パワレポ連動企画

PC自作はいつだって楽しい!~改造バカ、かく語りき~

[最新版、PC自作の基礎知識](1)

DOS/V POWER REPORT 5月号

 季節は4月。新入学や入社でPCを新調したくなるシーズンだ。

 「PC」といえば各社から発売されている最新モデルやBTOモデル、ショップブランドPCなど様々な選択肢があるが、究極のこだわりを求めるならば「パーツを買って自作」が一番だろう。

 そこで今回、こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新号と連動、同誌5月号の特集記事「最新PC自作の基礎知識」をほぼまるごと掲載する。

 この特集は合計50ページの総力特集で、「全部読めば最新自作事情がわかる」のがコンセプト。パーツの選び方から構成例、組み立て手順、UEFIの設定やWindowsインストールまでカバーしている(目次はこちら)。弊誌での掲載は複数分割で、おおむね10日間で掲載する予定。

 なお、28日(金)発売のDOS/V POWER REPORT本誌では、その特集記事はもちろん、様々なパーツの詳細レビューや徹底分析、そして「改造バカ一台」などの爆笑記事も掲載中。

 入門、または再入門したい向きにもおススメだ。


- DOS/V POWER REPORT 2014年5月号 Special Edition -


自作はいつだって楽しい!高橋敏也はかく語りき

 PC自作の楽しさとは何か、なぜPCを作るのか?

 これから自作に挑戦したい方、もう一度自作をやってみたい方、少し自作から離れている方に向けて、20年以上の自作歴を持ち、現在でも最新パーツを使いこなしている高橋敏也氏に本誌編集長が聞いた。

PC自作の楽しさって?

テクニカルライター:
高橋敏也(自作歴20年超)

PC自作には黎明期から、趣味としても、仕事としてもかかわっている高橋氏。高性能パーツ、そして変なパーツへの興味はつきない。上の写真のマシンは、現在のメインマシンの一つで、1世代前のIntelのハイエンドCPU、Core i7-3770Kを使ったもの

佐々木:さて今回は、この春からPC自作を始めてみよう、もう一度自作してみようという方に向けて、“PC自作の楽しさとは何なのか”について語ってみたいと思います。

高橋:部品を使って組み立てる、ユーザーの好みに合わせてカスタマイズするという意味では、プラモデルの作成や車のチューニングに近いですね。でも、PC自作は完成させたものを実用的に使うことができる点が大きいです。パーツを選んで集める・組み立てる・使うという、三つの楽しさがあります。

佐々木:完成後も、新しいパーツへの交換や追加でアップグレードできますし。

高橋:そう、どんどん進化させることができる。“成長する趣味”みたいな感じですかね。

佐々木:新しく組み立てたマシンで、以前は重いと思っていたソフトが一気に速く動くようになったり、動作音がすごく静かになったりすると、もっといいパーツだとどうなるんだ、って気になって仕方がなくなります。

高橋:作ること自体に興味があれば、まず楽しめます。PCを使って何かやりたいという目的があれば、もう作るしかないですよ。電子工作ほど難しくないし。

佐々木:目的と言えば、長く自作していると、ゲームマシンやビデオ編集マシンなんかが欲しいんだけど、自作PC ってどうなの?っていう質問をよく受けますよね。

高橋:ゲームやるんだったら、それこそ自作PCでしょーって答えています。PS4とかXbox Oneが話題になっていて、あれはあれでよいものだけど、ハイエンドPCだったらそれを超えるグラフィックス性能だって手に入れることができます。

佐々木:PCゲームって、ハードの進化に合わせてグラフィックスがきれいになって、重くなるので、これに対応するという意味でも自作PCは最適ですよね。

メーカー製PCじゃだめなんですか?

DOS/V POWER REPORT編集長:
佐々木修司(編集長10年目!)

学生時代に自作を始め、そのままPC雑誌業界へ。最近の自作PCは、組み合わせの自由度が上がった結果、組む人のセンスが試されるというのが持論。見た目的にもスペック的にもダサい組み合わせをしないのがパワレポ流!

