パワレポ連動企画
小型PCを自作する場合の注意点
[最新版、PC自作の基礎知識](10)
(2014/4/7 12:04)
自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新特集「最新PC自作の基礎知識」をまるごと掲載する当企画の10回目は、小型PC自作の注意点。
最近人気のMini-ITXで自作する場合は、スペースの少なさから、組み込む順序やケーブルの整理に注意が必要だ。ここではその注意点を解説する。
なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 5月号は現在発売中。50ページにも及ぶ当特集のほか、様々なパーツの詳細レビューや徹底分析、そして「改造バカ一台」などの爆笑記事も掲載している。
- DOS/V POWER REPORT 2014年5月号 Special Edition -
Mini-ITXで作る
小型PC自作の注意点
ここではMini-ITX対応PCケースをベースにした小型PCの組み立て手順の注意点を紹介する。Mini-ITXは内部が狭くて余裕がないため、組み込み順序やケーブルの整理に配慮する必要がある。
Mini-ITXでの自作はパーツの選定が大事
Mini-ITX対応PCケースは、ATX対応PCケースと比べると内部が狭く、組み込み難易度が高い。初心者なら、組み込み難易度が低い、なるべくサイズが大きめのPCケースがオススメだ。今回は内部が広くマザーボード周辺の空間に余裕があり、ケーブル整理もしやすいAntecの「ISK600」を選択している。
電源ユニットは、奥行きが12.3cmと短くPCケース内でジャマになりにくいサイズの「剛力短2プラグイン」だ。内部が狭いMini-ITX対応ケースではこの短さがメリット。その意味では、SFX電源やACアダプタタイプを選択するのもありだ。
Mini-ITX対応PCケースの場合、最初に組み込み順序を考えておくことも重要だ。あるパーツを組み込むことでマザーボードの一部が隠れてケーブル接続ができなくなったり、別のパーツと干渉したりする可能性が出てくる。
カテゴリー | 製品名 | 実売価格 |
---|---|---|
CPU | Intel Core i3-4340(3.6GHz) | 17,000円前後 |
マザーボード | GIGA-BYTE GA-Z87N-WIFI(rev. 1.0)(Intel Z87) | 16,000円前後 |
メモリ | CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2) | 9,500円前後 |
SSD | Samsung 840 EVO MZ-7TE120B/IT(Serial ATA 3.0、MLC、120GB) | 9,000円前後 |
HDD | Western Digital WD Green WD20EZRX(Serial ATA 3.0、5,400rpm、2TB) | 8,500円前後 |
光学ドライブ | パナソニック UJ-265(BD-R 6倍速) | 7,000円前後 |
PCケース | Antec ISK600(Mini-ITX) | 10,000円前後 |
電源ユニット | サイズ 剛力短2プラグイン SPGT2-500P/A(500W、80PLUS Bronze) | 6,500円前後 |
そのほか | アイネックス SLS-3005SA(Slimline SATAケーブル) | 1,000円前後 |
Mini-ITXは内部をチェックし
最初に組み込む順序を考える
●1:外せるパーツはすべて外しておく
光学ドライブや3.5/2.5インチドライブ用のベイはPCケースから外すことが可能
●2:マザーボードを組み込む
まずはマザーボードを組み込む。電源ユニットが先だと干渉して組み込みにくくなる
●3:電源ユニットを組み込む
電源ユニットを組み込む。電源のシャーシがマザーボードにぶつからないように注意
●4:ケーブル類を接続する
各種ケーブルを接続する。ドライブ類を組み込んだ後だと作業しにくい部分がある
●5:ドライブ類を組み込む
外しておいたベイユニットに、SSDやHDD、光学ドライブを固定する
●6:ベイユニットを戻してケーブルを接続
ベイユニットをPCケースに戻し、ケーブルをドライブに接続する
●7:ケーブル整理は随時
ATX対応PCケースと違い、ケーブル整理は組み込みの途中で随時行なう
ポイント1ケース固有の取り付け手順に注意する
ISK600は、前面近くに装備する2.5インチシャドーベイと光学ドライブ用ベイ、中央にある3.5インチシャドーベイを外すことで、ほぼフレームだけの状態になる。また筐体自体がMini-ITXケースとしては大きめで、その分内部の空間は広い。組み込み順序をきちんと守れば、初心者でもそれほど苦労することなく組み込めるだろう。
ただし、ドライブ類や電源ユニットの組み込みはISK600特有の手順があるので、マニュアルをきちんと確認しておきたい。
ポイント2ケーブルまとめは順番にムリなく美しく
Mini-ITX対応PCケースでは、ATXケースよりもケーブル整理が重要。というのも、ほとんどのMini-ITX対応PCケースでは「ケーブル配線用のスペース」というものが最低限しか用意されず、余ったケーブルが内部でジャマになりやすいからだ。余ったケーブル類をそのままにしておくとCPUファンやケースファンに接触し、ファンが停止してパーツが過熱したり、ケーブルが断線したりして、トラブルの原因になりかねない。
ISK600では、まずCPUファンとケースファンがある背面近くのスペースをしっかり整理することを考えよう。右の手順にあるように、電源ユニットとマザーボードの隙間のスペースを使って電源ケーブルを整理すると、マザーボード上のスペースがスッキリする。
ケーブル整理は各パーツの組み込みの作業途中も行なうのがよい。ISK600はシャドーベイを組み込むと、マザーボードと電源の隙間に通したケーブルが見えなくなる。ここもまとめるべきポイントの一つなのだが、ATX対応PCケースに組み込むときのように、「組み込みが全部終わってから」では作業を行なえない。これも内部が狭く、構造が複雑なMini-ITX特有の注意点である。
【マザーボードの違いで作業の難易度も変わる】
Mini-ITX対応マザーボードは、ATXマザーボードと比べるとSerial ATAポートやピンヘッダ、ATX24ピンコネクタの位置などが製品によって大きく異なる。そのため、同じケースを使ってもマザーボードによって組み込み難易度は大きく変化する。あるマザーボードではケーブルの長さがちょうどよいのに、あるマザーボードでは長さが足りない、あるいは長過ぎるといったようにだ。
使いたいPCケースが決まっているなら、PCケースのケーブルの位置や長さをチェックし、使いたいマザーボードにマッチしているかどうかも購入前にチェックしておけば、いざ組み立てる段階になってケーブルが使えなかったなどというトラブルも回避できる。
- DOS/V POWER REPORT 2014年5月号 Special Edition 目次-
1回目:PC自作はいつだって楽しい! ~改造バカ、かく語りき~
2回目:理想のマシンを自分で作ろう ~自作PC作例集6選~
3回目:CPUの選び方、マザーボードの選び方
4回目:ビデオカードの選び方
5回目:ストレージの選び方、メモリの選び方
6回目:PCケースの選び方
7回目:電源ユニットの選び方、CPUクーラーの選び方
8回目:パーツ選びが終わったら、ここを確認!
9回目:PC組み立て徹底解説、パーツ取り付けからインストールまで ~10万円のパーツで組んでみた~
10回目:小型PCを自作する場合の注意点
11回目:トラブル発生時の原因特定方法
【DOS/V POWER REPORT 5月号発売中】
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