パワレポ連動企画
【PC自作の新常識】古いパーツは最新のプラットフォームで使える?
DOS/V POWER REPORT 2022年秋号の記事を丸ごと掲載!
2023年2月27日 00:00
Q:古いパーツは最新のプラットフォームで使える?
使えるパーツは可能な限り活かしたい
A:メモリやストレージは使い回しやすい
- CPUの流用はRyzen以外では厳しい
- ビデオカードは装着自体は可能だがドライバやUEFIサポートに問題アリ
- 電源は定格出力と搭載パーツしだい
“CPU”の流用は難しく、メリットは少ない
旧世代のCPUは最新プラットフォームで使えないことがほとんどだ。InelのZ690チップセットが対応するCPUは第12世代と第13世代のCoreシリーズ。ソケット形状も異なる旧世代のCPUは対応しない。一方、AMDは5年前に登場したSocket AM4が現役で使われており、Ryzen 2000シリーズ以降なら、現行世代のX570やB550チップセットでも使える。性能が足りるかはともかくCPUを使い回しやすいプラットフォームだ。
DDR4“メモリ”はまだ現役
Intelの第12/第13世代CoreはDDR5とDDR4の両方をサポートし、AMDのRyzen 5000シリーズまではDDR4のみ、登場間近のRyzen 7000シリーズはDDR5のみの対応だ。DDR4メモリは2014年発売と歴史が長く、持っている自作好きも多いはず。第12世代Coreに関しては現在のところDDR5とDDR4の性能差はほとんどないと言ってよい。最新プラットフォームであってもDDR4メモリは十分現役として活躍できる。
使い回しをしやすい“ストレージ”
ストレージも最新プラットフォームで使い回しやすいパーツだ。ストレージのインターフェースは基本的に上位互換があり、長く使われているSerial ATAもまだ現役だからだ。古いHDDやSSDでも故障さえしていなければ、基本的には最新プラットフォームでもそのまま使えるケースがほとんど。注意したいのは、M.2形状でSerial ATA接続のSSDだ。M.2スロットにはPCI Express接続だけ対応と、PCI Express/Serial ATA両対応の2パターンがあるためだ。M.2スロットが1基だけの小型マザーボードは、PCI Express接続のみの対応というパターンが多い。
古い“ビデオカード”はUEFIやドライバ問題が
古いビデオカードでもPCI Express対応ならば、最新プラットフォームで物理的には接続できるが、正しく動作しない可能性が高い。まず、2012年以前のビデオカードはUEFIに対応していないものが多く、現在のマザーボードでは認識できない可能性がある。それに加え、古いビデオカードはそもそもWindows 11用のドライバの提供が打ち切られていることも。NVIDIAならGeForce 600シリーズ以降、AMDならRadeon RX400シリーズ以降がWindows 11に対応する。
“電源”はマザーボードやビデオカードの仕様に注意
電源も比較的使い回しやすいパーツだが、出力と電源ケーブルの数には注意したい。とくにハイエンドビデオカードは推奨電源の出力が大きい上に、8ピンの補助電源を複数必要とする製品が多い。古い電源は8ピンの補助電源ケーブルが1本だけというケースもあり、現行のハイエンド環境には対応しにくい。逆にエントリークラスのビデオカードでよいなら使い回しはしやすいと言える。
CPU | Core i9-12900K(16コア24スレッド) |
マザーボード | ASRock Z690 PG Velocita(Intel Z690、DDR5)、ASUSTeK TUF GAMING Z690-PLUS WIFI D4(Intel Z690、DDR4) |
メモリ | G.Skill Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX(PC4-25600 DDR4 SDRAM 16GB×2 ※CPUの定格で動作)×2、Kingston FURY Beast KF552C40BBK2-32(PC5-41600 DDR5 SDRAM 16GB×2 ※CPUの定格で動作) |
システムSSD | Corsair CSSD-F1000GBMP600[M.2(PCI Express 4.0 x4)、1TB] |
データSSD | Silicon Power SP002TBP34A80M28[M.2(PCI Express 3.0 x4)、2TB] |
電源 | Super Flower LEADEX TITANIUM 1000W(1,000W、80PLUS Platinum) |
OS | Windows 11 Pro |
[TEXT:芹澤正芳]
PC自作の新常識
- CPUとGPUのグレードでアプリやゲームの処理がどこまで変わる?
- 最近のIntel CPUの性能を引き出すにはUEFIの設定が必要?
- 最近のCPUは発熱が大きいって聞くけど、どうやって確認したらいい?
- グリスの量、塗り方、今選ぶべきグリスは?
- 今まで使っていたCPUクーラーはSocket AM5でも使える?M.2 SSDはどのスロットで使うのがベスト?
- 冷却性能強化のためメッシュケースに変更予定、でもホコリが気になる……
- 簡易水冷型CPUクーラー結局どこに付けるのが正解なの?
- 古いパーツは最新のプラットフォームで使える?
- Game ReadyドライバとStudioドライバはどこが違う?GPUドライバが多機能になっているみたいだけど?
- 4Kやゲーミング液晶を使うときに気を付けておくことは?
- 最新のディスプレイを購入する際のポイントは?
- 今、電源を選ぶ際の注意点は?
- マザーボードに接続するファンなどのコネクタが足りない!非対応機器でType-Cコネクタを活用するには?
- USB規格が複雑過ぎてよく分からない……
- マザー標準搭載の“2.5GbE”ってどうすれば有効活用できるの?
- Windows 11とWindows 10で性能差は出るの?
最新号「DOS/V POWER REPORT 2023年冬号」は絶賛発売中!
今回は、DOS/V POWER REPORT「2022年秋号」の記事をまるごと掲載しています。
なお、最新号「DOS/V POWER REPORT 2023年冬号」では、年末恒例の「PCパーツ100選 2023」を総力特集。また、本特集では、PCパーツ選びの最新基準を徹底解説!是非ご覧ください!