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フォートナイトも快適!10万円台前半で購入できるMSIのゲーミングノート「GF75 Thin」

MSI製ゲーミングノートPC一挙紹介、エントリーモデル「GFシリーズ」編 text by 石川ひさよし

MSI GF75 Thin(GF75-8RD-031JP)

 今回紹介するMSI製ゲーミングノートPCの「GFシリーズ」は、国内で展開されているMSI製ゲーミングノートPCではエントリークラスに位置するモデルだ。

 価格帯も税込みで12~14万円前後をカバーする手頃なラインに投入されており、これからPCゲームの世界に入ろうというユーザーに適している。CPUやGPUの違いなどで複数バリエーションが投入されているが、CPUは6コアのCore i7シリーズを採用するモデルが多く、エントリーといえど性能的にはあなどれない。

 エントリークラスのゲーミングノートがどれほどの性能を秘めているのか、MSIの「GFシリーズ」の中から「GF75 Thin(GF75-8RD-031JP)」を例に見ていこう。

10万円台前半で購入できる、エントリーゲーミングのノート「GFシリーズ」

 エントリークラスのゲーミングノートであるMSI GFシリーズは、世代交代のタイミングということもあり多くのモデルが流通している。まずは製品のポジションと搭載CPU/GPUをチェックしておこう。

 MSIのゲーミングノートPCは、ウルトラハイエンドの「GTシリーズ」を頂点とし、その直下に薄型高性能の「GSシリーズ」と、ハイパフォーマンスモデルの「GEシリーズ」が上位モデルとしてラインナップされており、ミドルクラスの「GP/GLシリーズ」、そして今回のエントリークラス「GFシリーズ」といった位置づけになっている。

 GFシリーズはCore i7モデルとCore i5モデルがあり、多くモデルは6コアのCore i7が搭載されている。GPUはGeForce GTX 1650/1650 Max-Qデザイン、GeFoece GTX 1050 Ti/1050 Ti Max-Qデザイン、GeFoce GTX 1050といったあたりのモデルが搭載されているが、最新のGeForce GTX 1650/1650 Max-Qデザイン搭載モデルに移行しつつある。

スリムで美しいデザインのエントリーゲーマー向けモデル「GF75 Thin」

 今回取り上げているMSIの「GFシリーズ」だが、その中から17.3インチ/スリムタイプの「GF75 Thin」を例にMSIのエントリークラスゲーミングノートの特徴を見ていく。まずは外観からチェックしていこう。

 GFシリーズは、搭載するGPUが発熱が大きいものではないこともあり、冷却機構もその分小型のもので対応することができる。上位の薄型モデル「GSシリーズ」に次ぐスリムな筐体を採用しており、「GF75 Thin」であれば最厚部分でも2.31cmと、ゲーミングノートとしては薄型な部分も特徴になっている。

GFシリーズは狭額縁パネルを採用し、本体サイズのコンパクト化も実現している。
ゲーミングノートでありながらスリムなボディで可搬性に優れる。

 ディスプレイは、ほかのMSI製ゲーミングノート同様に狭額縁ベゼルを採用。一昔前のPCと比べると同じディスプレイサイズでもワンサイズ小さい筐体となっている。

 また、ACアダプタが小さく、モバイルしやすいところもポイントに挙げられる。発熱量が小さいGPUを採用するGFシリーズはPC全体の消費電力も低く抑えられており、これまで紹介してきた上位モデルと比べると小型のACアダプタで動作可能になっている。

GFシリーズも他のMSI製ゲーミングノートと同じく狭額縁ベゼルの液晶ディスプレイを採用している。
狭額縁ディスプレイを搭載することで、17.3インチディスプレイであれば本体サイズは一昔前の15インチ程度のサイズに収められている。
薄型なこともあり見た目の印象はゲーミングPC的な重々しさが無い。
付属のACアダプタは135Wで、持ち運びできる小型なものが付属している。

 フラットな天板にはヘアライン風加工が施してあり、「普通のノートPC」感があるデザインだ。ヘアライン風加工はパームレスト面や底面なども同様で、徹底されている。持ち運ぶという視点で見ると、ヘアライン風加工の美しいデザイン、スリムな筐体といった点は魅力を増してくる。

 逆に外観でゲーミングノートらしい部分を挙げるなら、外部GPU搭載モデルらしい多数の給気口を備えた底面デザインや、赤に固定されたキーボードバックライトといったあたりだろう。

