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真夏に備えろ! 簡易水冷CPUクーラー10選【性能アップのカギは冷却にあり!冷却最前線 ③】
DOS/V POWER REPORT 2023年夏号の記事を丸ごと掲載!
2023年12月13日 10:11
真夏に備えろ! 簡易水冷CPUクーラー10選
ARCTIC Liquid Freezer Ⅱ 420
クーラーはもちろん、とくにグリスでよく耳にする機会が多いだろうARCTICの製品。LED機能は非搭載だが、42cmクラスと考えるとお買い得な価格が魅力。ほかにもユニークな特徴を満載しており、見どころが多い。まず組み立てやすさは特筆もので、ファンはラジエータに装着済みのほか、ケーブルも水冷ヘッドから出ている4ピンPWMケーブル1本を接続するだけ。裏面配線の手間も最小限だ。また、水冷ヘッド上には小径ファンを備えており、水冷ヘッドの冷却をアシストする。
Corsair Gaming H100x RGB ELITE
24cmクラスで水冷ヘッドとファンにARGB LEDを搭載したモデル。古くから簡易水冷のノウハウを持つCorsairらしく、初心者にも組み立てやすい設計だ。ベースプレートは大きく、LGA1700やAM5の大きなヒートスプレッダも問題なくカバーしている。ただ、静音性重視の設計なのかファンの回転数は控えめ。比較的TDPが小さいミドルレンジクラスのCPUや、大型空冷クーラーが物理的に入らない小型PC 向けの製品と言えるだろう。
Corsair Gaming iCUE H170i ELITE CAPELLIX XT
42cmクラスで水冷ヘッド、ファンともにARGB LEDを搭載。ヘッドプレートはLGA20xxやsTRX4もカバーする大型のものだ。Corsairの専用ツール「iCUE」でソフトウェア制御を行なえるほか、iCUE対応のファン&LEDハブが付属し配線をまとめられる。iCUEでは各回転数制御のトリガーを冷却液温度やCPU温度、GPU温度と選択できる。CPU周辺のやぐら構造はスタンダード。部品数も少なめで組み立てやすい。ファンは口径もあってやや低回転寄りだが風量は大きめ。
DeepCool Industries LS720 WH
36cmクラスで水冷ヘッド、ファンともARGB LEDを採用しているモデル。今回検証したのはホワイトモデルで、このほかブラックモデルもある。水冷ヘッドは標準のほか、ユーザー自身でデザインできる無地の交換キャップも付属する。ポンプは三相モーターを採用し、最大3,100rpmと強力。ファンも最大2,250rpmと比較的高回転だが、FDB軸を採用しており動作音は静かだ。リテンションパーツは少なめで組み立ても簡単。
MSI MAG CORELIQUID 360R V2
36cmクラスで水冷ヘッド、ファンともにアドレサブルRGB LEDを採用。ユニークなのがポンプをラジエータ部に内蔵しているところだ。そのため水冷ヘッド側には配線がなくスッキリ。ケーブルはすべてラジエータ側なので、マザーボード付近のケーブルの露出を抑えることができる。リテンションパーツは部品数も少なくシンプルで組み立てやすい。ヘッド形状は違うが構造はおおむねCorsair製品のそれと同じだ。
NZXT Kraken 360 RGB
36cmクラスで水冷ヘッドにLCDパネルを搭載するモデル。比較的高価なモデルだが、NZXTらしいスタイリッシュな見た目は多くのファンを持つ。水冷ヘッドやファンの制御は専用ツール「CAM」を用い、本体とマザーボード上のUSBピンヘッダに接続する専用ケーブルを備える。水冷ヘッド自体はAsetek製のものと同様でスタンダードな設計。やぐらを組む際のパーツ数も少なめかつ構造もシンプルなので、誰でも組み立てやすい。
ProArtist GRATIFY AIO5
36cmクラスで水冷ヘッドとファンにARGB LEDを搭載するモデル。個性的なのはヘッドの水温表示機能で、LCDではなくLEDによるデジタル表示となっている。チューブの根本のリングがブルーで、バイク用のカスタムブレーキホースのような見た目も特徴。こうした豪華な見た目に反して価格は手頃。ラジエータにファンが装着済みなので取り付けはラクだが、やぐらの組み立ては最近のトレンドよりも工数が多め。トータルでは普通の製品と同じくらいの手間だと思ったほうがよい。
Thermaltake Technology TOUGHLIQUID 280 ARGB Sync
28cmクラスで水冷ヘッドにARGB LEDを搭載したモデル。ファンには渦巻き状ブレードの同社TOUGHFANを採用。14cm角ということもあり最大2,000rpmで風量は119.1cfmという強力なスペックだ。取り付けパーツはオーソドックスなタイプで組み立てやすく、リテンションブラケットも差し込みタイプで交換がラクだ。今回の製品は28cmクラスだが同シリーズには36cmクラスもある。
ZALMAN Tech Reserator5 Z36
36cmクラスで水冷ヘッドにARGB LEDを搭載するモデル。ヘッド内ポンプには吸入、排出の二つのブレードを設け、冷却液の流速を高めている。ただ設計思想が古いのか、ほかの製品なら半組み立て済みの部品もすべて一から組み立てが必要だ。部品の種類が多いのでドライバーも#1のほか#0または#0.5を用意しよう。ただし組み立てれば強固。LGA1700用バックプレートは樹脂製だが、そのほかのソケット向けは金属製だ。
玄人志向 KURO-AIOWC360
サイズとのコラボで話題になった玄人志向の簡易水冷だが、こちらはファンが非発光のシックなモデル。トレードマークの「サングラス」ロゴも交換キャップで非発光化できる。ベースはAsetek製なので、性能は用いるファンによるところが大きいが、本製品は性能と静音性で定評あるファンを採用。最大回転数は高めだが実際には比較的静かな印象だ。LED不要、側板が非クリアのケースで運用するなら十分な性能とコスパが光る。
[TEXT:石川ひさよし]
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今回は、DOS/V POWER REPORT「2023年夏号」の記事をまるごと掲載しています。
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