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【コスパ最強自作術⑦】PCケース編
DOS/V POWER REPORT 2023年春号の記事を丸ごと掲載!
2023年8月23日 09:05
PCケース編
ビデオカードやラジエータの対応状況も要確認 今時のPCケースに求められるのは冷却性能
PCケースは、自作PCの冷却においても重要な役割をになっている。価格重視で選ぶ場合でも、搭載するケースファンの数やサイズをきちんと確認しよう。また組み込みたいビデオカードやラジエータのサイズがマッチしていないと、物理的に干渉して組み込めない。
POINT 1 最優先はケースファンの搭載数、メッシュ構造も重要
価格重視でPCケースを選ぶ場合、まずは搭載するケースファンの数やサイズを確認したい。これまで筆者は何百台とPCケースを検証してきたが、ケースファンのサイズが大きく、搭載数が多いモデルほど冷却性能が高い傾向が見られた。最近では実売価格が1万円未満でも3、4基の12cm角ファンを搭載するケースはめずらしい存在ではなくなっており、その意味では選びやすくなっている。
またケースファンの電源コネクタは、電源ユニットのケーブルに直接接続するペリフェラルコネクタと、マザーボードに接続する3/4ピンコネクタがある。前者ではコネクタを何基も連続で接続できるので楽だが、マザーボードのファンコントロール機能を利用できないため静音化しにくい。スペック欄では確認しにくい情報なので、PCパーツショップ店頭などでチェックしよう。
前面や天板の構造にも注目したい。こうしたパネルが強化ガラスのケースよりも、メッシュ構造のほうがエアフローを阻害しにくく、各パーツの温度も下がりやすい。
POINT 2 ビデオカードは30~35cmまでの対応が多い
結論から言うと、「GeForce RTX 3080」や「Radeon RX 6800 XT」など、前世代の上位モデルであれば低価格PCケースでも問題なく利用できることが多い。
と言うのも、ここ2、3年でPCケースの内部構造は大きく変わり、メインパーツを組み込むエリアには5インチベイや3.5インチベイを配置しなくなっている。こうした影響で、前面ファンまでの広いスペースをビデオカードのために使えるようになった。そのため低価格ケースでも、おおむね長さ30 ~ 35cmのカードに対応することが多くなった。
一方で「GeForce RTX 4090」などを搭載し、カード長が35cmを超える最新のハイエンドカードを使いたい場合は、高機能ケースを選ぶべきだ。さらに低価格ケースは幅が狭いことが多く、新しい補助電源ケーブル「12VHPWR」を挿すと、ケーブルが側板に干渉することもある。
POINT 3 大型ラジエータを付けたい場合は前面がオススメ
簡易水冷型CPUクーラーへの対応強化はPCケース全体で進むトレンドの一つだ。低価格ATXケースでも36cmクラスの大型ラジエータに対応することはめずらしくない。ただ、高機能ケースに比べると大型ラジエータを取り付け可能な場所が限られることもあり、36cmクラスならほぼ前面のみ、天板は24cmクラスまでということが多い。状況に応じて標準搭載の前面ファンは天板などに付け換えよう。
低価格ケースでは期待できない機能もある
このように冷却やビデオカードの対応では不満を感じにくい低価格ケースだが、弱点もある。構造がシンプルなので、高機能ケースほど組み込みを助けるギミックが搭載されにくいのだ。たとえば、ラジエータ組み込みやケーブル整理が格段に楽になる天板の着脱機能を備えるモデルはまだないし、マザーボード裏面のケーブル整理用ギミックも最小限だ。また大きくて重いビデオカードを支えて歪まないようにするビデオカード用ホルダーを装備するのも、現状では高機能ケースのみだ。
[TEXT:竹内亮介]
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