パワレポ連動企画
自作PCをよくするワザ、教えます(8) ~PCケース 中・上級編~
(2014/11/18 12:05)
このコーナーでは、こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新号と連動、同誌12月号の特集記事「自作PCをよくするワザ、教えます」をほぼまるごと掲載する。
第八回目の今回は、PCケースに関する便利なワザ(中・上級編)を紹介する。
なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 12月号は、絶賛発売中。12月号では今回の特集のほか、最新UEFIの完全ガイド、ファイル送信サービス 10選、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事が載っている。また、特別付録として「保存版 インターフェース図鑑 2014」と題した小冊子が付いてくるなど、盛りだくさんの内容だ。
- DOS/V POWER REPORT 2014年12月号 Special Edition -
自作PCをよくするワザ ~PCケース 中・上級編~
ここではPCケースの冷却性や静音性を高めるテクニックのほか、使い勝手を向上させるアイテムの活用法など、PCケースに関する技を紹介しよう。
【中級ワザ】ファンを増設して冷却性能を向上させる
多くのPCケースは冷却性能を向上できるように、ケースファン増設マウンタを装備している。下のテスト結果は、標準状態で前面に14cm角ファン(1,000rpm/吸気)、背面に14cm角ファン(1,000rpm/排気)を搭載したFractal DesignのDefine R4を使用して、「前面に吸気方向」、「天板に排気方向」、「側面に吸気方向」というパターンで14cm角ファン(1,000rpm)を増設して各パーツの温度変化を検証したものだ。
これを見るとファンを増設することで冷却性能が確実に向上することが分かる。とくに側面ファンの追加は、ビデオカードとマザーボードの冷却に効果がある。ビデオカードの冷却を重視するなら、ファンの増設はまず側面と覚えておくとよい。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-4770K(3.5GHz)、マザーボード:ASRock Z87 Extreme 4(Intel Z87)、メモリ:CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、ビデオカード:MSI N770GTX Twin Frozr 4S OC(GeForce GTX 770)、SSD:Lite-On Plextor M5S PX-256M5S(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)、PCケース:Fractal Design Define R4、電源:Corsair Components AX760i(760W、80PLUS Platinum)、増設ファン:Fractal Design FD-FAN-SSR2-140(14cm角、1,000rpm)、OS:Windows 8 Pro 64bit版、室温:25.1℃、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.0を10分間実行中の最大値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.21で、CPU はCPU Temperatures のPackage、GPUはTemperatures、マザーボードはSYSTINの値
【中級ワザ】使わないベイを外して冷却性能を向上させる
HDDの冷却を考慮して前面ファンの前にベイユニットを搭載しているPCケースは多い。しかし、このベイユニットが前面ファンからの風通しを阻害して、冷却性能を低下させている場合がある。下のグラフは、Fractal DesignのDefine R4を使用して、標準状態とベイユニットを外した場合の各部の温度の違いを計測したものだが、冷却性能への良好な影響が見られる。ベイユニットが脱着可能で使用していない場合は取り外しておくことをオススメする。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-4770K(3.5GHz)、マザーボード:ASRock Z87 Extreme 4(Intel Z87)、メモリ:CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、ビデオカード:MSI N770GTX Twin Frozr 4S OC(GeForce GTX 770)、SSD:Lite-On Plextor M5S PX-256M5S(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)、PCケース:Fractal Design Define R4、電源:Corsair Components AX760i(760W、80PLUS Platinum)、増設ファン:Fractal Design FD-FAN-SSR2-140(14cm角、1,000rpm)、OS:Windows 8 Pro 64bit版、室温:25.1℃、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.0を10分間実行中の最大値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.21で、CPU はCPU Temperatures のPackage、GPUはTemperatures、マザーボードはSYSTINの値
