パワレポ連動企画

【PC自作の新常識】CPUとGPUのグレードでアプリやゲームの処理がどこまで変わる?

DOS/V POWER REPORT 2022年秋号の記事を丸ごと掲載!

Q:CPUとGPUのグレードでアプリやゲームの処理がどこまで変わる?

 コア数はどのぐらい必要? GPUとの組み合わせも重要?

A:CPUは4コアでは物足りない時代に

  • クリエイティブ用途なら8コア以上、12コアが狙い目
  • GPUの性能を引き出すにもCPUがカギを握る
  • 高フレームレートを目指すならミドルレンジ以上のGPUを選ぼう

写真と動画編集はCPUでココまで変わる

10種類のCPUでチェック
ここではPhotoshopとLightroom Classicを実際に動作させてさまざまな処理を行なうUL Procyon Photo Editing Benchmarkと動画エンコードアプリのMedia Encoder 2022を使ったテストを実行した

 CPUの違いがクリエイティブ系の処理にどこまで影響するのか。ここではIntel、AMDそれぞれでコア数の異なるCPUを用意してのテスト結果を紹介する。

 テストの一つは、写真編集アプリ「Photoshop」と写真管理アプリの「Lightroom Classic」を実際に使用する「UL Procyon Photo Editing Benchmark」、もう一つは動画エンコードアプリ「Media Encoder 2022」を使用して「Premiere Pro」で編集した約3分の4K動画を、4KのMP4ファイル(50Mbps)として書き出すのにかかった時間をH.264とH.265形式のそれぞれで測定したものだ。

 クリエイティブ系の処理はコア数が多いほど快適度がグッとアップするのがよく分かる結果だ。とくに10コアのCore i5-12600Kや12コアのRyzen 9 5900Xから一気に性能向上しているのが見て取れる。

 その一方で、12コアと16コアの差はそれほど大きくない。10コアから12コアのCPUが性能、コストパフォーマンスの面からもクリエイティブ用途では狙い目と言えるだろう。4コアでもCore i3-12100は写真編集では健闘しているが、どうしてもエンコードのスピードは遅くなってしまう。

ゲームはCPUとGPUの組み合わせでフレームレートが大きく変化

定番のベンチとゲームで測定
3D性能を測る定番ベンチの3DMarkと人気FPSのレインボーシックス シージでCPUとGPUのグレード別に性能をチェックする
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 続いて、GeForce RTX 3080をさまざまなCPUと組み合わせるとどう性能が変化するのか、逆にCore i9-12900KをさまざまなGPUと組み合わせるとどう性能が変わるのかを定番のゲーム系ベンチマークでチェックしていきたい。

レインボーシックス シージはアップスケーラやReflexはOFFに設定し、ゲーム内のベンチマーク機能で測定している

 まずはCPU別の結果から。ハイエンドのビデオカード性能を活かしきるには、CPU性能も重要なことが分かる。

 とくに4コアのCPUはスコアがガクッと下がる。4コアのRyzen 3 4100は、6コアのRyzen 5 5600Xに対してレインボーシックス シージのフレームレートが半分以下になるのは衝撃的と言ってよいだろう。

 ゲームもマルチコアへの対応が進んでおり、ビデオカードの性能を活かすためにも6コア以上のCPUをオススメしたい。

 GPU別の結果を見ると、ミドルレンジとエントリーには高い壁があるのが見て取れる。RTX 3060 TiとRTX 3050を見ると、レインボーシックス シージの平均フレームレートで160fps近くの差がある。

 両者は価格差が3万円ほどあるので、性能差は妥当と言えるが、高リフレッシュレート液晶と組み合わせて高フレームレート環境でゲームをプレイしたい、またはAAA級のタイトルを高画質で遊びたいと考えるなら、RTX 3060 TiやRX 6650 XTなどミドルレンジ以上のビデオカードを選びたい。

 フルHDで60fps出れば十分という割り切りができるのであれば、GTX 1650やRX 6400といったエントリークラスも十分アリだ。

【検証環境】
マザーボード<LGA1700> ASRock Z690 PG Velocita(BIOS10.02)(Intel Z690、DDR5)、ASUSTeK TUF GAMING Z690-PLUS WIFI D4(BIOS 1503)(Intel Z690、DDR4)、<Socket AM4>GIGA-BYTE B550 VISION D(rev. 1.0)(BIOS F15c)(AMD B550)
メモリG.Skill Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX(PC4-25600 DDR4 SDRAM 16GB×2 ※各CPUの定格で動作)×2、Kingston FURY BeastKF552C40BBK2-32(PC5-41600 DDR5 SDRAM 16GB×2 ※各CPUの定格で動作)
システムSSDCorsair CSSD-F1000GBMP600[M.2(PCI Express 4.0 x4)、1TB]
データSSDSilicon Power SP002TBP34A80M28[M.2(PCI Express 3.0 x4)、2TB]
電源Super Flower LEADEX TITANIUM 1000W(1,000W、80PLUS Platinum)
OSWindows 11 Pro

[TEXT:芹澤正芳]

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