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Gen 4の限界が見える中、人気は割れる。SSD最新モデルの実力比較!2022年末はこれを買え!【PCパーツ100選 SSD編】

DOS/V POWER REPORT 2023年冬号の記事を丸ごと掲載!

ハイエンドはついにGen 4の限界に到達へ
最新世代のハイエンドGen 4製品は、シーケンシャルで7,000MB/s前後にまで到達し、とうとうインターフェースの限界が見えてきた。Gen 5対応SSDの登場が待たれるところだ

速度向上は鈍化するも三つのグループが市場を牽引

 現在のSSD市場は、最大速度7,000MB/s前後のハイエンドGen 4を頂点に、最大速度3,500 ~ 5,000MB/s前後のエントリーGen4、さらに低価格のエントリーGen 3の大きく3グループで展開している。ハイエンドクラスでは、Gen 4の帯域を使い切る完成形に近い性能を実現した製品も登場し、これ以上の高性能化は、次世代のGen 5対応を待つしかない状況だ。なお、残念ながらGen 5対応SSDは発売延期もあって、2022年の登場は間に合わなかった。2023年に期待だ。

 一方で、2022年に大きな人気を呼んだのが、Gen 4対応で最大速度3,500~5,000MB/s前後の製品だ。このクラスはハイエンドに比べて価格は大幅に安く、PlayStation 5にも増設できるメリットがある。最高性能を求めない層に刺さった存在だ。また、エントリークラスのGen 3 SSDは、Serial ATA SSDと変わらない価格となり、とくに2TBの大容量モデルが人気となっている。

エントリーGen 4はPS5需要もあって人気に
PS5はGen 3のSSDが増設に使えないこともあり、価格が手頃なエントリークラスのGen 4に人気が集まった。上のグラフのとおり、PS5の内蔵SSDと比べても速度にほとんど差はなく実用面でも問題はない

本誌&AKIBA PC Hotline! 読者はコレが気になった!!

 SSDの人気メーカー「Micron」、「Western Digital」、「Samsung」が順当に入ってくるなか、キオクシアがM.2とSerial ATAの両方でランクイン。元東芝のブランド力に加え、集計期間中にブラックフライデーセールでかなり安くなっていたのが影響したと考えられる。

M.2 SSD Best3
順位製品名投票数
1位Western Digital WD_BLACK SN850X422
2位キオクシア EXCERIA PRO NVMe SSD377
3位Samsung SSD 980 PRO316
Serial ATA SSD Best3
順位製品名投票数
1位キオクシア EXCERIA SATA226
2位Micron Crucial MX500210
3位Samsung 870 EVO205

NVMe SSD全16製品で比較!最大速度とランダム性能を測る

 ここでは、1TBのNVMe SSD 16製品で比較していく。人気モデルが中心ではあるが、Gen 4のハイエンドとエントリー、Gen 3のエントリーのバランスおよびコストパフォーマンスも考慮して選んでいる。

 まずは、CrystalDiskMarkの最大速度の結果から見ていくが、ここはハイエンドクラスのGen 4対応製品の独壇場だ。読み出し速度は7,000MB/s前後をマークし、書き込み速度は6,000MB/sオーバーを記録している。なかでも速かったのが、2022年12月に国内で発売されたばかりの、Samsung期待の新製品「SSD 990 PRO」とIntelのSSD事業を引き継いだSolidigmの「P44 Pro」だ。両者はともに7,100MB/s強の読み出し速度と6,700MB/s強の書き込み速度をマーク。現役最速を争っている。

 そして今回は、アクセス範囲別のランダムリード速度もテストに取り入れた。基本的なランダムリード性能が分かるほか、空き容量が少なくなった場合、性能に影響があるのかの参考にもなる。

ランダム性能の計測は、TxBENCHを用いて指定容量をシーケンシャルで記録し、そのエリアを対象にランダム読み出しを行なっている

 ランダム読み出し性能は、Western Digitalの「WD_BLACK SN850X」とSeagateの「FireCuda 530」、CFD販売「PG4NZL」が飛び抜けて速かった。この3製品は、ほかの製品よりも約200MB/s近くも速い970MB/s前後の速度をマーク。また、特徴的だったのが、DRAM搭載製品が安定した読み出し速度だったのに対し、DRAMレスの製品は、アクセス範囲が広がるほど速度が低下していることだ。DRAMレスの製品は、アクセス範囲が全容量の50%(1TBモデルの場合約500GB)を超えると、初期の半分以下の速度となった製品が多かった。