【中級ワザ】メッシュ構造を多用したケースではファンは全排気が効果的
ある程度密閉性の高い一般的なPCケースの場合、前面ファンを吸気、背面ファンを排気という標準的な構成とした場合に冷却性能がもっとも高くなることが多い。しかし、メッシュ構造を多用した通気性の高いPCケースの場合は、搭載しているケースファンをすべて排気方向に搭載したほうが冷却性能が高くなることがある。
下のテスト結果は、メッシュ構造を多用したCooler MasterのCM690 IIIを使用して、前面ファン(吸気)/背面ファン(排気)/天板ファン(排気)、前面ファン(吸気)/背面ファン(排気)/天板ファン(吸気)、全ファン吸気、全ファン排気のパターンで各部の温度を計測したものだが、すべてのファンを排気にしたパターンが総合的に見てもっとも高い冷却性能を見せている。メッシュ構造のケースを使用している人はぜひ試してみてほしい。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-4770K(3.5GHz)、マザーボード:ASUSTeK GRYPHON Z97(Intel Z97)、メモリ:CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、ビデオカード:MSI N770GTX Twin Frozr 4S OC(GeForce GTX 770)、システムSSD:Intel Solid-State Drive 730 SSDSC2BP240G4R5(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、PCケース:Cooler Master CM690 Ⅲ、電源:Super Flower SF-650P14PE(650W、80PLUS Platinum)、増設ファン:12cm角ファン(最大1,200rpm)、OS:Windows 8 Pro 64bit版、室温:25℃、暗騒音:30.5dB、動作音測定距離:ケース正面より15cm、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.0のPOWER SUPPLY テストを10分間実行したときの最大値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.25で、CPUはCPU Temperatures のPackage、GPUはVideocard Temperatures、マザーボードはMotherboard TemperaturesのMainboard、HDDはHDD Temperatures の値
【中級ワザ】小口径ファン×2より、大口径ファン×1
ケースによっては、ある箇所に搭載できるケースファンを小口径のもの2基と大口径のもの1基から選択できることがある。冷却や静音性においてどちらを選ぶのがよいかご存じだろうか?
下に掲載しているテスト結果は、前面に20cm径ファン(最大800rpm)を搭載したCooler MasterのCM690 IIIを使用して、前面ファンを標準状態(20cm径ファン×1)、12cm角ファン(最大1, 200r pm)×2にした場合、12cm角ファン(最大1,200rpm)×1にした場合の3パターンで、アイドル時と高負荷時における各部の温度と動作音を計測したものだ。これを見てもらえば分かるように、各部の温度、とくにCPUとGPUの温度は、20cm径ファン搭載時に低くなっている。動作音も20cm径ファン搭載時のほうが静かだ。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-4770K(3.5GHz)、マザーボード:ASUSTeK GRYPHON Z97(Intel Z97)、メモリ:CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、ビデオカード:MSI N770GTX Twin Frozr 4S OC(GeForce GTX 770)、システムSSD:Intel Solid-State Drive 730 SSDSC2BP240G4R5(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、PCケース:Cooler Master CM690 Ⅲ、電源:Super Flower SF-650P14PE(650W、80PLUS Platinum)、増設ファン:12cm角ファン(最大1,200rpm)、OS:Windows 8 Pro 64bit版、室温:25℃、暗騒音:30.5dB、動作音測定距離:ケース正面より15cm、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.0のPOWER SUPPLY テストを10分間実行したときの最大値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.25で、CPUはCPU Temperatures のPackage、GPUはVideocard Temperatures、マザーボードはMotherboard TemperaturesのMainboard、HDDはHDD Temperatures の値
【上級ワザ】ケースファンの追加でGPU性能を高める
NVIDIAのGPUは、GPUの温度や電力に余裕がある場合に自動的にクロックを定格値以上に引き上げて性能アップを行なう自動OC機能「GPU Boost」を搭載している。
