ゲーミングノートPCの選び方

高コスパなゲーミングノートPCを選ぶなら、16万円前後が一番美味しい!

 現在、ゲーミングノートPCは多数のモデルが発売されており、デスクトップPCに遜色なくゲームが楽しめるモデルも存在する。

 大手メーカーからは様々なモデルが投入されており、秋葉原のPCショップでも多数デモ機が並んでいる。大きな買い物となるので、実際に製品を確かめてから購入したいユーザーも多いと思われるが、いざ店頭へ行くと種類の多さに戸惑うのではないだろうか。

 そこで、今回から数回にわたり、ゲーミングノートPCの選び方を紹介していく。用途に合わせ最低限抑えておきたいポイントを紹介するので、購入時の参考にしてもらえれば幸いだ。

 第一回となる今回のテーマは「高コスパなゲーミングノートPC」。コストパフォーマンスにフォーカスしたゲーミングノートPC選びのポイントを紹介しよう。

今なら15~16万円前後のモデルがお買い得、性能は中の上あたりが高コスパ

エントリー機であれば、ゲーミングノートPCは11万円前後から購入できる。
性能を求めるユーザー向けにハイエンドモデルも増えており、40万円前後の高級ゲーミングノートPCも今や珍しくない。

 結論から言うと、2017年の冬の時点で、ゲームをしっかり楽しめてコスパにも優れたゲーミングノートを選ぶなら、15~16万円前後のモデルがおすすめだ。

 現在、このラインの製品は性能的には中の上あたりに位置するモデルが多く、普及モデルとして戦略的な価格になっていることも多い。

 また、PCゲームは発売される時期に流通している製品の性能をターゲットに作られていることが多いので、中の上あたりのモデルを選んでおくと、その時発売されているゲームがそこそこ高画質で遊べるスペックとなる傾向がある。

 価格のイメージはだいたい掴んでもらえたと思うが、このラインの製品でも、割安割高とモデルごとに見るべきポイントはある。ここからはスペック面で見るべきポイントを項目ごとに紹介しよう。特に気にしなければならいのは、GPU、CPU、メモリ、ストレージの4点だ。

今ならGeForce GTX 1060 + Core i7-7700HQ搭載モデルが美味しい処理性能を左右する「GPU」と「CPU」

 ゲーミングノートPCで特に処理性能に影響するはGPUとCPUだ。ゲーム画面の描画を行うGPUは、ゲーミングノートの処理性能を決定づける最重要パーツと言っても過言ではない。

 コスパを重視してゲーミングノートPCを選ぶとき、今おすすめなのはNVIDIAの「GeForce GTX 1060」。

 GeForce GTX 1060は、一般的な家庭用ゲーム機を凌駕する性能を持っており、より高画質で滑らかな映像でゲームを楽しむことができる。また、下位モデルのGeForce GTX 1050/1050 Tiの1.6~2倍近い規模のGPUコアでありながら価格差は小さく、コストパフォーマンスという点では特に優秀なGPUだ。

コスパ重視なら選ぶべきなのは「GeForce GTX 1060」搭載モデルだ。搭載GPUは製品ポップなどにかならず記載されているので、しっかり確認しよう。

 CPUだが、現在店頭などに流通している大多数のゲーミングノートPCが「Core i7-7700HQ」を搭載していることもあり、選択肢はCore i7-7700HQ搭載モデル一択ともいえる状況になっている。

 Core i7-7700HQは2.8GHzのモバイル向けの4コア8スレッドCPUで、Turbo Boost動作時は最大で3.8GHzで動作する。しっかり冷却すればデスクトップPCに近い性能も発揮可能だ。

 かつては「ゲームではCPUのマルチスレッド性能は不要」と言われた時期もあったが、マルチコアCPUが普及して久しい現在では、複数のCPUコアを同時に使用して処理を行うゲームも増えており、ゲーミングノートも4コア以上のCPUを備えていることが望ましい。

 何か理由があれば別だが、コストパフォーマンスを重視した場合、あえて下位CPUを選んだり、料金追加してを上位CPU選ぶメリットはそれほど大きくない。

CPUはCore i7-7700HQ搭載モデルがおすすめ。Core i7-7700HQ + GeForce GTX 1060の構成が鉄板になっている。

ゲームを快適に遊ぶならメモリは8GB以上、SSDは240GB以上あたりが目安

 GPUとCPU以外ではメモリ容量とストレージ容量にも気をつけたい。

 まず、メモリの容量については8GB以上を選びたい。現在のゲームでは必須メモリ容量として4GBを要求するタイトルも少なくなく、8GBを推奨しているものも珍しくない。

 メモリは足りなくなると極端にパフォーマンスが落ちたり、ゲームが動作しなくなったりするので、注意が必要だ。

ニーア オートマタをプレイしている際のメモリ使用量。使用量は5GBを超えており、ゲームをするなら最低8GB以上はメモリを積んでおきたい。
ゲーミングノートPCはSO-DIMM対応のモデルが多く、購入時に容量のカスタムが可能なモデルが多い。

 ストレージに関してはSSD搭載モデルを選んで欲しい。よほどのことが無い限り、快適性の面でHDDしか搭載していないモデルは避けた方が良い。最近のゲーミングノートPCはSSD + HDD構成のモデルも多いので、HDDの容量が必要な際はそうしたモデルから選ぶと良いだろう。

 SSDの容量については、240GB以上あたりを目安に選ぶと良いだろう。もちろん、120GB前後のモデルでもゲームは遊べるが、2~3本程度インストールすると容量の空きがほぼ無くなってしまう。

 グラフィックの品質にこだわったゲームであれば、インストールに10GB以上の容量を必要とする場合が多いことと、ゲームやOSのアップデートなどで一定以上の空き容量が必要であることを考えると、やはり240GB以上はあった方が良い。

 ゲームのロード時間には目を瞑るというユーザーは、SSD + HDD構成のHDD側にゲームをインストールして運用する方法もあるが、デスクトップ用のHDDと違い、モバイル用の2.5インチHDDは速度が遅いので、あまりお勧めはしない。

240GB SSDにWindows 10のみをインストールした状態。OSだけで32GB程度消費する。
Destiny2、PUBG、オーバーウォッチをインストールした状態。240GB SSDの半分ほどの容量を使用しているので、120GB SSDだとちょっと苦しい。

Core i7-7700HQ + GeForce GTX 1060で15~16万円前後のモデルが今美味しい!

 ここまで読んでもらえばわかってもらえているだろうが、高コスパなゲーミングノートとして15~16万円前後のモデルをおすすめした理由は、現在お勧めできる構成のCore i7-7700HQ + GeForce GTX 1060に、8GBのメモリと240GB以上のストレージを組み合わせたモデルがこのラインで販売されているからだ。

 これよりも安価なモデルでは、GPUが1グレード下のモデルになったり、ストレージ容量が120GBクラスに減ったりと、ゲームを楽しむための要素が欠けたり、ゲームを楽しむという点ではコスパが悪くなってしまう。

 今回お勧めした価格と構成を基準にみると、そのモデルがどれくらいお得なのか判断しやすいはずなので、ゲーミングノートPCを購入する際の判断材料に使ってもらいたい。

G-Tune MB-T500SN1-EX3。今回のポイントを押さえつつ、メモリ16GBにSSD + HDD構成とコスパに優れたモデルだ。
MSI GP62MVR 7RF Leopard Pro。こちらもSSD + HDD構成のモデルで、今コスパが高いモデルだ。
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[撮影協力:ソフマップAKIBA②号店 パソコン総合館G-Tune:Garageパソコンショップ アーク]