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アキバの2014年10大ニュース投票結果発表

首位は「Windows XPのサポート期間が終了、後継OSへの移行進む」

 読者に投票していただいた「アキバの2014年10大ニュース」の結果をここで発表しよう。

 投票受付期間:12月10日~12月19日
 総有効投票数:5,355票(1,242人)

1位は「Windows XPのサポート期間が終了、後継OSへの移行進む」 (494票)

Windows XPのサポート終了の告知
買い替え特需により、一時BTOモデルの供給が間に合わないほどの状況に
Windows XPからの乗り換えはWindows 7 Home Premiumの32bit版が人気
OS移行のための無料冊子配布も実施

 Windows XPが発売されたのは13年前の2001年。その後、Windows Vista(2007年)、Windows 7(2009年)、Windows 8(2012年)と新たな製品が発売されたが、Windows Vistaまでが5年以上の長期間とあって、多くのユーザーがWindows XPに使い慣れ、なかなか後継OSに移行しないという状況が続いていた。

 実際、2010年の本誌読者環境調査の使用OSランキングにおいても、当時の現行OSだったWindows 7を上回り、2世代前のWindows XPがトップとなっている。

 そうした下で、ついに2014年4月、Windows XPに対するMicrosoftの技術サポートが終了。以降、セキュリティ更新プログラムが基本的には提供されず「使い続けるのが危険な状態」になったが、サポート終了については同社が数年前からアナウンスしており、また多くのユーザーがそれを認知していたとあって、秋葉原でも特に混乱は見られなかった。

 一方、2014年2月頃から、多くのショップでWindows 7や搭載PCの売り上げが伸び、在庫切れや品薄になるという現象が見られた。既にWindows 8.1がリリースされていたものの、Windows XPに近いユーザーインターフェイスを持つWindows 7を選ぶユーザーが多かったようで、消費税がアップした4月以降も好調な売れ行きが続いた。

 ちなみに、そのWindows 7も2020年1月にはサポートが終了する。そして、次期OS「Windows 10」についても既にプレビュー版がリリースされており、発売が近付いている。

2位は「“0円Windows”が登場、タブレットや小型PCに採用、実売2万円以下のモデルも」 (450票)

スティック型のWindows 8.1 with Bing搭載PC「m-Stick」
超小型ファンレスPC「LIVA」のWindows 8.1 with Bing搭載モデル
ポケットサイズのWindows 8.1 with Bingt搭載PC「ZBOX P」シリーズ
税込19,980円のWindows 8.1 with Bingt搭載タブレット「Diginnos Tablet」

 Windows 8.1 with Bingは、いわゆる「無印」やProと並ぶWindows 8.1のエディションの1つで、WebブラウザであるInternet Explorerの標準検索エンジンが、Microsoftの「Bing」に設定される代わりに、OSが安く提供されるというもの。当初、同社が「9インチより小型のハードに対してOSを無償提供する」とアナウンスしたのが“0円Windows”と呼ばれるゆえんだ。

 Windows 8.1 with Bingを用いることで、PCやタブレットなどのハードウェアメーカーは、製品の低価格が図れる。ちなみに、無印やProのようなパッケージ版はなく、端末にプリインストールされた形のみで販売される。

 果して、Windows 8.1 with Bingを搭載した安価の製品が続々と発売。Windowsタブレットについては、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」向きなどとして、元々人気が高かったが、実売2万円以下といった格安のWindows 8.1 with Bingタブレットが登場したことで手軽さが増し、裾野が広がった印象だ。

 また、小型PC自作キットにWindows 8.1 with Bingやストレージなどを組み込んだ完成モデルも多く発売され、話題となった。特に、液晶テレビに挿して使う“Windowsスティック”ことマウスコンピューターの「m-Stick」の注目度は非常に高く、12月の発売直後から完売するショップが続出、品薄の状態が続いている。

3位は「8TB HDDがついに発売、2年ぶりに最大容量を更新」 (396票)

世界初の8TB HDD、HGST「HUH728080ALE600」
6TB HDDも投入はHGSTが先行
Western Digitalは6TB HDDの廉価モデルを投入
8TB HDDはSeagateからも発売が予定されている

 3.5インチHDDの最大容量については、2014年2月に、これまでの4TBから6TBへ2年振りに更新、さらに11月に8TBへ更新されている。HDDの容量更新を「革新のタイミング」と捉える向きは多く、6TBの記事約21万1千ページビュー8TBの記事約10万5千ページビューに及ぶなど関心を集めた。

