ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち

さまざまなメーカーから数多くの機種が登場したデータレコーダたち ~ 東芝 データレコーダ HX-C800 ~

今回のメインとなるのは、当時は鉄板でロードできると言われたAIWAの3機種とナショナル、東芝のモデルです。並べてみると、AIWAのDR-1がひときわ大きいのがわかります。

 想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は少し趣向を変えて、当時の周辺機器を取り上げる番外編として、「データレコーダ編 2」(計5回)をお届けします。

 マイコンやパソコンに入力したプログラムを保存するために、80年代初頭に主に使われたのがカセットテープです。近所の電気屋さんや家電量販店などにて安価で簡単に購入できるため、お世話になった方も多いのではないでしょうか。この、マイコン・パソコンからカセットテープへデータを保存するためのハードとして活躍したのが、各社からリリースされていたデータレコーダでした。もちろん、市販されているラジカセや、この時代に流行したダブルカセットデッキなどでも読み込みや保存は行えます。しかし、それらと比べると信頼性も高く、マイコン・パソコンから制御ができるリモート端子が必ず用意されていたデータレコーダはそれなりに幅広く普及し、一時期はなくてはならない周辺機器になったと言えたでしょう。

 そんなデータレコーダの中から今回の連載では、AIWAから登場したDR3兄弟とナショナル、東芝のモデルを紹介していきます。

東芝 データレコーダ HX-C800

こちらもコンパクトにできているボディで、上記で紹介したRQ-8300よりも奥行きがないため、非常に小さく見えます。本体カラーはクリームで、同じくクリーム色を採用していたNECのデータレコーダを思い起こさせます。

 東芝といえば、以前に当連載でPA7230を取り扱いました()が、今回は型番がHXで始まることからもわかるように、MSXパソコンHX-20や21、22シリーズに合わせて発売されたデータレコーダです。本体のカラーリングはクリーム色で、カセットを収納する部分も同色になっていました。明るいボディカラーに、暗めのグレーで色づけされた操作ボタンが目立ちます。この機種は東芝だけでなく、色違いでカシオからはKR-7として、三菱からML-10DRという型番でも販売されていますが、どれが本家でどれがOEMなのかはわかりませんでした。

インタフェース類は左側面に集中していて、左からモニタ音のオンオフスイッチ、電源コネクタ、隣にEAR(CMT OUT)、REM(REMOTE)、MIC(CMT IN)各端子、ボリュームつまみと並んでいました。背面には、電池を入れるための蓋が見えます。

 値段は12,800円でしたが、この価格帯のモデルでは省略されがちな一時停止ボタンがついているので、プログラムのセーブ時には重宝します。また、インタフェースがすべて左側面にまとめられているため、コードをまとめやすいというのも使うには便利な部分でした。電源は、単3乾電池4本または付属のACアダプタ(6Vセンタープラス)が利用でき、ACアダプタもコンパクトなので、友人宅で使うために持ち運ぶといった用途で使った人もいたのではないでしょうか。

HX-20やHX-21、HX-22の広告に、小さく掲載されていました。掲載時期から考えると、HX-C800がリリースされたのは1984年末のようです。