モバイルノートPCのようなシックなデザインの天板。
ヘラライン風加工で見た目もゲーミングノートPCらしさを感じさせない。
背面側には多数の吸気口が設けられており、こうした部分はゲーミングノートらしい。
ヒンジ部分はドロップダウン式のデザインを採用しており、ディスプレイをあけた際にキーボードに緩やかな傾斜がつけられるほか、吸気口周りの空間確保にも役立っている。

 GFシリーズは、CPUはIntelのCore i5/i7を、GPUはGeForce GTX 1650系/1050系と末尾50番のモデルが搭載されている。

 今回取り上げているMSI GF75 Thin(GF75-8RD-031JP)であれば、CPUにCore i7-8750H、GPUにGeForce GTX 1050 Ti with Max-Qデザインを採用したモデルになる。CPUは6コア12スレッドなので不足を感じることはまずないだろうが、よりゲーミング性能を求めるなら、GPUはGeForce GTX 1650系GPUを搭載したモデルを選ぶと良いだろう。

GF75-8RD-031JPの搭載CPUはIntel Core i7-8750H。6コア12スレッドでターボ時は4.1GHzに達する。
GF75-8RD-031JPの搭載GPUはNVIDIA GeForce GTX 1050 Ti with Max-Qデザイン。なお、GeForce GTX 1650系のコアを搭載したモデルもある。

 MSIのゲーミングノートは、CPUとGPUの性能を引出すため、独自の冷却機構「Cooler Boost」が採用されている。本体の筐体サイズや搭載CPU/GPUなどに合わせて適したデザインのクーラーが搭載されている。

 GF75 Thin(GF75-8RD-031JP)であれば、4本のヒートパイプと2基のファンで構成された「Cooler Boost 3」が搭載されており、CPUとGPUの性能を引出す冷却性能を確保している。

4本のヒートパイプと2基のファンで構成された「Cooler Boost 3」を搭載。
液晶の下側と側面に排気口を備えている。
背面側からは冷却機構の一部を見ることができる。

 搭載インターフェースは、HDMI出力×1、Thunderbolt 3/USB 3.2 Gen2 Type-C×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、ヘッドホン出力、マイク入力などを備えている。ネットワーク機能は、無線側がIntel Wireless-AC 9462(IEEE802.11 a/b/g/n/ac+Bluetooth 5)、有線側は1GbEのRealtek RTL8111H。

 キーボードは赤色LEDバックライトを搭載しているほか、ゲームプレイ中の誤操作を防ぐためにWindowsキーを右下側に移動するなど、一部配列がカスタマイズされている。

本体右側面。有線LAN×1、Thunderbolt 3/USB 3.2 Gen2 Type-C×1、USB 3.2 Gen1×1、ヘッドホン出力×1、マイク入力×1などを備える。
左側面にはHDMI×1、USB 3.2 Gen1×2が搭載されている。
キーボード面もヘアライン風加工が施されている。赤色のバックライトを搭載し、Windowsキーが誤操作しづらいところに移設されているあたりがゲーミングノートPCらしい。
タッチパッドも操作のしやすい大きいものになっている。

 搭載ストレージ構成はモデルにより異なるが、今回取り上げているGF75 Thin(GF75-8RD-031JP)には、Cドライブに256GBのM.2 NVMe SSD、Dドライブに1TBの2.5インチSATA HDDが搭載されている。

 サウンド機能は、ソフトウェアユーティリティの「Nahimic 3」に対応し、音質の調整などが行える。

Cドライブ側はM.2 NVMe SSDを搭載。
Dドライブは1TBの2.5インチSATA HDDを搭載している。
サウンドは「Nahimic 3」対応。ゲーム用や音楽鑑賞用など、利用シーンに合わせて音質を調整できる。
マイク入力のノイズ補正などの機能も利用できる。
GF75 Thinシリーズ
モデルGF75-8RD-031JPGF75-9SC-062JP
CPUCore i7-8750HCore i7-9750H
GPUGeForce GTX 1050 Ti Max-Qデザイン 4GB GDDR5GeForce GTX 1650 4GB GDDR5
メモリDDR4 16GB(8GB×2)
ストレージ256GB NVMe SSD + 1TB HDD
有線LANRealtek RTL8111H
無線LANIntel Wireless-AC 9462Intel Wireless-AC 9560
搭載インターフェイスThunderbolt 3/USB 3.2 Gen2 Type-C×1、HDMI×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、ヘッドホン×1、マイク×1
キーボードバックライト内蔵日本語キーボード
ディスプレイ17.3インチ/1,920×1,080ドット/ノングレア/60Hz
OSWindows 10 Home 64bit
本体サイズ397×260×22~23.1mm
重量2.2Kg
製品保証1年間グローバル保証、2年間国内保証、3年間修理保証、1年間ACアダプタ/バッテリ保証

