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【PC自作の新常識】最新のディスプレイを購入する際のポイントは?

DOS/V POWER REPORT 2022年秋号の記事を丸ごと掲載!

Q、最新のディスプレイを購入する際のポイントは?

 購入時に確認すべき項目を知りたい

A、ゲームに役立つ仕様・機能の役割、世代を把握しておきましょう

  • 可変リフレッシュレートはPC側と液晶側の対応が必要
  • HDMIとDisplayPortはバージョンで仕様が変わる
  • ケーブルにもバージョンがある。古いケーブルの使いまわしには注意

可変リフレッシュレートの効果と種類

画面のズレやもたつきを防ぐ
PCと液晶の描画タイミングが合わないと画面ズレのテアリングや描画がもたつくスタッタリングなどが発生し、ゲームプレイに悪影響がある。それを防ぐのがPCと液晶の描画を同期させる可変リフレッシュレート(VRR)だ

 ゲーミング液晶の基本機能と言える「可変リフレッシュレート」。Variable Refresh Rateを略してVRRと表記されることも多いが、これはPCの描画(フレームレート)に合わせて液晶のリフレッシュレートを変化させるというもの。

 PCと液晶で映像書き換えのタイミングが合わないため画面がズレる「テアリング」、描画がカクつく「スタッタリング」といった問題を解決できるのが最大の強みだ。

【POINT!】PCと液晶の両方の対応が必須
可変リフレッシュレートを利用するには、液晶側とPC側それぞれが対応する必要がある。どちらかだけの対応では利用できないので注意してほしい

 ただし、これを利用するにはPC側と液晶側両方の対応と設定が必要になる。PC側としてはNVIDIAのG-SYNCおよび互換のGSYNC Compatible、AMDのFreeSyncがあり、それぞれ対応するビデオカードが必要だ。

 液晶側も対応する規格は異なるので、導入を考えるなら双方の対応状況を確認を。

G-SYNC、FreeSyncなど可変リフレッシュレートに対応する液晶のリストはNVIDIA、AMDそれぞれのWebサイトで公開されている

映像入力のバージョンによる違い

 HDMI、DisplayPortと一口に言っても、「バージョン」によって解像度やリフレッシュレートの上限が決まっていて、どのバージョンに対応しているかは機器によって決まっている。4K/144Hz以上で使用するにはDisplayPort 1.4以上、HDMI 2.1以上のディスプレイが必要だ。もちろんPC側にも注意が必要。

購入前にチェックしておきたい
複数の映像入力を備える液晶は多いが、同じHDMIでもポートによって2.0、2.1など異なる場合がある。利用する上で注意しておきたい
HDMI、DisplayPortのバージョンは液晶のスペックで確認できる。ただし、解像度やリフレッシュレートの上限は製品ごとに異なる点に注意

 HDMI 2.1をサポートするのはGeForce RTX 3000シリーズおよびRadeon RX 6000シリーズからとごく最近のモデル。HDMI接続で高リフレッシュレート設定できない……という場合はビデオカードの対応を確認するのがよいだろう。

 ちなみに、いち早く4Kの高リフレッシュレートに対応したDisplayPort 1.4はGeForce GTX 700シリーズおよびRadeon RX 400シリーズからと古くからサポートされている。そのため、高リフレッシュレート表示はDisplayPort接続時のみというゲーミング液晶も多い。液晶を使うときは、映像入力の仕様とビデオカード側の仕様、両方を確認することが大切だ。

※HDMI、DisplayPortともディスプレイストリーム圧縮を利用した場合にはもっと高解像度&高リフレッシュレートに対応できる場合がある

ケーブルの対応にも気を付けよう

 HDMI、DisplayPortのバージョンはケーブルにも当てはまる。ケーブルによって対応できるバージョンは異なり、万全を期すなら「最新バージョン、全機能対応」をうたうものを選ぶのが確実と言える。下位互換があるので、最新バージョンに対応していれば、古いバージョンの環境でも動くからだ。ディスプレイは買い替えたけど、横着してケーブルは今まで使っていたものを流用とすると、性能が正しく発揮できなかったり、表示できない可能性もあるので注意が必要だ。

ケーブルによって対応するバージョンは異なる。購入時にパッケージなどで確認しておこう。バージョンが合わないと高リフレッシュレートに設定できないといったトラブルが起きる可能性がある

 また、コネクタ形状にも注意したい。HDMIはPCでは一般的なタイプA以外はめずらしいが、GeForce GTX 500/600時代にミニ形状を採用していた。DisplayPortのMini形状はノートPCの外部出力や一部のディスプレイの入力端子としても採用されている。

HDMIにはコネクタの種類として一般的なタイプA(写真左)のほか、ミニ(写真中央)とマイクロ(写真右)形状がある。接続するデバイスの形状を確認しておきたい
DisplayPortも一般的な形状(写真左)に加えて、ノートPCでの採用例が多いMini DisplayPort(写真右)が存在する。こちらもデバイスに合わせて選ぼう

[TEXT:芹澤正芳]

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