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ハイエンドな性能を持ち運びたい、シックなデザインの薄型ゲーミングノート「MSI GS65 Stealth」

MSI製ゲーミングノートPC一挙紹介 薄型/高性能「GSシリーズ」編 text by 石川ひさよし

MSI GS65 Stealth(GS65-9SG-468JP)

 今回紹介するMSI製ゲーミングノートPCの「GSシリーズ」は、持ち運びやすさにフォーカスされたモデルだ。

 軽くて薄い筐体を採用しつつも、性能はハイエンドクラスと“良いとこ取り”な仕様になっており、持ち運んで様々な場所で高性能なPCを使用したいユーザーには最適なモデルといえるだろう。

 15.6インチモデルの「GS65 Stealth」を例に、MSIの「GSシリーズ」ならではの特長をチェックしてみよう。

“高性能”を持ち運びやすいサイズと重量感にまとめた「GSシリーズ」

 GSシリーズは持ち運びやすいサイズ感、重量感というところがポイントになる製品だ。

 大きく分けると17.3インチモデルの「GS75 Stealth」と15.6インチモデルの「GS65 Stealth」があり、今回取り上げているのは後者の「GS65 Stealth」だ。それぞれGPUの違いなどで複数モデルがラインナップされており、「GS65 Stealth」の中でも最上位となる「GS65-9SG-468JP」を例に特長を紹介していこう。

 ゲーミングPCというと派手なデザインやカラフルなイルミネーションが印象的だが、GSシリーズは外観に関しては落ち着いたデザインを採用しており、天板などはビジネスノートを思わせるようなデザインになっている。このあたりはモバイルでの使用も想定してシーンを選ばず使えるように配慮したものになっている。

狭い額縁の液晶パネルを採用することで、ワンサイズ小型化が図られている。GSシリーズのパネルは240Hz対応/フルHD。
左右のベゼルはかなり狭め。上部も可能な限りベゼルは狭められている。
なんと言っても“ゲーミングノートなのに薄い”というのがGSシリーズ最大の特徴だ。
天板を閉じた状態でもゲーミングノートとしてはかなり薄い。
ぱっと見のデザインは落ち着いており、ゲーミングを強調しないのがGSシリーズの特徴。
濃い目のガンメタリックにエンブレムやサイドのラインはゴールド。フラットな天板も合わせ、一見してゲーミングノートには見えない。

 「GS65 Stealth(GS65-9SG-468JP)」を例に見ると、サイズ感という点では、最近人気の狭額縁の液晶パネルに採用することで、15.6インチパネル搭載モデルながら、従来の14インチノートPC程度の大きさに収めている。狭額縁パネルは閉塞感を感じにくいので、画面情報へ集中しやすい。ゲームに真剣に向き合いたいならこうした部分もポイントになる。

 本体サイズは357.7×247.7×17.9mm。厚みも2cmを大きく下回っており、ゲーミングPCらしからぬ薄さを実現している。こうしたコンパクトさは持ち運ぶ際の利便性を高め、15.6インチ対応バッグなら十分な余裕があり、少しゆとりのある14インチ対応バッグにも収まる可能性が高まる。

A4のDOS/V POWER REPORTと比べるとサイズ感はこのとおり。
この程度の大きさであれば持ち運ぶ際の鞄の自由度も高い。
重量の実測値は1,947gだった。ゲーミングノートPCで2kgを切ってくるモデルはかなり軽量だ。
付属のACアダプタも薄型タイプで携帯しやすい。出力は230W。

 重量感という点では、約1.9kgという2kgを切ることに成功しているところがポイントだ。約2kgという重量は、一昔前のモバイルノートPCでは一般的な重量だった。一般的なゲーミングノートPCなら2~3kg前後で普通といった重量感なので、それらと比べると圧倒的な軽さを感じられる。

