パワレポ連動企画
“ドン勝”や人気タイトルでチェック!Core i7とRyzen 7、ゲームに強いのはどっちだ?
text by 加藤勝明
2017年6月17日 00:00
マルチスレッド対応が鍵? DirectX 12ゲームを比較
ここまでDirectX 11ベースのゲームを見てきたが、DirectX 12対応のゲームのパフォーマンスもチェックする。3DMark(Time Spy)ではRyzenが高スコアを出していたが、実際のゲームではどうだろうか?
まずはストラテジー系である「Sid Meier's Civilization VI(CIV6)」で試してみる。画質は“ウルトラ”+アンチエイリアス“MSAA 8X”と、“中”+“MSAA 2X”の二通りとし、ゲーム内のベンチマーク機能を利用して計測した。CIV6のベンチ結果はフレーム時間(ミリ秒)で表示されるが、ここではfpsに変換して比較する。
CIV6ではフレームレート制限を無効化していても、フレームレートが極端に高くなることはなく、かつ解像度による変化も乏しい。ここでも平均fpsではCore i7-7700Kがトップクラスだが、Ryzen 5 1600Xはほぼ同格、条件しだいではわずかにCore i7-7700Kを上回る戦いを見せた。フレームレートを上げることがあまり意味を持たないゲームだが、ゲームエンジンの設計しだいではRyzenでもCore i7に肩を並べるシーンが観測されたことは興味深い。
CIV6のベンチマークには、AIの思考時間を比較するモードもある。GPUが足を引っ張らないよう、画質はフルHD&中設定に固定し、CPUでゲームのテンポ(1ターンの平均処理時間)がどの程度変化するのか調べてみたのが次のグラフだ。
グラフィックス処理ではCore i7-7700Kに一矢報いたRyzen 5 1600Xだが、AI処理速度では完全に後れをとっている。Ryzen 7 1700が一番時間がかかっていること、Core i5とi7がほぼ同着ということから、クロックの高さと処理効率に優れるIntel製CPUが有利になったと考えられる。AI処理も高度にマルチスレッド化されるゲームが出てくれば、この状況も変わるかもしれない。
マルチスレッド処理が重いゲームと言えば、「Watch Dogs 2(WD2)」は外すことはできない。シーンにもよるが4コア8スレッドであってもCPU占有率が8割を超えることもある。画質は一番重い“最大”とその二つ下の“高”とし、「Fraps」で一定のコースを移動する際のフレームレートを測定した。
WD2のCPU負荷は、GPUボトルネックが発生しない状況のGTX 1080 Ti環境だとWQHDやフルHDのときに高くなる。Core i5-7600Kのfpsが低いのは、4コア4スレッドではCPUの処理が間に合わないためだ。Ryzenが圧倒的有利のように見える状況だが、実際はCore i7-7700Kがすべてのテストでトップだった。とくに最小fpsは安定してCore i7-7700Kのほうが高い。より安定した描画を求めるなら、Ryzenはまだ一歩およばないといったところだ。