佐々木:ここ数年、メーカー製PCはかなり安くなって、性能が同じだったら自作より安いなんてこともめずらしくなくなりました。

高橋:BTOのメーカー製PCでもオーダーすることはできますけど、突き抜けた要素をどこかに求めようとすると、どこかで限界があります。そもそも、PCケースの性格を選んだり、静音ファンを追加したりできるものはすごく少ない。自作であれば、メーカー製PCでは到達できない自由度があります。

佐々木:それって、予算が青天井のハイエンド機の話に限らなくて、総額10万円、5万円でも同じことが言えます。予算の振り分け方の自由度が段違い。

高橋:突き抜けるというのは、性能だけの話じゃないんです。見た目のかっこよさだってその一つ。質感が高いものとか。

佐々木:自作をやっていると、多かれ少なかれ、これはかっこいい基板だ、クーラーだって思うようになってきますから(笑)、クリアパネルのケースを使って、お気に入りパーツが見えるようにできるのもいいですよね。

高橋:コストを最重視するのであれば、メーカー製PCも選択肢となり得ますが、ほんのちょっとお金と手間をかけて自作すると、低価格機でもかなりおもしろいんです。

佐々木:とくに最近のローエンドパーツは性能が高く、自作を意識しているからゲーム、静音、拡張といろいろ遊べると思います。

高橋:財布のひもを握る奥さんを説得するにも、「僕と子供がPCの仕組を理解するための勉強になるんだよ」って言えばOK(笑)。

佐々木:親子PC自作教室の手伝いに行くと、お父さんのほうがはまっている光景によく出会います(笑)。

初めての1台はどんなものがいい?

最新パーツを使ったスタンダードマシンの自作例。ぱっと見、数年前のマシンとの違いは分かりにくいが、電力効率のよいパーツと、エアフローの追求、大型ファンの採用などにより、性能、静音性、省電力性とすべての面で段違いの完成度を誇る

佐々木:これから自作を始める人が作るのは、どんなPCがオススメでしょうか?

高橋:まずその人に聞きます。どんなことに使いたい?って。たとえば、そこで「インターネットくらいかな」という答えが返ってきたら、じゃあどれくらいの大きさまでならいい?とか、だんだん条件を詰めていきます。

佐々木:まずやりたいことからマシンのコンセプトを決めると。

高橋:その人が自分で考えるにしても、予算の範囲内で、まずやりたいこと、そしてサイズの順にパーツを選んでみるといいでしょう。あとは方向性が定まっていない段階でもパーツショップに行ってみて、店員さんと話してみるといいんじゃないかな。

初心者も、カムバック自作の人も怖がらなくていい

小型マシンのトレンドは、“ちょっと大きめ”。大型ファンやクーラー、電源などが使え、大型マシンと同じようなCPUやビデオカードを利用できる。ただし、拡張性は低いので、パーツの選定や組み立ては腕の見せどころだ

佐々木:昔は自作したけど、最近は作っていないね、という話もよく聞きます。

高橋:その言葉、つまり自作が気になっているんでしょう。分かります(笑)。

佐々木:楽しさは分かるけど、苦労することとか、コストパフォーマンスとかが気になるんでしょうか。

高橋:今はパーツ同士の相性問題もほとんどなく、趣味として気軽に楽しめます。昔は作るのがかなり難しかった、小さくてハイパフォーマンスで静か、なんてマシンが今なら簡単にできちゃう。

佐々木:数年ぶりに自作すると、驚くことがたくさんあると思います。Core 2 Duoが出たときに、速くて省電力ですごいのが出た、と話題になりましたが、最新CPUはそれよりケタ違いですからね。予算的にも気張らないで楽しめますし。

高橋:そうだよね。今のパーツは趣味の自作向け商品が多くて、パーツ同士の相性のせいで「ちゃんと接続できているのに動かない(涙)」みたいなことはないから、安心して始められます。それでいてハード、ソフトの両面で追求できて、長く楽しめますから、ぜひ挑戦していただきたい。


- DOS/V POWER REPORT 2014年5月号 Special Edition 目次-

1回目:PC自作はいつだって楽しい! ~改造バカ、かく語りき~
2回目:理想のマシンを自分で作ろう ~自作PC作例集6選~
3回目:CPUの選び方、マザーボードの選び方
4回目:ビデオカードの選び方
5回目:ストレージの選び方、メモリの選び方
6回目:PCケースの選び方
7回目:電源ユニットの選び方、CPUクーラーの選び方
8回目:パーツ選びが終わったら、ここを確認!
9回目:PC組み立て徹底解説、パーツ取り付けからインストールまで ~10万円のパーツで組んでみた~
10回目:小型PCを自作する場合の注意点
11回目:トラブル発生時の原因特定方法


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(AKIBA PC Hotline!編集部)