このOC状態が維持できれば性能が高いまま使用できるのだが、GPUの温度がこれ以上は危険と判断される上限温度(大抵は80℃)に到達すると、GPUクロックが下げられてしまい、性能も落ちてしまう。つまりGPUの性能は冷却しだいで変わってくるのだ。そのため、ビデオカードの冷却に有効なエアフローを作れるケースファンを増設するとGPUの性能が向上することがある。
実際、GeForce GTX 770リファレンスカードと冷却性能の高いオリジナルGPUクーラーを搭載したMSIのGeForce GTX 770搭載ビデオカード「N770GTX Twin Frozr 4S OC」でその効果を試したところ、ほとんどのテストで若干ながらも性能が向上。とくにGPUクーラーの性能が低いGeForce GTX 770リファレンスカードでその効果が顕著に見られた。
なお、検証を行なったマシンは、側面ファン増設前は1時間半くらいの連続テスト中にシステムが落ちることがあったが、側面ファンを増設後はなくなり、システムの安定性向上の効果が見られたことも記しておきたい。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-4770K(3.5GHz)、マザーボード:ASUSTeK Z87-PRO(Intel Z87)、メモリ:Patriot Memory PV316G213C1K(PC3-17000 DDR3 SDRAM 8GB×2)、SSD:OCZ Storage Solutions Vector 2.5" VTR1-25SATA3-128G(Serial ATA 3.0、MLC、128GB)、PCケース:Corsair Components Obsidian 550D Mid-Tower Quiet Case※ 標準装備のフロントファン2基に加え、天板にCoresair Components Air Series AF140 Quiet Edition Air Flow 140mm Fan(14cm角、1,150rpm)×2を追加、電源:Sea Sonic Electronics Xseries XP SS-1000XP(1,000W、80PLUS Platinum)、増設ファン:Thermalright TY-143(14cm径、600~2,500rpm)※側面の下側のマウンタに固定、OS:Windows 8 Pro 64bit 版、室温:26.5℃、計測ソフト:GPU-Z v0.7.2【測定条件】各ベンチマークを4回実行したうちの3回目または4回目のデータを使用。3DMark:Ice Storm を含めたフルテストを行ないFire Strike のテストのスコアのみ使用、バトルフィールド3:キャンペーンモードのステージ7導入シーンにて測定、トゥームレイダー:ベンチマークモードを使用
【中級ワザ】ファンの回転数を落として静音化を図る
静音性を高めるには、ケースファンの回転数を落とすのが簡単で効果的だ。ケースファンの回転数を制御する方法としては、ハードウェアのファンコントローラを用いる方法とマザーボードに付属するファンコントロールユーティリティを利用する方法がある。一般にファンコントローラは供給電圧の調整によってファンの回転数を数段階にコントロールするもので高度な制御ができないため、各部の温度変化などには十分気を使う必要がある。対して、マザーボードに付属するユーティリティは各部の温度変化に応じて自動的にファンの回転数をコントロールしてくれるのでユーザーはとくに気を使う必要はなく、細かくファンの回転数を制御できる分静音化も実現しやすい。
下のテスト結果は、Fractal Design Define R4搭載のファンコントローラとASUSTeK Z97-PRO付属のファン制御ユーティリティ「Fan Xpert 3(サイレントプロファイルを適用)」で静音化を行なったものだが、Fan Xpert 3を使用した場合のほうがより静音化されており、各部の温度も、実使用時にはあり得ないほどの負荷をかけるOCCT実行中のものということを考えると、問題のない範囲に収まっている。マザーボードにファン制御ユーティリティが付属している場合は、まずそれを活用してみるとよいだろう。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-4770K(3.5GHz)、マザーボード:ASUSTeK GRYPHON Z97(Intel Z97)、メモリ:CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、ビデオカード:MSI N770GTX Twin Frozr 4S OC(GeForce GTX 770)、システムSSD:Intel Solid-State Drive 730 SSDSC2BP240G4R5(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、PCケース:Cooler Master CM690 Ⅲ、電源:Super Flower SF-650P14PE(650W、80PLUS Platinum)、増設ファン:12cm角ファン(最大1,200rpm)、OS:Windows 8 Pro 64bit版、室温:25℃、暗騒音:30.5dB、動作音測定距離:ケース正面より15cm、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.0のPOWER SUPPLY テストを10分間実行したときの最大値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.25で、CPUはCPU Temperatures のPackage、GPUはVideocard Temperatures、マザーボードはMotherboard TemperaturesのMainboard、HDDはHDD Temperatures の値
