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Gen 4の限界が見える中、人気は割れる。SSD最新モデルの実力比較!2022年末はこれを買え!【PCパーツ100選 SSD編】
DOS/V POWER REPORT 2023年冬号の記事を丸ごと掲載!
2023年5月6日 00:00
速度向上は鈍化するも三つのグループが市場を牽引
現在のSSD市場は、最大速度7,000MB/s前後のハイエンドGen 4を頂点に、最大速度3,500 ~ 5,000MB/s前後のエントリーGen4、さらに低価格のエントリーGen 3の大きく3グループで展開している。ハイエンドクラスでは、Gen 4の帯域を使い切る完成形に近い性能を実現した製品も登場し、これ以上の高性能化は、次世代のGen 5対応を待つしかない状況だ。なお、残念ながらGen 5対応SSDは発売延期もあって、2022年の登場は間に合わなかった。2023年に期待だ。
一方で、2022年に大きな人気を呼んだのが、Gen 4対応で最大速度3,500~5,000MB/s前後の製品だ。このクラスはハイエンドに比べて価格は大幅に安く、PlayStation 5にも増設できるメリットがある。最高性能を求めない層に刺さった存在だ。また、エントリークラスのGen 3 SSDは、Serial ATA SSDと変わらない価格となり、とくに2TBの大容量モデルが人気となっている。
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SSDの人気メーカー「Micron」、「Western Digital」、「Samsung」が順当に入ってくるなか、キオクシアがM.2とSerial ATAの両方でランクイン。元東芝のブランド力に加え、集計期間中にブラックフライデーセールでかなり安くなっていたのが影響したと考えられる。
順位 | 製品名 | 投票数 |
---|---|---|
1位 | Western Digital WD_BLACK SN850X | 422 |
2位 | キオクシア EXCERIA PRO NVMe SSD | 377 |
3位 | Samsung SSD 980 PRO | 316 |
順位 | 製品名 | 投票数 |
---|---|---|
1位 | キオクシア EXCERIA SATA | 226 |
2位 | Micron Crucial MX500 | 210 |
3位 | Samsung 870 EVO | 205 |
NVMe SSD全16製品で比較!最大速度とランダム性能を測る
ここでは、1TBのNVMe SSD 16製品で比較していく。人気モデルが中心ではあるが、Gen 4のハイエンドとエントリー、Gen 3のエントリーのバランスおよびコストパフォーマンスも考慮して選んでいる。
まずは、CrystalDiskMarkの最大速度の結果から見ていくが、ここはハイエンドクラスのGen 4対応製品の独壇場だ。読み出し速度は7,000MB/s前後をマークし、書き込み速度は6,000MB/sオーバーを記録している。なかでも速かったのが、2022年12月に国内で発売されたばかりの、Samsung期待の新製品「SSD 990 PRO」とIntelのSSD事業を引き継いだSolidigmの「P44 Pro」だ。両者はともに7,100MB/s強の読み出し速度と6,700MB/s強の書き込み速度をマーク。現役最速を争っている。
そして今回は、アクセス範囲別のランダムリード速度もテストに取り入れた。基本的なランダムリード性能が分かるほか、空き容量が少なくなった場合、性能に影響があるのかの参考にもなる。
ランダム読み出し性能は、Western Digitalの「WD_BLACK SN850X」とSeagateの「FireCuda 530」、CFD販売「PG4NZL」が飛び抜けて速かった。この3製品は、ほかの製品よりも約200MB/s近くも速い970MB/s前後の速度をマーク。また、特徴的だったのが、DRAM搭載製品が安定した読み出し速度だったのに対し、DRAMレスの製品は、アクセス範囲が広がるほど速度が低下していることだ。DRAMレスの製品は、アクセス範囲が全容量の50%(1TBモデルの場合約500GB)を超えると、初期の半分以下の速度となった製品が多かった。
NVMe SSD全16製品で比較!実アプリとゲーム性能をチェック
ここでは、ストレージの体感性能を数値化するベンチマークを用いて同じく16製品のNVMe SSDの性能を比較していく。
まずは、実アプリやゲームなどの総合的な体感性能をチェックできるPCMark 10 Full System Drive Benchmarkの結果だが、トップスコアをマークしたのは、Solidigm の「P44 Pro」だ。この製品は、次点のSamsungの「SSD 990 PRO」と「Plextor M10PGN」の2製品をスコアを200以上も上回り、頭一つ抜けた強さ。
また、注目しておきたいのが、DRAMレス設計を採用したエントリークラスのGen 4製品ではあるが、全体で5番目のスコアをマークした「WD_BLACK SN770」だ。データ転送速度のBandwidthで見ても変わらずの5位。1TBのGen 4でトップクラスの低価格ながら、高いスコアを記録したのには驚かされる。
次にゲームでの性能をチェックできる3DMark Storage Benchmarkを見ていこう。ゲームのロードだけではなく、ゲームの録画、ゲーム丸ごとのコピーなど、さまざまな処理を実行してスコアを算出する。トップを獲得したのは「Plextor M10PGN」だ。1年前にゴールドレコメンドを獲得した実力は健在だ。次点は、僅差で「WD_BLACK SN850X」が続き、PCMark 10でトップだった「P44 Pro」は3番手だった。また、「WD_BLACK SN770」は、ここでも健闘を見せた。CFD販売の「PG4NZL」やSeagateの「FireCuda 530」、「SSD 990 PRO」とハイエンドクラスのGen 4に並ぶスコアを記録している。掲載はしていないが、データ転送速度のBandwidthで見ても、 SN770は5位に入っている。トップクラスの人気はダテではない。
全6製品で比較!Serial ATA SSDベンチマーク
ここでは、Serial ATA SSD全6製品の性能差を各種ベンチマークでチェックする。まずは、最大速度を計測するCrystalDiskMarkだが、シーケンシャル読み出し性能はほぼ横一線で大きな違いはない。書き込みではSamsungの「SSD 870 EVO」がトップだ。
また、アクセス範囲を指定したランダムリードは、大きな違いが出た。トップは、ダントツの速度と安定した性能を発揮した「SSD 870 EVO」と「Crucial MX500」の2製品。次点は、キオクシアの「EXCERIA SATA SSD」で、CFD販売の「CG4VX」が僅差の3番手だった。「WD Blue SA510」と「SUNEAST SE900」は、DRAMレス仕様と見られ、アクセス範囲が広がると大きく速度を低下させてしまった。
体感性能が分かるPCMark 10と3DMarkの結果だが、「SSD 870 EVO」が両テストでトップ。それに続くのが両方のテストで2番手につけている「Crucial MX500」だ。Serial ATA SSDは、定番のモデルが変わらぬ強さを発揮した。最近では新製品がほとんど発売されておらず、この2強が2023年も続くことになるだろう。
CPU | Intel Core i5-11600K(6コア12スレッド) |
マザーボード | ASUSTeK ROG STRIX Z590-F GAMING WIFI(Intel Z590) |
メモリ | KLEVV BOLT KD4AGU880-32A160U(PC4-25600 DDR4 SDRAM 16GB×2) |
システムSSD | Solid State Storage Technology Plextor M9Pe(G) PX-512M9PeG[M.2(PCI Express 3.0 x4)、512GB] |
OS | Windows 11 Pro |
※メーカー非公表。テスト結果に基づく推測による
[TEXT:北川達也]
PCパーツ100選 2023年冬号
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