けのマイニングPC用ケースをThemaltakeが発表

Core M9

 個人ユーザー向けをうたうマイニングPC用ケース「Core M9」をThemaltakeが展示。動作デモが行われていました。

 個人ユーザー向けをうたうだけあって、見た目はゲーミングPCケースのようなかっこよさも意識した物になっています。リグだとパーツがむき出しになるから不安といった人には嬉しいアイテムになるかも。

 マイニングだけで無く、演算用PCのためのケースとしても良いかもしれません。

2段構成で、上段がビデオカードスペース。
裏面側。
デモ機のスペック。