【上級ワザ】音漏れ対策を施し静音化する
ファンの回転数を落として静音化した上で、さらに静音性を高めたいなら、PCケースの通気口やファン設置用の穴をふさいでしまうという手もある。
下のテスト結果は、上項目の「中級ワザ ファン回転数を落として静音化を図る」のFan Xpert 3 Silentプロファイル適用後の状態と、さらにPCケースの通気口やケースファン用の穴などをふさぐなどの音漏れ対策を施した後の動作音と各部の温度を比較したものだ。これを見ると動作音はより静かになっているし、各部の温度も、アイドル時のビデオカードの温度はやや上昇しているものの、そのほかはほぼ変わっていない。もちろん環境によりその効果はいくぶんか変わってくると思われるが、音漏れ対策が静音化に有効なことは確かと言ってよいだろう。なお、通気口などを完全にふさいでしまうと、熱だまりができるなど、ケース内部の温度は確実に上昇する。音漏れ対策を行なう際には、各パーツの温度変化を慎重に観察することを心掛けたい。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-4770K(3.5GHz)、マザーボード:ASUSTeK GRYPHON Z97(Intel Z97)、メモリ:CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、ビデオカード:MSI N770GTX Twin Frozr 4S OC(GeForce GTX 770)、システムSSD:Intel Solid-State Drive 730 SSDSC2BP240G4R5(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、PCケース:Cooler Master CM690 Ⅲ、電源:Super Flower SF-650P14PE(650W、80PLUS Platinum)、増設ファン:12cm角ファン(最大1,200rpm)、OS:Windows 8 Pro 64bit版、室温:25℃、暗騒音:30.5dB、動作音測定距離:ケース正面より15cm、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.0のPOWER SUPPLY テストを10分間実行したときの最大値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.25で、CPUはCPU Temperatures のPackage、GPUはVideocard Temperatures、マザーボードはMotherboard TemperaturesのMainboard、HDDはHDD Temperatures の値
【中級ワザ】準ファンレス電源で安全に静音性を高める
静音性を高めるには、負荷率が設定値を超えるまでファンが回転しない準ファンレス電源を使用することも有効だ。下のテスト結果は、上項目の音漏れ対策を施した状態とさらに電源ユニットを準ファンレス電源(CorsairComponents RM450)に交換した状態の動作音を比較したものだが、アイドル時は変わらないものの、高負荷時は準ファンレス電源のほうがファンが動作しない分静かだった。長時間の負荷がかかる場合などには、ファンが回転するので安全性も高い。
動作音の違い
【中級ワザ】プラグイン電源でケーブルの本数を少なくする
裏面配線に対応しているケースでも意外と気になるのが各種電源ケーブル。とくにコンパクトケースを使用している場合などはジャマになって仕方がない。そういう場合に活用したいのがプラグイン電源だ。
ビデオカードを使用しない場合はPCI Express補助電源コネクタも不要なので、プラグインタイプの電源を利用すると、最少で、ATX24ピン電源、EPS12V電源コネクタ、Serial ATA電源ケーブルの3本にすることができる。
【中級ワザ】SSDを搭載できる2.5インチベイを増設する
SSDを増設したいけれど、PCケースに2.5インチドライブを搭載できるベイがない、もしくは空きがないということがある。そういう場合は、3.5インチベイに2.5インチドライブを搭載するためのアダプタキットや拡張スロット上の空間に2.5インチSSD/HDDを搭載できるキットなど、2.5インチドライブ増設アイテムを活用するとよい。
【中級ワザ】ケーブルタイなどでケース内部を見栄えよく整頓する
せっかく厳選したパーツを使って組み上げたマシンも、ケース内部でケーブルがごちゃごちゃになっていると、なんだかさえない感じになってしまう。
見栄えが悪いだけならまだしも、ファンがケーブルに絡んでトラブルを引き起こすといったこともあり得る。ケーブル類は右の写真のようにケーブルタイなどを使用してすっきりとまとめておこう。
【中級ワザ】色違いのSerial ATAケーブルを使い接続ドライブを判別
同じSSDやHDDなどを複数使用していると、1台だけ取り外したいときなどに、どのSerial ATAポートのケーブルを取り外してよいのか分からなくなることがある。1台ずつ外してそのつど電源を入れて確認していけばすむ話ではあるが、そういう手間がめんどうだと思う人は、接続するドライブごとにSerial ATAケーブルの色を変えておくとよい。
色の選択によっては見た目も華やかになるので見栄えといった面でもオススメだ。
【中級ワザ】小型PC組み立て時に役立つテクニック
Mini-ITXなどの小型ケースは、ATXタイプの標準的なケースと比べると内部スペースに余裕がないため、電源ユニットなどの搭載パーツの選択が重要。加えて、ケース内部で各パーツが密集するので、ケーブルの取り回しなどにも十分気を配る必要がある。また、小型マザーボードではファン用の電源コネクタが足りないということもよくある。ここではそんな小型PCの組み立て時に役立つテクニックを紹介しよう。