ゲームはもちろん、モバイルシーンでの高性能を求めるニーズにも最適カジュアルなゲームやビジネス用途でも活躍するエントリークラスの「GFシリーズ」

 GF75 Thinシリーズは、ゲームでターゲットとされるパフォーマンスは、流行のオンラインゲームなどが中画質程度で快適に遊べるあたりとされている。ゲーム目的で購入する場合、がっつりゲームを遊ぶのか、カジュアルに遊ぶのかでGFシリーズを選ぶべきか判断すると良いだろう。

 普段も使えるモバイルノートとして見れば、単体GPUを搭載している分パフォーマンスが高く、メインストリームノートPCよりも高い性能が得られる。バッテリー駆動時間に関しても、今回紹介しているGF75 Thin(GF75-8RD-031JP)で公称約7時間(JEITA 2.0)。外に持ち出してちょっとした資料を作ったりするのには十分な性能だ。

 ゲームも軽く遊ぶし、仕事や勉強にも使いたいといったユーザーが初めて購入するモデルとしては、GFシリーズは適したモデルだ。GFシリーズを使い込んでみて、自分がゲームをがっちり遊ぶタイプなのであればGP/GEシリーズを、モバイルでの用途が多いのであればGSシリーズといったように、自分が将来選ぶ方向性を意識させてくれるモデルともいえるだろう。

中画質ならフォートナイトも150fpsで遊べるカジュアルにゲームを楽しむなら「GFシリーズ」

フォートナイトでMSI GF75 Thinの性能をテスト。

 最後に、フォートナイト(Fortnite)を使ってGF75 Thin(GF75-8RD-031JP)の実パフォーマンスをチェックしよう。

 搭載しているGPUのGeForce GTX 1050 Ti Max-Qデザインがターゲットにしているのは、比較的処理が軽めのeスポーツタイトル。このあたりのゲームが快適に遊べれば想定通りといったところだろう。

 フォートナイトには画面設定グラフィッククオリティに「クオリティプリセット」があるので、ここの各設定を変更してフレームレートを調べてみた。なお、DirectX 11と12が選べるが、基本的にはDirectX 11のほうが軽量なのでこれを選択している。

中画質であれば150fps前後で遊ぶことができうるので、カジュアルに遊ぶのであれば全く不満はない。
フレームレート的には余力があるので、中画質設定をベースにここの画質設定を上げるのも良いだろう。

 上記がフルHD解像度で画質設定を変えた際の性能だが、最高画質は30fps強にとどまり、快適なラインの60fpsにはやや遠い。高画質では54.83fpsが得られており、60fpsに近づいてこのあたりなら普段のプレイには問題ないだろう。画質を中まで落とせば153.93fpsまで一気に上がる。

 本製品の液晶ディスプレイは60Hzのパネルなので、V-SyncをONにしたり、あるいはこの中画質設定をベースに、いくつかのオプションを引き上げて画質の向上とどんな状況でも60fpsを割り込まない設定をを狙っていくのがよいかもしれない。

 なお、先でも述べているとおり、GFシリーズで登場が新しいモデルはGeForce GTX 1650/GeForce GTX 1650 Max-Qデザインを搭載している。世代が一つ上の分パフォーマンスも向上しているので、ここで紹介したフレームレートよりも高い性能が得られるはずだ。

MSIの5つのゲーミングノートPCシリーズから最適な一台を選びたい

 ここまでMSIのゲーミングノートPCから5つのシリーズを取り寄せ、それぞれのシリーズの製品のコンセプトや、パフォーマンスを紹介してきた。

 それぞれのシリーズ内にもスペックの異なるモデルがいくつかあり、モデルによっては上下の幅が大きいものもあるが、実性能は各記事のゲームの検証結果からイメージしてもらえれば幸いだ。

 ゲーミングノートとひとくくりにされがちだが、用途やターゲットとするゲームによって個々のモデルには個性が持たされており、使い勝手なども異なる。購入の際にはぜひ自分の用途に合ったベストなゲーミングノートPCを選んでもらいたい。

[制作協力:MSI]