 本体の性能をフルに使えるわけではないが、バッテリー動作時の稼働時間は6時間程度(JEITA 2.0)を確保している。ビジネス向けのノートPCとして使用した際のの参考値になる部分だが、出張や訪問などで外出した際に事務作業を簡単に行う程度であれば問題になることはない。

CPUはIntel Core i7-9750H
GPUはNVIDIA GeForce RTX 2080 with Max-Q Design

 パフォーマンス面を見ると、「GS65 Stealth(GS65-9SG-468JP)」は、CPUにCore i7-9750H、GPUにGeForce RTX 2080 with Max-Q Designを搭載している。

 Core i7-9750Hは6コア12スレッドのCPUで、ゲーミングに求められるコア数を余裕で満たし、GeForce RTX 2080 with Max-Q Designはラップトップ向けに発熱・消費電力を抑えつつMax-Q Designの付かない無印とほぼ同等のパフォーマンスを実現するよう設定された特別なGPUだ。GSシリーズが薄型といっても性能面に妥協はない。

左側面にLAN、USB×2、オーディオ入出力を備えている。
右側面にUSB×1、Thunderbolt 3×1、Mini DisplayPort、HDMI、ACアダプタ用ジャックを搭載。

 インターフェースはHDMI、Mini DisplayPort、USB 3.1に加え、Thunderbolt 3も搭載している。ビジネス、とくにCG/映像系業種ではThunderbolt 3機器を利用することも多いのでここがポイントになるだろう。

 キーボードはすべてのキーが個別にRGB LEDバックライトを搭載する「Per-Key」仕様。もちろん全部のキーを同色に発光させたり、特定のキーだけを発光させたり、アニメーション発光させたりといろいろとカスタマイズ可能だ。

キーボードはPer-Key RGB LED仕様。キーピッチも主要なキーが19mm確保されており、窮屈さがない
タッチパッドもワイド仕様でモバイル時の操作もしやすい

 若干TDPを抑えたCPU&GPUを搭載しているとはいえ、スリムなボディにこれらを確実に冷やす冷却機構を搭載することは簡単ではない。

 GSシリーズには特別な冷却機構「Cooler Boost Trinity+」が搭載されている。CPUとGPUの熱は6本のヒートパイプが本体左右のヒートシンクへと導き、計3基のファンで冷却される。ファンも肉厚を0.2mmとしたブレードで密度を高め、薄いながらも風量を確保するなどメカニカル部分にも見るものがある製品だ。

GSシリーズ用にカスタマイズされたクーラー「Cooler Boost Trinity+」。
GS65 Stealthシリーズ
モデルGS65-9SG-468JPGS65-9SF-469JPGS65-9SE-475JP
CPUCore i7-9750H(2.6GHz・ブースト4.5GHz)/ 6コア12スレッド)
GPUGeForce RTX 2080 Max-Q デザイン 8GB GDDR6GeForce RTX 2070 Max-Q デザイン 8GB GDDR6GeForce RTX 2060 6GB GDDR6
メモリDDR4 16GB(8GB×2)
ストレージ512GB NVMe SSD
有線LANKiller E2500 GBLAN+Killer Shield
無線LANKiller Wireless-AC 1550i
搭載インターフェイスThunderbolt 3×1、HDMI×1、Mini DisplayPort×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、ヘッドホン×1、マイク×1
キーボードSteelSeries Per-Key RGB日本語キーボード
ディスプレイ15.6インチ/1,920×1,080ドット/ノングレア/240Hz
OSWindows 10 Hpne 64bit
本体サイズ357.7×247.7×17.9mm
重量1.9Kg
製品保証1年間グローバル保証、2年間修理保証、3年間ACアダプタ/バッテリ保証

持ち運びたくなるハイパフォーマンスな薄型ゲーミングノート、シックなデザインも魅力

据え置きならどのようなシーンにも溶け込み、モバイルでも薄さ軽さに加えて高いパフォーマンスが生産性を引き上げる。モバイルワークステーション的な使い方にも向いているだろう。

