パワレポ連動企画

UEFIセットアップの基本操作をおさらい。パーツの性能を100%引き出すためのUEFI超入門【2/5】

DOS/V POWER REPORT 2022年春号の記事を丸ごと掲載!

 ここではASUSTeKのROG MAXIMUS Z690 HEROを例にUEFIセットアップの起動や基本的な操作方法を解説するが、基本はどの製品も同様だ。UEFIセットアップで設定した内容は即時には適用されず、保存メニューで保存後に再起動することで反映される。設定内容は製品出荷時の初期設定に戻すことができるので、設定を間違えても慌てる必要はない。

UEFIセットアップの起動

電源をONにした直後、メーカーのロゴが表示されている間に「Delete」キーを押すとUEFIセットアップが起動する。受け付け時間が短いので、Deleteキーを連打するとよい
組み立て直後やCPUを交換した後、またはUEFI更新後は、上記のような画面で起動が停止する。この場合は「F1」キーを押すことでUEFIセットアップを起動できる

UEFIセットアップの操作方法

カーソルキーの左右でメニューを移動、上下でメニュー内の項目を選択できる。サブメニューなどから一つ上の階層に戻るには「Esc」キーを押す。なお、メニューの選択はマウスのスクロールや左クリックでも操作が可能だ
複数の選択肢が用意されている設定項目では、その項目を選び「Enter」キーを押すとドロップダウンリストが表示される。カーソルキーで選択したい項目に移動し再度「Enter」キーを押すと設定が変更される
数値を設定する項目では、「+」、「−」キーで数値を増減できるほか、数字キーを使用して直接入力することもできる

設定の保存、設定の初期化

設定の保存と再起動(EZ Mode)
EZ Modeでは、画面下の「Save & Exit(F10)」をクリックする(またはキーボードの「F10」キーを押す)と確認画面が出てくるので、「OK」を押せばよい。
なお、確認画面には、設定を変更した項目とその内容が表示される
設定の保存と再起動(Advanced Mode)
Advanced Modeでは、「Exit」メニューに用意された「Save Changes & Reset」項目をクリックする。
確認画面が出てくるので、「OK」を押す。確認画面には、設定を変更した項目とその内容が表示される
初期設定のロードと保存(EZ Mode)
EZ Modeでは、画面下の「Default(F5)」をクリックする(またはキーボードの「F5」キーを押す)と確認画面が出てくるので、「OK」を押す。
その後、設定を保存して再起動する
初期設定のロードと保存(Advanced Mode)
Advanced Mode では、「Exit」メニューに用意された「Load Optimized Defaults」項目をクリックする。
確認画面が出てくるので、「OK」を押す。その後、設定を保存して再起動する

 UEFIはCMOSクリアでも初期状態に戻せる。CMOSクリアは、専用ボタンや基板上のジャンパをマイナスドライバーなどでショートさせることで実行することができる。UEFIセットアップが起動しないなどの緊急用に覚えておこう。

UEFIの初期化はCMOSクリアでもできる
CMOSクリアボタン
CMOSクリアジャンパ

主要パーツの性能を100%引き出す設定ポイント

 各種パーツは動作設定が正しくされていないと本来の性能を発揮できない。ここからはCPU、メモリなどの主要パーツの性能を100%引き出すためのポイントを解説する。
 なお、一部のCPUはオーバークロック対応として販売されており、本コーナーでも設定方法などを解説しているが、CPUのオーバークロックはメーカーの保証外の行為となる。あくまで自己責任で行なうものであることは覚えておきたい。

各パーツが正しく認識されているか確認する

 最近のマザーボードは、ほぼ自動で各パーツを正しく認識するが、UEFIセットアップを起動したら、まず各パーツが正しく認識されているか確認してみよう。装着ミスなどでメモリやストレージが認識されていないこともあるからだ。発売から時間の経っているマザーボードで新しいCPUが正しく認識されないということもある。確認方法や対処方法は以下のとおりだ。

EZ Modeだと各種ハードウェアの認識状況が一目で確認可能
各メーカーのマザーボードともEZ Mode(名称は多少異なる)で、各種ハードウェアの認識状況が一目で確認できる。ASUSTeKの場合は、CPU名、メモリ規格と容量、ストレージ名と容量、起動ドライブの優先順位、各種ファンの回転数などを確認できる

CPU 名がきちんと認識されていない場合

 異なるCPU名が表示されている場合は、「実際に搭載しているCPUが違っている」、「UEFIがCPUのマイクロコードを認識できていない」という可能性が考えられる。もう一度、CPUのパッケージに刻印されたCPU名を確認、間違えていない場合はUEFIの問題の可能性が高いので、UEFIを最新のものにアップデートしてみよう。

メモリがきちんと認識されていない場合

 メモリの容量が少なく認識されているような場合は、メモリスロットにきちんと装着されていない可能性が高いので確認してみる。OCメモリで動作クロックが仕様どおり認識されていない場合は、XMP プロファイルが適用されていない可能性があるので、XMP 設定を行なおう。

ストレージがきちんと認識されていない場合

接続したはずのストレージが認識されていない場合は、まずデータケーブルおよび電源ケーブルがきちんと接続されているか確認しよう。M.2 SSDの場合はスロットに奥まで挿入されているか確認する。接続に問題がない場合はSerial ATAポートやM.2スロットが無効になっていないか確認する。M.2スロットと特定のSerial ATAポートが排他仕様になっている場合もあるので要注意だ。

Serial ATAポートやM.2スロットが無効化されていないか確認。排他仕様になっている場合は設定を変更する
【検証環境】
CPUIntel Core i9-12900K(16コア24スレッド)
マザーボードASUSTeK ROG MAXIMUS Z690 HERO(Intel Z690)
メモリKingston FURY Beast KF552C40BBK2-32(PC5-41600 DDR5 SDRAM 16GB×2 ※PC5-38400で使用)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX3060 Ti Founders Edition
SSDWestern Digital WD_BLACK SN850 NVMe WDS500G1X0E-00AFY0[M.2(PCI Express 4.0 x4)
CPUクーラーASUSTeK ROG STRIX LCⅡ 360 ARGB(簡易水冷)
OSWindows 11 Pro 64bit版

(その3に続く)

[TEXT:滝 伸次]

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