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【コスパ最強自作術⑧】電源ユニット編

DOS/V POWER REPORT 2023年春号の記事を丸ごと掲載!

電源ユニット編

ここ数年、じわじわ値上げが進行中 消費電力の把握が第一歩 カギは付加価値の選択にあり

 PCパーツが求める電力を供給する電源。PCの心臓部とも言える重要パーツだけに、コストを抑えたい自作でも、妥協できる部分と妥協すると後悔しかねない部分がある。賢い電源選びのポイントを解説していこう。

POINT 1 出力と効率のトータルバランスで考える

 電源の価格を抑えたくても、小出力電源に負荷をかけるのは危険だ。安全性・安定性はもちろん、問題なく動作しているように見えても製品寿命を縮めている可能性もある。

自分のPCに必要な電源出力を知ろう
ドスパラの電源容量計算機 パーツを選ぶだけで消費電力の目安とお勧め電源出力が表示される(https://www.dospara.co.jp/5info/cts_str_power_calculation_main.html)
消費電力の2倍程度の電源出力がお勧め AC-DC変換の効率は負荷率50%付近がもっとも高い。高負荷時に消費する電力が300Wだとしたら、600Wクラスの電源を使うとムダがない

 まずPCに必要な電源出力の目安だが、これはメーカーやパーツショップが提供している出力計算サービスを利用すれば簡単な手順で知ることができるので参考にしてほしい。

PC構成別の消費電力と推奨電源出力の目安

 推奨される電源出力はPCの最大消費電力の2倍というのが定石。電源が電力変換を行なう際、最大出力に対して負荷率50%付近がもっともロスが少ない。また、電源の電力変換効率を検証・認証する80PLUSのグレードも重要な指標だ。電源における変換ロス=発熱なので、変換効率が低いほど熱によって寿命を縮めることになる。つまり効率の高い製品ほど、省エネであるうえ低発熱で長持ちしやすいということになる。

600~800Wクラス、変換効率Bronze~Goldが狙い目

 コストパフォーマンスを重視するにはときに妥協も必要だが、それでも出力についてはよく検討して選びたい。

POINT 2 出力が決まったらケーブルまわりの仕様を確認

プラグインケーブルは必須?
プラグインは必要なケーブルだけ接続すればよく、エアフローを妨げないとされてきたが、現在は裏面配線が主流でケーブルを隠しやすい。コスパ重視なら必須とは言い切れない

 電源ケーブルの仕様もコストに影響するポイントだ。すべてのケーブルが直付けのもの、一部の必須ケーブルのみが直付けのセミプラグインタイプ、すべてが取り外し可能なフルプラグインタイプに分かれており、後者になるほどコストが高い。組み立てやすいのはプラグインだが、昨今のPCケースは裏面配線スペースが充実しており、余ったケーブルを隠しやすい。こうしたケースと組み合わせるならば直付けモデルの安さも魅力的だ。

ビデオカードにほぼ必須 PCI Express端子
PCI Express端子の数は電源の出力に比例して増える傾向にある。あらかじめビデオカード側の仕様を調べて必要な数のコネクタがあるか要確認

 端子の種類や数もPCの構成に合わせて要チェックだ。内蔵GPUを利用するという方も、今後のアップグレードを見据えてPCI Express 6+2ピン端子は複数確保したい。また、2.5インチSSDやHDDをたくさん搭載したい方はSerial ATA端子に注目。最近は簡易水冷CPUクーラーやファン/ LEDハブでもこれを用いるので、この分も勘定に入れておこう。

ストレージやLEDで必要 Serial ATA端子
最近は簡易水冷クーラーのLED用としても使用する。多数のHDDやSSDを接続する場合は余裕があるか確認しておきたい

 12VHPWRはGeForce RTX 40シリーズで標準化されたものだ。これを採用するビデオカードには変換ケーブルも付属するが、安全性ではネイティブ対応が望ましい。ただ現状はハイエンドGPU限定なので優先度は低い。

新時代のGPU専用端子 12VHPWR端子
12VHPWRは大電力を供給するため、ネイティブ対応が理想。ただし変換アダプタで接続することもできるので妥協はできる

POINT 3 信頼性の目安を判断するにはここをチェック!

パッケージにも有用な情報が
内部部品の仕様はその製品の信頼性をうかがい知る上での目安になる。また、ATXのバージョンからは新しいほど設計も新しいといった見当が付く

 電源の評価というのは実際に長期間使ってみないと分からないところはあるが、目安になるような情報は製品パッケージに記載されている。耐熱105℃、日本メーカー製コンデンサ採用などはよく目にするポイントだ。

保証期間の長さは作り手の自信の現れ
部品の品質や加速試験などから耐用年数が、そこにサポートコストなどをかんがみて保証期間が設定される。ある程度の指標にはなるだろう

 また、保証期間も信頼性の目安になる。簡単に壊れるようでは利益が出ないので、信頼できるメーカーであればそれなりの目安になる部分だろう。また、出力まわりに関してはDC-DCコンバータの採用などもチェックしたい。Gold認証以上ではほぼ間違いなく採用されているが、Bronze認証製品は境界にある。効率向上に加えて+12Vをより多く融通できるのは大きなメリット。ビデオカードを使う場合はポイントとなるだろう。

DC-DCコンバータなどの内部設計にも注目
+12Vから3.3/5Vを生成するのがDC-DCコンバータ。より多くの電力を+12Vに回せるので昨今のPCにおいて使い勝手がよいと言えるだろう

[TEXT:石川ひさよし]

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