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【PC自作の新常識】最近のCPUは発熱が大きいって聞くけど、どうやって確認したらいい?
DOS/V POWER REPORT 2022年秋号の記事を丸ごと掲載!
2023年2月2日 10:05
A:無料のツールで簡単に確認できる
・マザーボード付属ユーティリティでも可能
・CPU温度が高い場合は対策が必要
CPUの温度は定期的にチェックしよう
最近のCPUは動作クロックが細かく変化するようになっている。定格クロックで動き続けるのではなく、消費電力や温度に余裕がある場合はクロックを自動で引き上げてくれるのだ。Intel Turbo BoostやAMD Presicion Boost 2など、メーカーによって名称は異なるが動作の原理は近しい。
前述のようにブーストクロックを決める際に温度を監視しているため、CPU温度が低いほうがクロックが高くなり性能が向上するようになっている。
Intel CPUの場合は消費電力の監視が甘めの傾向で、CPU温度が100℃(設定によって異なる場合あり)に達すると保護のため動作クロックが下がる(サーマルスロットリング)。目安としては90℃以下に抑えておけばクロック低下が起きにくいと考えておこう。
AMD CPUの場合はIntel CPUよりも温度監視がシビアで、CPU温度が低いほうがブーストクロックが高くなる傾向がある。温度はできるだけ低いほうがよいので、CPUクーラーへの投資効果が高い。
つまるところ、両方ともCPU温度が高過ぎると十分な性能が発揮できないということだ。HWiNFOなどの監視ツールを使ってCPU温度を確認し、高い場合はより高性能なクーラーに交換するなどの対策を取りたい。
A:自分のCPUとケースに合わせて買おう
・フラグシップ級は水冷推奨!
・とはいえ空冷クーラーで大半はカバーできる
・自分のケースに装着できるか事前にチェック
リテールクーラーから交換するだけで大幅性能UP
前ページでも話したように、リテールクーラーの冷却力はお世辞にも高いとは言えない。あくまで定格の電力制限で使う場合が想定されているので、電力制限を無制限にしたり、高い負荷で長時間動作させたりすると、CPU温度が上昇し過ぎてサーマルスロットリングが発生してしまう。
目安として各クラスの代表的なCPUクーラーをCore i7-12700でテストした結果が上のものだ。
CINEBENCH R23を連続で10分間実行するテストにおいては、ミドルレンジ空冷のサイズのKOTETSU MarkⅡ Rev.Bに交換するだけでもクロック低下なしの91℃に収まり、ハイエンド空冷のNoctua NH-D15 chromax.blackに交換すると81℃とさらに10℃低下した。
水冷ではL Sシリーズの12cmクラスが79℃、24cmクラスが70℃とさらなる低下が見られた。ただし36cmクラスではCPUの発熱に対してオーバースペックなのか、温度変化はなかった。
このように単に高い製品を買うだけではムダな出費になってしまう場合があり、自分のCPUや用途に合わせた製品を選ぶ必要がある。次の項目では、CPUのグレード別にどれくらいのCPUクーラーを使えばよいのかを一覧にまとめているので参考にしてほしい。
自分のCPUに最適なCPUクーラーを選ぼう
ここではCPUに合わせたクーラー選びについて筆者の経験をもとに解説していこう。まずはエントリークラスのCPU向けだが、このクラスはIntel Core i3やAMD Ryzen 3など4コアCPUが中心となっている。一昔前までは4コアCPUと言えばメインストリームの最上位クラスで発熱も大きかったが、最近のものは微細化も相まってかなり低発熱になっている。
CPUクーラーもCPUに付属するもので十分対応可能で、電力制限を無制限にしてもしっかりと冷却可能。人気CPUのCore i3-12100(F)もリテールクーラーで十分いける。ただし、静音性を重視したい場合は3,000円台のサイドフロー型に交換するとよいだろう。
ミドルレンジのCPUはIntel Core i5もAMD Ryzen 5も6コアとなり発熱は増えるため、CPU付属クーラーだとサーマルスロットリングでクロック低下が起きやすくなる。動作音も大きくなるので、5,000円前後のCPUクーラーに交換するのがベターだ。
サイズKOTETSU MarkⅡ Rev.BやDeepCool AK400などが価格と性能のバランスから人気。もう少し予算が出せる場合は、14cm角ファンを搭載するDeepCool AS500がハイエンドに迫る冷却力と静音性を持っているのでオススメだ。ただ、高さが165mmあるためケースを選ぶ点には注意。
ハイエンドクラスのCPUはIntelのCore i7が12コア(8+4)、AMDのRyzen 7が8コアとなり、電力制限を無制限にすると発熱がかなり大きくなる。価格的にはミドルレンジではあるが、10コア(6+4)のCore i5-12600Kもこのクラスに近い。このクラスになると空冷クーラーはDeepCool ASSASSINⅢやNoctua NH-D15などの大型なハイエンド製品が必須。
簡易水冷クーラーを使う場合は24cmクラス以上が望ましい。12cmクラスでも冷却は可能だが、大型ケースでは優秀な空冷クーラーが使えるので、小型ケース以外では積極的に採用する理由があまりない。ただ、今回検証したDeepCool LS320のように12cmクラスでも優秀なクーラーもある。なお28cmクラスは24cmクラスと同じく2連ファンでありながら製品によっては36cmクラスに迫る性能の製品もあり、こちらもチェックしておきたい。
フラグシップクラスはIntel Core i9もAMD Ryzen 9も16コアとなり、性能をフルに発揮させる場合は簡易水冷クーラーが必須となる。ラジエータのサイズは36cmクラス以上が望ましいが、冷却力の低い格安品だとそれでも冷やし切れない場合がある。本誌でも定評のあるCorsair iCUEシリーズやNZXT KRAKENシリーズ、最近発売されたばかりのDeepCoolのLSシリーズなどは安心できる。
CPU | Intel Core i7-12700(12コア20スレッド) |
マザーボード | MSI MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4(Intel Z690) |
メモリ | Micron Crucial CT2K8G4DFS832A(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2) |
ビデオカード | MSI GeForce RTX 3060 Ti GAMING X TRIO(NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti) |
SSD | Western Digital WD Blue SN570 NVMe WDS500G3B0C[M.2(PCI Express 3.0 x4)、500GB] |
電源 | MSI MPG A850GF(850W、80PLUS Gold) |
OS | Windows 11 Pro |
グリス | 親和産業 OC Master SMZ-01R |
室温 | 25℃ |
暗騒音 | 30dB以下 |
アイドル時 | OS起動10分後の値 |
高負荷時 | CINEBENCH R23 Multi Coreを10分間連続実行した際の最大値 |
FF14時 | FF14ベンチを実行中の最大値 |
CPU温度 | HWiNFOのCPU Packageの値 |
そのほかの温度 | HWiNFOの値 |
[TEXT:清水貴裕]
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