 発売されたHDDはいずれもHGST製で、6TBが「Ultrastar He6」、8TBが「Ultrastar He8」。空気より密度が低いヘリウムを充填することで、大容量化を図るという新技術「HelioSeal」が採用されていたのもトピックだった。

 一方、ライバルメーカーからも5TB/6TB HDDが発売。Ultrastar He6の翌々週に登場した東芝の5TB HDDについては、同社が「ヘリウムHDD以外では業界最大の5TBを実現」(当時)とアピールするなど、対抗心をあらわにしていた。続いて登場したSeagate、Western Digitalの6TB HDDもコストパフォーマンスが高く、3社とも容量ではHGSTに及ばなかったものの、“非ヘリウムHDD”として存在感を示している。

 そして、2015年1月以降に、HGST以外では初となる8TB HDDがSeagateから発売される予定だ。実売8万円弱のHGST製品に対し、Seagate製品はほぼ半値の4万円前後で販売されるとも言われ、注目されている。

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4位以降のランキングは以下のとおり。

順位ニュース/解説
4位
(331票)
新世代のDDR4メモリがついに発売
(1枚で16GBのRegistered/ECC DDR4メモリも流通、対応プラットフォームはLGA2011-v3)
5位
(273票)
Pentium 20周年記念CPUが登場、Pentium向けOC設定を持った対応マザーも
(安価でオーバークロックしやすいことなどから人気に)
6位
(248票)
Intelのデスクトップ向けCPUが一新、「Haswell Refresh」「Devil's Canyon」が登場
(Haswellのマイナーチェンジモデル、Devil's Canyonはグリスに変わり次世代ポリマーTIMを採用)
7位
(244票)
円安でPCパーツが値上がり、今後も値上がり続く?
(年末にかけ一気に円安が進行、多くの製品が値上がり系傾向に)
8位
(233票)
10万円以下の4K液晶ディスプレイが各社から発売、安値品は約6万円から
(各社10万円以下のモデルを投入、高付加価値モデルは4K化が進む)
9位
(200票)
秋葉原ラジオ会館が7月20日に再オープン、全11フロア
(電気街口のランドマーク「秋葉原ラジオ会館」の建て替え完了、仮店舗から再びテナントを集約)
10位
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Crucialの格安SSD「MX100」が発売、新たな定番モデルに
(SSDの低価格化を牽引、人気で一時入手難に)
11位
(189票)
新世代のDDR4メモリに対応した「Haswell-E」が発売、LGA2011-v3ソケット採用
(Intelのハイエンドプラットフォームが一新、ASUSはLGA2011-v3互換の独自ソケット搭載マザーを発売)
12位
(180票)
消費税8%アップで、店頭の価格表示が大混乱、「税込み」「税抜き」混在に
(税込みと税抜きの表示が現在も混在)
13位
(158票)
月額480円で容量無制限のデータ通信向けSIMカードが登場
(NVMOなど安価なデータ通信向けのサービスが本格普及、低価格化も進む)
14位
(157票)
AMDの本命APU「Kaveri」発売、最新GPU「GCN」がついに統合
(最新アーキテクチャ採用のAPU、MantleやFluid Motion Videoなど独自APIを複数サポート)
15位
(134票)
省電力性が向上したハイエンドGPU「GeForce GTX 980/970」が発売、「Maxwell」採用
(低負荷時にファンが止まるセミファンレスモデルがトレンドに)
16位
(131票)
Bay Trail-D対応製品が多数登場、小型PCキットやMini-ITXマザーなど
(小型/低消費電力モデルはBay Trail-Dが席捲、多数の製品が発売される)
17位
(130票)
レトロな同人ハードが人気に、PC-9801の“ピポッ”キットやSASI変換アダプタなど
(懐かしさや保守パーツとして使える点などから話題に)
18位
(117票)
M.2対応製品が発売、実測1,000MB/sの高速なM.2 SSDも販売開始
(対応製品が大幅に増加、1,000Mb/s超えのSAMSUNG製M.2 SSDの店頭販売も開始)
19位
(110票)
フラッシュメモリが大容量化、極小サイズで容量128GBのmicroSDXCカードや1TBのUSBメモリが登場
