【PC自作の新常識】冷却性能強化のためメッシュケースに変更予定、でもホコリが気になる……

ホコリがたまりやすい場所を知る

　PCケース内部や各パーツにホコリがたまると見た目にも不快になるものだが、それ以上にパーツの冷却にも悪影響を与えることがある。防塵フィルタが汚れるとケース内部のエアフローを阻害してしまうし、ファンにホコリがたまればスムーズに動作できなくなり、冷却性能の低下につながる。

前面の吸気ファン付近が最重要ポイント

外気に含まれるホコリをケース内部に取り込まないように、吸気ファンの手前に防塵フィルタを装備しているPCケースは多い

　こうしたホコリが一番たまりやすいのは、吸気ファンの手前にある防塵フィルタだ。防塵フィルタは外気に含まれるホコリをトラップしてくれる便利なアイテムだが、それだけにこまめなメンテナンスと清掃が不可欠。ひと月に1回くらいは目詰まりで風の通りが悪くなっていないかどうかを確認し、必要に応じて清掃を心掛けたい。

天板がメッシュ構造の場合、やはり外気に含まれるホコリが内部に入り込みやすいため、防塵フィルタがかぶせてあることが多い

電源ユニットを底面に組み込むPCケースでは、電源ユニット用の吸気口もホコリが入り込む場所の一つ

　天板もホコリが積もりやすい場所だ。メッシュ構造を採用するPCケースでは主に排気口として利用する場所なので、ここもキレイに保っておく必要がある。天板の防塵フィルタを、定期的に濡れた布で清掃しておこう。

　もう一つ意外と気が付きにくいのが底面。組み換えする際に、電源ユニットの吸気口がびっしりとホコリで詰まっていた経験があるユーザーも多いだろう。ここも定期的に点検し、ホコリを取り除いておこう。

重要な清掃ポイントにアクセスしやすいPCケースとは？

　ホコリがPCの性能にも大きな影響を与えることがある以上、PCケースを選ぶ際には清掃のしやすさもチェック項目に加えるべきだ。メッシュ構造を採用するPCケースにも低価格なモデルはあるが、力を入れて前面パネルを引っ張らないと外せないことが多く、防塵フィルタの清掃もままならない。

防塵フィルタまわりの状況に注目

Corsair Gaming 4000D Airfl ow Tempered Glass 実売価格：13,000円前後

ピンで固定されたメッシュの前面パネルや、その奥に組み込まれている防塵フィルタを簡単に外せる

　オススメなのはCorsairの「4000D Airflow Tempered Glass」やFractal Designの「Torrent」シリーズなどのように、前面パネルや防塵フィルタを簡単に取り外せるタイプのPCケースだ。自作PCを設置場所から引っ張り出したり、側板を外したりといった作業が必要ないため、気軽に清掃できる。

　このほか前面パネルが扉になっているタイプだと、その奥の防塵フィルタにアクセスしやすい。最近では、前面の防塵フィルタだけを上や左側面に引き抜けるユニークな構造を採用するPCケースも登場している。

前面パネルが簡単に外れる！

Fractal Design Torrent Compact Black TG Dark Tint 実売価格：20,000円前後

前面パネルが磁石で固定されているので簡単に外せるほか、防塵フィルタも外しやすい構造を採用

底面の防塵フィルタは、前面側に引き出せるようになっている

　底面の防塵フィルタは、背面に引き抜く構造のPCケースが多かった。設置場所によっては作業がめんどうだが、この防塵フィルタを前面側に引き抜けるようにしているPCケースが増えてきた。こうした構造は、PCパーツショップに並ぶ現物で確認できる。購入前に一度チェックしておくとよい。

一手間加えてPCケース内部へのホコリ流入を防ぐ

　ホコリは外気に漂うチリなので、PCケースの開口部にフィルタを張っておくことで、入り込むホコリを少なくできる。たとえば、台所で調理中の油が換気扇内に入り込むことを防ぐレンジフードフィルタなどを開口部に張っておくことで、ホコリが内部に入り込むことを防げる。

　また、床にPCを直置きすると床に近い場所を漂う多量のホコリを吸気ファンが吸い込みやすい。PCスタンドなどを利用して床からPCを離すことで、ホコリを取り込みにくくすることも可能だ。

防塵フィルタを追加したり、PCを床から離すのも効果的

ホームセンターで購入できる薄手のレンジフードフィルタで、吸気口を塞いでやるとよい

サンワサプライ CPUスタンド CP-031 実売価格：2,500円前後　幅25.5cmまでのPCケースに対応したデスクトップPC用のスタンド。PCを床から7.8cm離せるため、床のホコリを吸い込みにくくなる

[TEXT：竹内亮介]