ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち

さまざまなメーカーから数多くの機種が登場したデータレコーダたち ~ アイワ DR-2 ~

今回のメインとなるのは、当時は鉄板でロードできると言われたAIWAの3機種とナショナル、東芝のモデルです。並べてみると、AIWAのDR-1がひときわ大きいのがわかります。

 想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は少し趣向を変えて、当時の周辺機器を取り上げる番外編として、「データレコーダ編 2」(計5回)をお届けします。

 マイコンやパソコンに入力したプログラムを保存するために、80年代初頭に主に使われたのがカセットテープです。近所の電気屋さんや家電量販店などにて安価で簡単に購入できるため、お世話になった方も多いのではないでしょうか。この、マイコン・パソコンからカセットテープへデータを保存するためのハードとして活躍したのが、各社からリリースされていたデータレコーダでした。もちろん、市販されているラジカセや、この時代に流行したダブルカセットデッキなどでも読み込みや保存は行えます。しかし、それらと比べると信頼性も高く、マイコン・パソコンから制御ができるリモート端子が必ず用意されていたデータレコーダはそれなりに幅広く普及し、一時期はなくてはならない周辺機器になったと言えたでしょう。

 そんなデータレコーダの中から今回の連載では、AIWAから登場したDR3兄弟とナショナル、東芝のモデルを紹介していきます。

AIWA データレコーダ DR-2

DR-1よりも背が高いですが奥行きは短くなり、よくある据え置き型のデータレコーダのデザインになっています。製品ロゴは、DR-1と同じくドットで描かれていました。

 DR-1とDR-2は、広告にて“実感!! エラー激減”とのキャッチコピーを謳っていたモデルです。これは、独自のデジタル信号波形処理回路を採用していたためで、波形の乱れたアナログ信号を、コンピュータの判断しやすいデジタル信号波形に補正するというものでした。

 こちらで取り上げたDR-2は高級機DR-1とは違い、オーソドックスなデータレコーダとして仕上がっています。DR-2にはない機能としては、STOP/EJECTボタンの右隣にあるMOTORボタンが挙げられます。パソコンとの接続時に黒のREMOTE端子も使用している場合、テープの録音再生はパソコン側に制御されます。そのため、録音開始前に無音部分を挿入したい場合や、テープを少しだけ進めたい時などにMOTORボタンを押すことで、REMOTE端子を接続しているときでもテープが再生されるという機能でした。もちろん、パソコン側からMOTOR命令を出したり、REMOTEのケーブルを抜いて再生させれば同じですが、その手間が省けるというところでは、重宝したものです。

背面はシンプルで、CMT端子もINやOUT、EARといった表記ではなく、左からSAVE、REMOTE、LOADと書かれていました。色分けもなされていたので、接続するときにどれをどこへ挿せば良いのかわからなくなる、ということは一切ありません。

 他社のデータレコーダには搭載されていることが多い、レベル調整つまみなどが省かれていて、無調整で問題無くロードできることもウリにしていたのがわかります。

 そのほかに、MSX1200ボーのテープの2倍速ロードに対応していたり、フェーズの切り替え、モニタ音出力のオンオフが切り替えられるボタンを備えていて、価格は他社のデータレコーダとほぼ同じ12,800円となっていました。発売されたのは、1985年3月です。

DR-2のみの広告と、DR-1とのセット広告を掲載しましたが、どちらも背景がドット絵で描かれているという、当時らしい内容でした。