ゲーミングノートPCの選び方

勝ちたいなら高リフレッシュレート液晶搭載ゲーミングノートPCを選ぼう

 快適にゲームをプレイするためには、破綻のない滑らかな画面表示が不可欠だ。

 CPUやGPUが十分な性能を備えていれば、それなりに滑らかな表示でゲームを楽しむことはできる。だが、より上質な「滑らかさ」を求めるなら、ディスプレイのスペックにも注目して欲しい。

 特にFPSやTPSなどのゲームの場合、表示の善し悪しが有利不利に直結する場合もある。ゲームで勝ちたいならこだわるべきポイントといえるのだ。

 そこで、今回はディスプレイの「滑らかな表示」を左右する要素である、「高リフレッシュレート」と「G-Sync」について紹介しよう。

描画のブレを抑えて視認性を高める「高リフレッシュレートディスプレイ」

120Hzや144Hz表示に対応した液晶ディスプレイ搭載している場合、製品のウリとしてアピールされているので、ポップやスペック表を注目してもらいたい

 ゲーミングノートPCが搭載するディスプレイのスペックで注目したい要素のひとつが「リフレッシュレート」だ。

 これは1秒間に何回画面を書き換えるのかを示すスペックで、一般的なノートPCの多くは60Hz(1秒間に60回)となっているのだが、一部のゲーミングノートPCには120Hzや144Hzというリフレッシュレートが高いディスプレイが採用されている。

 1秒間により細かく画面を書き換えれば、動きのあるシーンでより滑らかな描画を得られるようになる。また、描画フレームレートが高く、かつ液晶ディスプレイのリフレッシュレートも高ければ、FPSなどで視点を移動した際などの映像のブレが減り、動いている物に対しての視認性も高まるので、有利にゲームを進めることもできる。

 なお、実際のゲームでこの恩恵を得るためには、リフレッシュレートと同等以上のフレームレートで画面を描画する必要があるため、高リフレッシュレートディスプレイは主にハイエンドクラスのゲーミングノートに搭載されている。FPSやTPSのように視点移動が多いゲームをよくプレイするのであれば、ぜひとも注目したい要素である。

高リフレッシュレート対応のディスプレイを使用する場合は、設定をしっかりと選ぼう。
ゲーム以外でもこの滑らかさが活きる場面もあり、わかりやすいところではマウスカーソルの軌跡がなめらかになる。

カクつきを抑えて滑らかな表示を実現する「G-Sync」

G-Sync対応製品では、NVIDIAのコントロールパネルにG-Syncの設定項目が表示される。
G-Syncのロゴマーク。

 「G-Sync」は、NVIDIA製のGPUと対応ディスプレイの組み合わせで利用できるディスプレイ同期技術だ。GPUとディスプレイの同期が乱れると描画が乱れることがあるので、よりよい表示品質を得たいなら気にしたい部分だ。

 かなり掻い摘んで説明するが、GPUが描画した画面のフレームレートがディスプレイのリフレッシュレートを上回った際に、「テアリング」と呼ばれる画面の乱れが発生することがある。

 こうした問題を解消する機能として、一般的なディスプレイ同期技術である「垂直同期(VSync)」という機能があるが、同期の基準がディスプレイ側となるため、60Hzや30Hzといった切りの良い数値でしか同期させることができず(ゲーム側のフレームレートを常時60fpsや30fpsを維持する必要がある)、常に描画フレームレートがかわるゲームとは相性があまり良くない。

 これに対し、G-SyncはGPUが描画したフレームレートを基準値とし、ディスプレイ側のリフレッシュレートを一定の範囲で可変させて同期させる機能だ。NVIDIAによると、i(※個々ディスプレイの上限値による)とされており、描画フレームレートが変動しやすいゲームと非常に相性が良い。

 また、「垂直同期」などを利用した際、リフレッシュレートの数値を描画フレームレートが下回ると描画のカクつきが発生するが、G-Sync対応ディスプレイであればそうした表示のカクつきを抑制することもできる。描画フレームレートが落ちた際のカクつきは一般的なディスプレイでは対処できないので、60fps維持が難しい高負荷なゲームなどを遊ぶ際にもG-Syncは効果的だ。

 画面の乱れやカクつきが少ない滑らかな表示品質を得たいのなら、積極的にG-Sync対応モデルを選択したい。

滑らかさにこだわるならどちらかは欲しい「高リフレッシュレート」と「G-Sync」

 高リフレッシュレートディスプレイもG-Syncも「滑らかな表示」を得るための技術だが、高リフレッシュレートディスプレイが1秒間に描画する画面の数を増やすことで滑らかな描画を実現する一方、G-SyncはディスプレイとGPU描画の同期ずれによって生じるカクつきを抑えて滑らかな描画を実現するというものだ。

 この2つの技術は大変相性がよく、両方の技術に対応しているゲーミングノートであれば、様々なゲームを滑らかな表示で楽しむことができるだろう。また、G-SyncはハイエンドGPUでも60fpsの維持が困難な4kディスプレイ(3,840×2,160ドット)との相性も良く、この組み合わせなら「高精細」と「滑らかさ」という2要素をカバーすることも可能だ。

 どちらか一方の技術を選ばなければならないなら、視点移動の激しいスポーティーなゲームには「高リフレッシュレート」、高解像度やグラフィックの品質を重視するゲームなら「G-Sync」といった具合で選ぶのがおすすめだ。

Acer Predator Triton 700はG-Sync対応かつ120Hz駆動に対応したフルHDディスプレイを搭載。滑らかさを追求するユーザーには理想的なディスプレイだ
MSI GS63VR 7RG Stealth Pro(201JP)は120Hz駆動のフルHDディスプレイを搭載。GeForce GTX 1070を搭載した高性能モデルなので、描画品質を調整すれば多くのゲームで120fpsを維持することも可能だろう
G-Tune NEXTGEAR-NOTE i71120シリーズはG-Syncに対応した4kディスプレイを搭載。4k解像度で60fpsを維持するのはハイエンドGPUでも難しいが、多少フレームレートが落ちてもG-Syncによって滑らかな表示品質が得られる

[撮影協力:ツクモパソコン本店ソフマップAKIBA②号店 パソコン総合館G-Tune:Garage]