NVMe SSD全16製品で比較!実アプリとゲーム性能をチェック

 ここでは、ストレージの体感性能を数値化するベンチマークを用いて同じく16製品のNVMe SSDの性能を比較していく。

 まずは、実アプリやゲームなどの総合的な体感性能をチェックできるPCMark 10 Full System Drive Benchmarkの結果だが、トップスコアをマークしたのは、Solidigm の「P44 Pro」だ。この製品は、次点のSamsungの「SSD 990 PRO」と「Plextor M10PGN」の2製品をスコアを200以上も上回り、頭一つ抜けた強さ。

 また、注目しておきたいのが、DRAMレス設計を採用したエントリークラスのGen 4製品ではあるが、全体で5番目のスコアをマークした「WD_BLACK SN770」だ。データ転送速度のBandwidthで見ても変わらずの5位。1TBのGen 4でトップクラスの低価格ながら、高いスコアを記録したのには驚かされる。

3DMark Storage Benchmarkは、ゲームの起動などをエミュレートし体感性能を数値化するベンチマーク。スコアが高いほど高速だ

 次にゲームでの性能をチェックできる3DMark Storage Benchmarkを見ていこう。ゲームのロードだけではなく、ゲームの録画、ゲーム丸ごとのコピーなど、さまざまな処理を実行してスコアを算出する。トップを獲得したのは「Plextor M10PGN」だ。1年前にゴールドレコメンドを獲得した実力は健在だ。次点は、僅差で「WD_BLACK SN850X」が続き、PCMark 10でトップだった「P44 Pro」は3番手だった。また、「WD_BLACK SN770」は、ここでも健闘を見せた。CFD販売の「PG4NZL」やSeagateの「FireCuda 530」、「SSD 990 PRO」とハイエンドクラスのGen 4に並ぶスコアを記録している。掲載はしていないが、データ転送速度のBandwidthで見ても、 SN770は5位に入っている。トップクラスの人気はダテではない。

全6製品で比較!Serial ATA SSDベンチマーク

 ここでは、Serial ATA SSD全6製品の性能差を各種ベンチマークでチェックする。まずは、最大速度を計測するCrystalDiskMarkだが、シーケンシャル読み出し性能はほぼ横一線で大きな違いはない。書き込みではSamsungの「SSD 870 EVO」がトップだ。

 また、アクセス範囲を指定したランダムリードは、大きな違いが出た。トップは、ダントツの速度と安定した性能を発揮した「SSD 870 EVO」と「Crucial MX500」の2製品。次点は、キオクシアの「EXCERIA SATA SSD」で、CFD販売の「CG4VX」が僅差の3番手だった。「WD Blue SA510」と「SUNEAST SE900」は、DRAMレス仕様と見られ、アクセス範囲が広がると大きく速度を低下させてしまった。

 体感性能が分かるPCMark 10と3DMarkの結果だが、「SSD 870 EVO」が両テストでトップ。それに続くのが両方のテストで2番手につけている「Crucial MX500」だ。Serial ATA SSDは、定番のモデルが変わらぬ強さを発揮した。最近では新製品がほとんど発売されておらず、この2強が2023年も続くことになるだろう。

【検証環境】
CPUIntel Core i5-11600K(6コア12スレッド)
マザーボードASUSTeK ROG STRIX Z590-F GAMING WIFI(Intel Z590)
メモリKLEVV BOLT KD4AGU880-32A160U(PC4-25600 DDR4 SDRAM 16GB×2)
システムSSDSolid State Storage Technology Plextor M9Pe(G) PX-512M9PeG[M.2(PCI Express 3.0 x4)、512GB]
OSWindows 11 Pro

※メーカー非公表。テスト結果に基づく推測による

[TEXT:北川達也]

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