SFX電源やACアダプタ電源を使う
最近の小型Mini-ITXケースではATX電源を使用できるものが多い。しかし、ATX電源を使用すると内部空間に余裕がなくなってしまうものがほとんどだ。そこで提案したいのが、SFX電源の使用。SFX電源にすると内部空間に余裕が生まれ、作業を行ないやすくなる。また、エアフローも改善されるので冷却性能の向上も期待できる。ACアダプタを使えるようにするとさらに余裕が生まれるが、SFX電源に比べると出力容量が小さいので、その点に注意する必要がある。
届かない場合は延長ケーブルで解決
小型PCでは、大型CPUクーラーなどを使った場合など、電源ケーブルなどが届かなくなるといったことが起こりやすい。そういう場合は延長ケーブルを使用するとよい。
【中級ワザ】拡張ベイを活用して機能をUPする
最近では光学ドライブの必要性が低くなったこともあり拡張ベイが空いているという人も多いのではないだろうか。そこでここではPCの機能をアップする拡張ベイアイテムを一挙に紹介しよう。
4チャンネル分の回転数や温度を同時に確認できる
四つのファンのコントロールと4カ所の温度を測定できるファンコントローラ。電圧レギュレータ方式で3.7~12Vの可変出力に対応しており、ファンの回転数を手動で細かく制御することができる。フラットな操作ボタンを装備したシンプルデザインも魅力だ。
【Specification】:本体サイズ(W×D×H):148.5×83×42mm
多彩なメディアに対応したカードリーダー
SDメモリーカード、コンパクトフラッシュ、メモリースティックなど多彩なメディアに対応したUSB 2.0接続のカードリーダー。マザーボードのピンヘッダを利用するUSB 3.0ポート2基とUSB 2.0ポート3基に加え、eSATAポートも1基装備する。
【Specification】:インターフェース:USB 3.0×2、USB 2.0×3、eSATA×1、メモリカードリーダー(14種、USB 2.0接続)、本体サイズ(W×D×H):101.6×119.5×25.3mm
5インチベイを小物入れとして活用する
5インチベイに搭載できる引き出し式の小物入れ。USBメモリやDVD-ROM、筆記具などの小物を収納しておくことができる便利アイテムだ。いざ使おうというときに限って見付からないことが多いスマホのデータケーブルなど、頻繁に使用するものを収納しておくにもよい。
【Specification】:本体サイズ(W×D×H):148.5×171×42.5mm
電源ON/OFFスイッチを備えたカードリーダー
USB 3.0とeSATAポートも装備するカードリーダー。対応メディアは、SDメモリーカード、コンパクトフラッシュ、メモリースティックなど。スマホなどで使われているmicroSDカードもアダプタなしで使用可能。電源スイッチを装備しており、不要時は電源OFFにしておくことができる。
【Specification】:インターフェース:USB 3.0×1、eSATA×1、メモリカードリーダー(30種、USB 3.0接続)、本体サイズ(W× D× H):101.6×122×25.4mm
5インチベイに3.5/2.5インチSSD/HDDを搭載し8cm角ファンで直接冷却
5インチベイ2段に3.5インチHDDを3台もしくは2.5インチSSD/HDDを4台搭載できるベイユニット。前面に最大回転数1,200rpmの8cm角ファンを装備しており、搭載ストレージを直接冷却することができるのが特徴。HDDの冷却が気になっている人は要注目のアイテムだ。
【Specification】:搭載ファン:8cm角(最大回転数:1,200rpm)×1、本体サイズ(W×D×H):150×159×85mm
5インチベイに内蔵できるコンパクトスピーカー
5インチベイに搭載できるスピーカー。音声入力はステレオミニピンプラグを背面のLINE OUT端子に接続して行なう。とりあえずPCから音を出したいけど、スピーカーにスペースを取られるのはイヤだ、という人に最適なアイテムだ。
【Specification】:インターフェース:LINE IN(ミニ)×1、本体サイズ(W×D×H):149×80×42mm
3.5インチSerial ATA HDDを前面から楽に交換できる
前面レバー操作だけで3.5インチSerial ATA HDDの出し入れができるホットスワップ対応の5インチベイ搭載リムーバブルラック。電源スイッチを搭載しており、必要に応じてHDDの電源をON/OFFすることも可能。HDDを気軽に入れ換えて使いたい人にオススメ。
【Specification】:本体サイズ(W×D×H):146×183×42mm
[Text by 滝 伸次]
【DOS/V POWER REPORT 12月号は10月29日(水)発売】
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- Newsstand
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- 雑誌オンライン
- http://www.zasshi-online.com/magazine/ProductDetail/?page=1&dcode=dosvpowerreport5141029
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- http://www.fujisan.co.jp/product/1879/
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