ゲーミングノートPCの選び方

外でちょっとした仕事もOK、モバイルで使えるゲーミングノートPC選びのポイント

 ゲーミングノートPCもほとんどの製品はバッテリーを搭載しており、携行可能だ。だが、「ゲームを楽しむ」ことにフォーカスして設計されたゲーミングノートPCの多くは、重く、大きい。総じて、モバイルノートPCのような使いかたには適さない。

 しかし、外出先や移動中に仕事で使ったり、レポートを仕上げたりと、モバイルノートPC的に使いたいとったニーズも少なからずあるだろう。

 そこで、今回はそんなゲーミングノートPCの中から、モバイルノートPC的な使い方も可能なモデルを選択する際のポイントを紹介する。

モバイルでも使えるゲーミングPCのポイントは「サイズ」「重量」「バッテリー」

 モバイルノートとしても使えるゲーミングノートの必須条件として抑えたいスペックが「画面サイズ(本体サイズ)」「重量」「バッテリー駆動時間」の3項目だ。

 順にポイントとなる部分を紹介しよう。

持ち運ぶならディスプレイは14インチ以下が持ち運びやすい

左が14インチ、右が15.6インチ。大型な方が高スペックとなっている場合が多いが、持ち運びの点では14インチもでるが優れる。
14型ゲーミングノートは横幅が350mm弱になっている製品が多い

 ノートPCの大きさを示す際の指標としてよく用いられるのが「画面サイズ」で、ここからざっくりとした「筐体サイズ」をイメージすることになる。ゲーミングノートでは15.6型以上のモニターサイズが人気だが、15.6型ゲーミングノートの本体は横幅が400mm近いモデルがほとんどで、気軽に取り出せるサイズとも言い難い。

 モバイル用途を意識するなら14型ゲーミングノートあたりが選びどころだ。14型モニターを搭載するゲーミングノートは横幅が350mmを切っている製品も多く、携行性にも優れる。

 サイズ的には一回りといった違いだが、ちょうどこのあたりが移動中に使えるかどうかのボーダーラインとなっており、14インチがギリギリ移動中に足の上に載せて操作できるサイズといった感じで、15.6インチになると電車の中で広げられる限界サイズをギリギリ超えるといった感じだ。

携行性を考えると重量は2kg前後が目安、しっかり選べば1.8kgの軽量モデルも

14型ゲーミングノートPCは、軽量なモデルであれば1.8kgクラスの製品も存在している。
15.6型ゲーミングノートPCはハイスペックなモデルが多いものの、その分本体も重い。

 ポイント二つ目の重量だが、15.6型以上のゲーミングノートの大半は重量2.2kgを超過しており、これにACアダプタやPC以外の携行品の重量が加わると、肩掛けタイプのカバンなどに収めておくにはかなりキツい重量となる。

 一方、14型ゲーミングノートでは重量が1.8kgクラスの製品が用意されている。数字で見るとそれほど大きな差には見えないかもしれないが、500mlのペットボトル飲料1本分に近い重量差があると考えれば、この差がそれなりに大きなものであるということがイメージできるのではないだろうか。

 いずれにせよ、モバイルノートで重量は軽いにこしたことはない。携行時の負担をなるべく抑えるためにも、軽量なモデルを選択するのがおすすめだ。

サイト閲覧やメールのやりとり程度であれば5~6時間程度使用できるモデルも

ゲーミングノートPCでも6時間程度モバイルで使用できるモデルが存在する。
ACアダプタ駆動が前提になっているモデルは、バッテリー駆動時が短めになっている。

 モバイル用途に使えるゲーミングノートの注目スペックとして最後に紹介するのが「バッテリー駆動時間」だ。ゲーミングノートにおいて第一に優先されているのは「ゲームをプレイするための処理性能」であり、ACアダプタ接続動作が前提となっているモデルも多い。特に、デスクトップPCに迫るようなハイスペックモデルは1~2時間しかバッテリー駆動できない製品も珍しくない。

 高性能なCPUやGPUを搭載している以上仕方がないとは言え、モバイルノートPCとして持ち歩くのに1~2時間のバッテリー駆動時間はあまりにも心許ない。やはり、せめて5時間以上はバッテリー駆動可能な製品を選びたいところだ。

 実際のところ、5時間を超えるバッテリー駆動時間を実現しているゲーミングノートは存在しており、これらはバッテリー駆動時に単体GPU(GeForce GTX 1060)からCPU内蔵グラフィックスに切り替えて運用することで消費電力を抑制し、長時間のバッテリー駆動を実現している。

 当然、バッテリー駆動中はゲームで十分な性能を発揮できないが、ウェブサイトの閲覧やメールの処理といったモバイル用途で求められる処理を実行するには十分だ。

モバイルするなら、5時間以上バッテリー駆動できる14型ゲーミングノートPC

 以上をまとめると、モバイルノートPCとして使えるゲーミングノートPCという条件を満たせるのは、5時間以上バッテリー駆動できる14型ゲーミングノートPCであるということになる。

 それでも携行性を追求した真のモバイルノートに比べれば重く大きいが、出先でもAC接続さえできればゲーミングノートPCが持つ高いCPU/GPU性能を発揮できるのは、一般的なモバイルノートPCには無い魅力であるとも言える。

 様々な業種で3Dデータを扱う機会の増えた昨今、「携行できる高性能PC」として14型ゲーミングノートPCを選択するというのは実に合理的であり、仕事にも遊びにも使える万能性を求めるなら、ぜひ各社の14型ゲーミングノートPCを検討すべきなのである。

MSIの14型ゲーミングノート「GS43VR 7RE Phantom Pro(003JP)」は、重量1.8kgで6時間以上のバッテリー駆動時間を実現している
重量2.1kgと若干MSIのモデルより重くなるが、G-Tune NEXTGEAR-NOTE i4400も携行性を意識して製造されたモデルだ。

[撮影協力:mouse computer秋葉原ダイレクトショップソフマップAKIBA②号店 パソコン総合館]