(小型フラッシュメモリの大容量化進む、USBメモリは大台の1TBに到達)
20位
(109票)
Intelの開発ボード「Galileo」「Edison」が発売、NVIDIAの開発ボードや「Raspberry Pi」の新モデルも登場
(IntelやNVIDIAが純正の開発基板を発売、電子工作向けの製品の選択肢が増加)
21位
(87票)
ゲーム性能を向上させるAMDのゲーム向けAPI「Mantle」が登場
(最大45%性能が向上するというAMDの独自API、バトルフィールド4などで効果を発揮)
22位
(82票)
iPhone 6が発売、一時SIMフリー版は買取り価格が販売価格よりも高い異常事態に
(国外需要などからSIMロックフリーモデルが一時プレミア化、高値で取引される)
23位
(68票)
10年保証のSanDisk製SSD「Extreme PRO」が発売、SSDも長期保証が付加価値に
(品質を重視するユーザーから注目を集める、選択する際の指標として定着化?))
24位
(65票)
AMDの低消費電力APUプラットフォーム「Socket AM1」で、AthlonとSempronが復活
(チップセットも内蔵した組み込み向けAPU、CPU部分はPS4などと同じJaguarコア)
25位
(62票)
DMMによる「日本のものづくり拠点」がアキバに出現
(総額5億円の機材が月額1.5万円から利用可能)
26位
(58票)
12cm角サイズにGeForce搭載、ゲーム向けの超小型PC「BRIX Gaming」が発売
(Intel Iris Pro搭載モデルなど、超小型PCにゲーム向け構成モデルが複数登場)
27位
(50票)
最大1,734Mbpsの最速無線LANルーターが発売、IEEE802.11acは正式版に
(ASUSから1,734Mbpsの高速モデル登場、IEEE802.11acはDraftから正式版に)
27位
(50票)
Microsoftの最新タブレット「Surface Pro 3」が発売、純正タブレットが人気に
(Windowsタブレットは高価格帯ながら純正品が人気に)
29位
(49票)
Windows 8.1 Update登場、DSP版も発売
(一部のUIなどが変更されたWindows 8.1の改良版)
30位
(38票)
現行最高効率の「80PLUS Titanium」電源が登場、CORSAIRや玄人志向から
(CORSAIRからは1,500Wモデル、玄人志向からは限定品の500W/600Wモデルが発売)
31位
(37票)
Oculus Riftのデモを秋葉原のショップが実施、次世代のゲーム向けデバイスとして注目を集める
(開発者向けに販売されているOculus Riftの店頭デモ実施、次世代ゲームのキーになる?)
32位
(36票)
Android 5.0搭載の「Nexus 9」が発売
(Androidの最新版5.0搭載の端末が登場、アップデーターの提供も開始)
33位
(31票)
NVIDIAの最上位モデル「GeForce GTX TITAN Z」発売、AMDからは水冷のRadeon R9 295X2が登場
(ハイエンドはNVIDIA・AMDともにデュアルGPU、Radeon R9 295X2は1,200W電源を要求するモンスターカードに)
33位
(31票)
「ビットコイン採掘向け」をうたう製品が複数登場
(採掘用の演算基板など専用品も発売、だだし、ビットコイン取引会社Mt.Gox破産後ブームは下火に)
35位
(23票)
表示遅延やティアリングを抑えるNVIDIAのディスプレイ制御技術「G-SYNC」に対応したディスプレイが発売
(対応ディスプレイはASUSやAcerなどから発売、ASUS製ディスプレイ向けの改造キットも)
36位
(19票)
机型PCケース再び、“ちゃぶ台風モデル”やマザー×2枚収納モデルも登場
(久々に机型PCケースが登場、LIAN-LIから複数モデルが発売)
37位
(17票)
新技術「SMR」を採用したHDDがSeagateから登場、プラッタの密度向上
(今後主流になるシングル磁気記録方式採用のHDD、他メーカーも発売を告知)
38位
(13票)
e-sports専用施設が秋葉原にオープン
(久e-sports専用施設が秋葉原に移転オープン、ここからプロゲーマーが生まれる日も来る?)
39位
(11票)
キーボードもカスタマイズの時代?Cherry製品向けの金属キートップなどアクセサリーが複数登場
(様々なカラーの交換用キートップが発売、静音化リングなども)
その他(51票)

AKIBA PC Hotline!編集部