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【PC自作の新常識】マザー標準搭載の“2.5GbE”ってどうすれば有効活用できるの?
DOS/V POWER REPORT 2022年秋号の記事を丸ごと掲載!
2023年3月15日 10:05
Q、マザー標準搭載の“2.5GbE”ってどうすれば有効活用できるの?
貴重な高速インターフェース、ムダに眠らせておくのはもったいない!
A、最低限、有線LANハブを用意すれば簡単に乗り換えられます!
- 5GbE、10GbEに比べれば導入コストはぐっとお安め
- 従来のLANケーブルがそのまま利用できる確率大
- 通信相手も2.5GbE対応がベスト。PCはもちろんNASや高速インターネットなどが効果的
移行のハードルは比較的低め。ハブ/ルーターを整えればひとまずOK
2.5ギガビットイーサネット(2.5GbE)は、最大転送速度2.5Gbps(2,500Mbps)の有線LANの規格だ。正式には、2.5GBASE-TとしてIEEE802.11bzで規格化されている。最近では、ミドルレンジ以上のマザーボードやゲーミングノートPCなどにも標準搭載されており、最大1Gbpsの従来の1000BASE-Tを置き換える流れが高まってきている。
1Gbpsを大きく超える転送速度を実現可能な有線LANの規格には、最大5Gbpsの5GBASE-T、最大10Gbpsの10GBASE-Tが存在するが、2.5GBASE-Tは転送速度こそ控えめなものの“価格が安い”のが最大の特徴。
マザーボードだけでなく、PCI ExpressやUSB接続の有線LANアダプタも安価かつ豊富に販売されている。対応したケーブルとハブも必要となるが、ケーブルも従来の1000BASE-Tと同じカテゴリー5eを流用できる(新たに購入するにしても安価)。
ハブについては、2.5GBASE-T対応のハブ、または2.5GBASE-T対応Wi-Fiルーターが求められるが、2.5GBASE-T対応ハブ(スイッチングハブ)は、上位規格に比べるとかなり安く、実売1万円以下から購入できる。全体としては導入の敷居は5/10GBASE-Tに比べれば高くない。
有効活用するには「つなぐ先」も速くなければ宝の持ち腐れ!?
実際に2.5Gbpsで通信するには、PCだけでなく、つなぐ先の機器も2.5GBASE-T以上に対応していないと意味がない。
たとえば、PCとハブを2.5GBASE-Tで接続したとしても、その先につながっている光ファイバーやルーターが1000BASE-T対応であれば、実効速度は遅いほうの1Gbpsで頭打ちとなってしまう。
このため、2.5GBASE-Tの速度を最大限に活かしたいのであれば、つなぐ先も2.5GBASE-T以上にしておく必要がある。具体的には、インターネット接続であれば2.5Gbpsを超える速度に対応の光ファイバー接続サービスと2.5GBASE-Tに対応したWi-Fiルーター、ファイル共有であれば2.5GBASE-T対応のNASなどが必要になる。
もちろん、一度に置き換える必要はない。同一のハブに2.5GBASE-Tと1000BASE-Tを接続することもできるし、既存の1000BASE-T対応のハブに2.5GBASE-T対応のハブを接続することもできる。最初はバックアップやデータ保存の高速化を目指してNAS、次はインターネット接続の高速化を狙って回線といったように、優先順位を付けながら、徐々に2.5GBASE-T化していくとよいだろう。
A、2022年9月、ようやく認可されました!
•対応ルーターが必須だが、干渉や混雑の解消に期待
•ハード的に対応していても既存PCでの機能開放は不透明な状況
最高速度自体は据え置きも、混雑緩和で実効速度はアップする!?
Wi-Fi 6Eは、利用可能な周波数帯域として新たに6GHzを追加した新しいWi-Fiの規格だ。海外で先行して展開されていたが、日本でも9月2日の省令で利用可能になった。新しい規格と言っても変調方式などの基本的な仕組はWi-Fi 6(802.11ax)と同一、転送速度も従来のまま(端末側で2,402Mbps)だ。
では、何がメリットなのか?と言うと、“空いている6GHz帯を活用できる”点にある。6GHz帯の追加によって、干渉しないチャンネルが160MHz幅で3系統追加され、合計五つのチャンネルを干渉せずに利用可能になった。また、現状はそもそも6GHz帯の利用者がほとんどおらず空いている上、従来の5GHz帯のように、レーダーとの干渉を避けるためのDFSという仕組を利用する必要がなく、レーダーを検知したときの一時的な停波やチャンネル変更が必要なくなった。
実際に利用するにはWi-Fi 6E対応ルーターが必要になるが、それだけでなくPC側の対応も必要だ。マザーボードによっては、すでにWi-Fi 6E対応モジュール(Intel AX210など)が搭載されているモデルもあるが、6GHz開放前のPCの場合、ハード的には対応していても利用できない状況にある。メーカーによっても異なると思われるが、9月中旬現在、利用可能になる時期や具体的な対応方法は明確になっていない。
発売済み製品の対応については現時点では未定
発売済みのモジュールでWi-Fi 6E を使えるようにするには、モジュールベンダー(Intelなど)が、いわゆる“技適”として6GHz 帯に関する申請を新たに行なう必要があり、その際に別の登録番号を新たに取得することになる。つまり、ファームやドライバの更新だけでは既存のモジュールで6GHz帯が利用可能にならないのだ。そのため、現時点では既存製品での対応化/機能開放の状況は不透明だ(編集部注:マザー各社に確認中だが、具体的な予定に言及した回答は得られていない。モジュールベンダーの対応を待ってから今後が明らかになるものと思われる)。
CPU | AMD Ryzen 9 3900X(12コア24スレッド) |
マザーボード | ASUSTeK TUF Gaming B550-PLUS(AMD B550) |
メモリ | PC4-25600 DDR4 SDRAM 32GB×2 |
SSD | NVMe M.2 SSD(PCI Express 4.0 x4、1TB) |
オンボードLAN | Realtek RTL8125B 2.5Gbps Ethernet(2.5GBASE-Tおよび1000BASE-Tで使用) |
OS | Windows 11 Pro |
スイッチ | QNAP QSW-2104-2T |
iPerf3 | テストPCサーバー上でiPerf3をサーバーモードで起動後、テストPCでiPref3を実行して計測 |
SpeedTest.net | テストPCからSpeedTest.netにアクセスして計測 |
CrystalDiskMark 8.0.4 | テストPCサーバー上に作成した共有フォルダをテストPC上でネットワークドライブとして割り当て、このドライブに対してテストを実行 |
CPU | Intel Core i3-10100(4コア8スレッド) |
マザーボード | MSI H510I PRO WIFI(Intel H510) |
メモリ | PC4-21300 DDR4 SDRAM 16GB×2 |
SSD | NVMe M.2 SSD(PCI Express 3.0 x4、1TB) |
オンボードLAN | Realtek RTL8125B 2.5Gbps Ethernet(2.5GBASE-T)×1 |
OS | Windows Server 2019 |
スイッチ | QNAP QSW-2104-2T |
iPerf3 | テストPCサーバー上でiPerf3をサーバーモードで起動後、テストPCでiPref3を実行して計測 |
SpeedTest.net | テストPCからSpeedTest.netにアクセスして計測 |
CrystalDiskMark 8.0.4 | テストPCサーバー上に作成した共有フォルダをテストPC上でネットワークドライブとして割り当て、このドライブに対してテストを実行 |
[TEXT:清水理史]
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今回は、DOS/V POWER REPORT「2022年秋号」の記事をまるごと掲載しています。
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