 GSシリーズは、ゲーミングノートPCを持ち運ぶことを想定するユーザーに特にオススメの製品だ。派手なゲーミングモデルは苦手といった、デザイン面が理由でゲーミングノートPCを敬遠していたユーザーにも良い選択肢になる。

 GSシリーズならデザインが普通のガンメタノートといったシックな印象なので、公私含め利用シーンを問わず使いやすい。モバイルに特化した1kg前後の軽量ビジネス向けモデルと比べれば重いが、圧倒的なスペックにもかかわらず一般的なビジネスノートPCとして持ち運べる重量感なのは大きなポイントだろう。

 もっとも、このあたりの感覚は文字で書いても伝わりにくいかもしれない。MSIのゲーミングノートPCは地方のDIYショップ、量販店でも展示・取り扱いが増えているので、できればそうしたところに足を運んで実機に触れてみていただきたい。ゲーミングノートPCだとイメージしたまま触れると、その軽さと薄さにちょっと感動できるはずだ。

 さて、ここまでGSシリーズの良い部分を中心に紹介したが、最後に実パフォーマンスの一例を見せておきたい。薄型筐体は廃熱面で不利な部分があるので、設計が良くなければ思いのほかパフォーマンスが出ないといったこともありえる。

 GSシリーズが薄型にもかかわらずハイエンドクラスの性能を発揮できるのが、「Battlefield V」を使って重量級の大作が遊べる性能を持っているのか見てみよう。

最新世代グラフィックスが楽しめるスリムノート、リアルタイムレイトレーシング有効でも快適

「Battlefield V」を使ってパフォーマンスをチェック。

 「GS65 Stealth(GS65-9SG-468JP)」の実性能を見るべく、人気のFPSタイトル「Battlefield V」を使い、リアルタイムレイトレーシングを含めて、各種画質設定におけるフレームレートを計測してみた。

 解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)に固定し、DirectX 12/リアルタイムレイトレーシング有効、DirectX 12、DirectX 11と画質設定を変えてテストは行った。

リアルタイムレイトレーシングを利用しない場合は60fpsを大きく超える状態で遊ぶことができる。
薄型モデルでここまで性能が出るのは触っていて心地よいものだ。

 DirectX 12でリアルタイムレイトレーシングONの場合、、最高画質や高画質は60fpsを少々割り込んでいるものの映像の滑らかさはギリギリ大丈夫といったところ。この設定でも中画質まで落とせば十分なフレームレートが得られる。

 また、リアルタイムレイトレーシングを利用しないDirectX 12でのフレームレートは最高画質でも90fpsに達しており、美玲なグラフィックスと滑らかな映像を楽しめる。なぜかDirectX 11が同12よりも低いフレームレートとなっているが、これも60fps超を満たしているので問題はない。

 Battlefield Vは現状まだGPU負荷が重めのタイトルだが、このように各種設定で十分に楽しめるフレームレートが得られている。パフォーマンスに不足なしが証明されたと言ってよいだろう。

次回はMSIの正統派ゲーミングノート「GE」シリーズを紹介

場所を問わずハイパフォーマンスを持ち歩ける「GSシリーズ」。仕事にゲームに創作活動にと、用途を選ばず何でもこなせる万能な面も魅力だ。

 今回はMSI製ゲーミングノートPCのなかでもユニークと言えるGSシリーズを紹介した。設計やデザイン面の分、少し高価なモデルではあるが、折り紙付きのパフォーマンスをシーンを問わず持ち運べるといったところは理解してもらえたのではないだろうか。高性能かつ持ち運べるモデルを探しているユーザーは、是非「GSシリーズ」を有力候補として考えてもらいたい。

 MSI製ゲーミングノートPCにはもう一つのハイエンドセグメントのシリーズがある。それが「GEシリーズ」だ。次回はMSIの正統派ゲーミングノート`PCとも言える「GEシリーズ」の特長を紹介しよう。

[制作協力:MSI]