取材中に見つけた○○なもの

Pentium IIIに強力なライバル、IntelとAMDのクロック競争が激化した1999年

1999年後半から登場したAthlonのリテールパッケージ(撮影:ツクモパソコン本店II)

 今回は、クロック競争で王者Intelに土をつけたAMDのCPU「Athlon」を紹介します。発売前から高いパフォーマンスに大きな期待が寄せられていたAthlonの登場は、価格も含めCPUの動向に大きな影響を与えました。

※社名、製品名、販売店名は取材当時のものです。

「K7」と呼ばれていたAMDの最新CPU、バルク版が先行して販売

Athlon 500MHzと550MHzのバルク品。バルク品のためCPUクーラーは付いていません。Athlon 600MHzも1日遅れで販売が開始されました(撮影:コムサテライト2号店、PCiN秋葉原ほか)
実際にCPUを取り付けたところ(撮影:ソフトクリエイトFM館、ツクモパソコン本店II)

9月にはPentium IIIを抜き、x86最速となる650MHzが登場

正規品が流通し、取扱店が増えた650MHz。一部店舗で通常よりも安く販売されてしまい、代理店がお詫びを出す場面もありました(撮影:PCiN秋葉原、ツクモパソコン本店II、DOS/Vパラダイス本店)

その後10月にx86史上初となる700MHz、12月には750MHzが登場

大台の1GHzまであと300MHzまで迫ったAthlon 700MHz(撮影:T-ZONE PC DIY SHOP、ソフトクリエイトFM館、、コムサテライト2号店)
11月に0.18μmプロセス“Coppermine”コアのPentium III 733MHzの登場で最速の座を奪われていたAMDでしたが、同じく0.18μmプロセスの「K75」コアを採用したAtlon 750MHzで再度逆転します(撮影:ツクモパソコン本店II、コムサテライト2号店、PCiN秋葉原、WAVE EYE秋葉原店)

1999年のクロック競争は引き分け、2000年は1GHzを目指す戦いに

 1999年のx86最速の座はAthlonが取ると思われましたが、年末ぎりぎりの12月25日にPentium III 750MHzが登場したことで引き分けに終わりました。年が明けて2000年になると、x86初の1GHzに向けて両社は争うこととなります。

これまで外付けとなっていた2次キャッシュをコアに内蔵したCoppermineコアのPentium III(FC-PGA版)。2000年以降はこの形状が主流となり、Slot 1は姿を消していきます(撮影:フェイス)