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アキバの2018年10大ニュース投票結果発表

首位は「最大32コア/64スレッドの“第2世代Ryzen Threadripper”が発売」

 読者に投票していただいた「アキバの2018年10大ニュース」の結果をここで発表しよう。

 投票受付期間:12月10日~12月22日
 総有効投票数:6,817票 (1,685人)

1位は「最大32コア/64スレッドの第2世代“Ryzen Threadripper”が発売」 (806票)

12nmプロセスのアーキテクチャ「Zen+」を採用したCPU
最上位の「Ryzen Threadripper 2990WX」は驚異の32コア/64スレッド
実売価格が20万円を超える高額商品
深夜販売にも多くの人が訪れ、当日は20名前後の購入者がいた

 Ryzen ThreadripperはHEDT(ハイエンドデスクトップPC)向けとしてAMDがラインナップしているSocket TR4対応CPU。

 今年発売された第2世代のモデルは最大で32コア/64スレッドという驚異的とも言えるハイスペックで注目を浴び、この10大ニュース投票でも1位となった。第1世代がデビューしたのは昨年で、その年の10大ニュース投票で6位だったことを考えるとまさに躍進だ。

 最上位モデルで32コア/64スレッドの「Ryzen Threadripper 2990WX」は8月13日(月)に発売された。販売が解禁されたのは同日22時で、一部のショップで夜間販売が実施されたほか、オーバークロック実演などの関連イベントが行なわれ、CPUのデビューを盛り上げた。実売価格が約23万円という高価な製品にも関わらず“引き”は相当強いようで、デビュー以降もショップでの売れ行きは好調だという。

 Socket AM4対応のRyzen 2000シリーズを含め、AMD製CPUはIntel製CPUに対して盛り返しを見せており、一部ショップによれば新たにPCを自作する際にAMD CPUを選択する人が増えているという。AMD CPUの人気の高まりは、ライバルであるIntel CPUが特に10月以降に品薄になったことも影響していると見られており、入手が難しいIntel CPUに見切りをつけてAMD CPUを選ぶ人も多かった、と話すショップもある。

2位は「SSDの低価格化が進む、512GBは1万円割れが常態化」 (605票)

年末の特価品
年始の販売価格
メジャーブランドの2TBモデルが税抜き26,800円(税込28,944円)で販売されたこともあった
SUNEASTなどの低価格さをウリとするブランドの増加も目立った

 SSDは年間を通して値下がり傾向。年初から容量単価は半値程度にまで値下がりしている。

 1TBや2TBといった大容量モデルは特に大きく値下がりしており、1TBは1.1万円割れ、2TBは3万円割れの製品も登場している。1TBが1万円割れとなるのも時間の問題かもしれない。

 また、容量単価の下落に合わせ、売れ筋の容量も一段階上昇。2.5インチSSDの売れ筋は、250GBクラスから500GBクラスに移行している。12月時点で500GBクラスのSSDは7,000円前後まで値下がりしており、価格差が小さくなった250GBクラスは選ばれなくなりつつある。

 なお、これらの値下がりを牽引したのは、低価格をウリとするブランドが増えたという面も大きい。一方で、一部の格安SSDは搭載NANDフラッシュメモリに関して騒動があったモデルもあり、SSD選びが難しくなった部分もある。安心感を求め大手メーカー製モデルを選ぶ層と、価格を最優先する層でユーザーが別れつつある面もあり、来年以降もトレンドを注視すべきPCパーツと言えるだろう。

3位は「第9世代Coreプロセッサ“Coffee Lake Refresh”が発売、最上位“Core i9-9900K”は一時争奪戦に」 (570票)

「Coffee Lake Refresh」最上位のCore i9-9900K。12面体というユニークなパッケージに入っている
最大で8コア/16スレッドに対応
Core i9-9900K発売当日の様子
こちらは8コア/HT非対応のCore i7-9700K

 「Coffee Lake Refresh-S」こと第9世代のデスクトップPC向けIntel Coreプロセッサの最上位モデル「Core i9-9900K」が発売されたのは11月2日(金)。その前からショップブランドPCに搭載される形でCPUは出回っていたが、やはり多くの自作PCユーザーの目はCPU単品での発売に向けられていたようで、発売当日は朝早くから購入を希望する人々がショップに集まった。あるショップでは“徹夜組”も出たといい、また一区画に沿うように長蛇の列ができたショップもあった。

 Intel製CPUの新たな上位モデルであり、さらに発売が延期された(当初の発売予定日は10月19日)ことで期待が高まったのは確かだが、購入希望者の気を早らせたのは、ショップのCPUの入荷数が少ないと事前にアナウンスされたためだろう。発売時に各ショップが用意できたCore i9-9900Kの在庫は数個、十数個といった単位で、抽選販売を実施したショップでは当選確率が2割前後というまさに争奪戦の状態だった。

 ちなみに、Intel製CPUの品薄状態は第9世代Coreの発売前から深刻化していて、10月初旬には「入荷状況の悪化」を理由に第8世代Coreの販売価格を引き上げたショップもあった。こうした状況が、ライバルであるAMD製CPUの人気の高まりに繋がったと見る向きもある。

 ただ、11月下旬以降は第9世代Coreの品薄が解消しつつあり、直近の12月下旬時点ではCore i9/i7/i5のいずれもショップで購入できる状態にある。Core i9-9900Kについては、ショップが品薄を補う形でバルク品を入荷するといった動きも見られた。

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4位以降のランキングは以下のとおり。

順位ニュース/解説s
4位
(566票)
かんだ食堂やタニマなどの老舗飲食店が相次いで閉店、杉元ビルのガレージセールも閉鎖
(リナカフェ跡地のリニューアルやとんかつ 冨貴の店舗解体も始まる)
5位
(516票)
第2世代Ryzen「Pinnacle Ridge」がデビュー、夜間販売には150名以上の人が集まる
(新型チップセットの「X470」「B450」搭載マザーボードも発売)
6位
(488票)
リアルタイムレイトレーシング対応のNVIDIA製GPU「GeForce RTX 20」シリーズがデビュー
(最上位の2080 Tiは実売17万円以上)
7位
(406票)
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10位
(301票)
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(品薄は第8世代Coreプロセッサが中心、購入制限を設けるショップも)
11位
(266票)
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(NAS向けを中心に投入)
12位
(229票)
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13位
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14位
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