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2000年 リムーバブルメディア群雄割拠 その1
~ ZipやORBなど磁気メディア編 ~
2017年1月23日 00:01
1990年代から2000年始めは、各社から様々なメディアが登場しました。今回は当時、秋葉原の店頭で販売されていたリムーバブルメディアから、磁気ディスクを使用していた製品を紹介します(店名・商品名・価格は当時のもの。すでに閉店しているショップもあります)。
Zip
ZipはアメリカのIomegaが1994年に開発したリムーバブル方式の磁気メディアです。当時としてはドライブやメディアが安価であったため、発売されると瞬く間にヒット商品となりました。当初、ディスク容量は100MBでしたが、その後、1999年に250MB(Zip 250)、2002年に750MB(Zip 750)という新モデルが発売されています。PCとの接続インターフェイスは主にSCSIやパラレル(プリンタ)ポートでした。
また、Iomegaからは「Jaz」というリムーバブルハードディスクも発売されていました。こちらはZipよりも高速で容量も最大2GBと大きかったのですが、ドライブが8万円、2GBメディアが2万円(どちらも1998年ころの価格)と高価だったこともあり、PCパーツショップでの扱い店舗は少なかったようです。
ORB
ORBはアメリカのCASTLEWOOD SYSTEMSが開発したリムーバブルHDDです。ORBの創設者で社長のSyed Iftikar氏は、1980年代にリムーバブルHDDで高いシェアを持っていた「SyQuest」社の創設者でもありました。内部の構造やパーツはハードディスクと同じで、ディスク部分がカートリッジとなっています。容量は2.2GBでしたが、価格は5千円程度と他のリムーバブルHDDと比べると安価でした。
SuperDisk・HiFD・UHD 144
SuperDisk、HiFD、UHD 144は、1990~2000年前後に登場したフロッピーディスク(FD)と互換を持ちながらも、大容量メディアが使用できるハイブリッドなドライブです。専用メディアを使うことで、SuperDiskは120MB(後に240MB対応ドライブが発売)、HiFDは200MB、UHD 144は144MBのデータを記録することができました。
当時のPCには必ずといって良いほど搭載されていたフロッピーディスクドライブ(FDD)からの置き換えを目指していましたが、FDDより価格が高かったことや、FDDがPCに必須では無くなったことで互換であるメリットが薄れ、さらに当時大きなデータのやりとりにはCD-RやMOが使われていたことから普及することはありませんでした。
なお、FDD互換ドライブの中にはOSからの操作でメディアの取り出しができるものがあり、これは自作PC市場においては好評でした。