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時代時代をにぎわせた、あんなパーツこんなパーツ【自作PC史&極私的パーツ名鑑】

DOS/V POWER REPORT 2024年冬号の記事を丸ごと掲載!

時代時代をにぎわせた あんなパーツこんなパーツ

 決してメインストリームではないけれど一筋の流星のようにその時代を駆け抜けた忘れがたいオンリーワンのパーツたちを集めました。

もはや珍パーツ特集の常連!さとう珠緒の声でしゃべるマザー!

AOpen AX4BS PRO まいえんじぇる 実売価格:23,000円前後(2001年)

 起動時にBIOSベースで「おそい~ずっと珠緒待ったんだから~」と、さとう珠緒さんの音声が流れる史上初のタレントマザー。起動時にエラーがあった場合も音声が流れる。AOpenは過去、主要マザボメーカーの一つであると同時に、キワモノ系マザボメーカーとしても知られた存在だったのだ。

LGA775マザーにAtomが合体!2台分働けるヘテロジニアスマザー

DFI HYBRID P45 ION-T2A2 実売価格:48,000円前後(2009年)

 LGA775+P45とAtom+IONの2台分を1枚に詰め込んだ野心作。I/Oポートは共有しており、2台の切り換えは付属の3.5インチベイ内蔵の切り換え器を使用する。サーバー+クライアントを1台ですませるといった用途が考えられるが「なら2台でいいよね」とか……。

NVIDIA×AMDからAMD×NVIDIAまで何でもマルチGPU可能な変態マザー

Micro-Star International Big Bang-Fuzion 実売価格:40,000円前後(2010年)

 Hydra200チップを搭載し、メーカーの垣根を越えてマルチGPUを実現した変態マザボ。ベースとしてはP55チップセットを搭載したマザボなのだが、前述のHydra200によりSLIやCrossFireXだけでなく、たとえばNVIDIA+AMDのマルチGPUも可能だった。ただ実際の使い勝手のほうは……。

電池が切れると消えちゃうSDRAMを使った超高速ストレージ

GIGA-BYTE TECHNOLOGY i-RAM 実売価格:22,000円前後(2005年)

 PCIカードにSDRAMを搭載してRAMディスクを構成、超高速ストレージとして利用。なんなく想像が付くと思うが、スリープなどPCに電源が供給されていればよいのだが、停電などで完全に電源が消失すると、カード上のバッテリで最大16時間しか内容を保持できない。

5インチベイは心の余裕 光学ドライブから石(?)まで何でも入る

各メーカー 5インチベイアイテムいろいろ 実売価格:いろいろ

 5インチ光学ドライブが自作PCで標準装備だった頃、当然PCケースは5インチベイを複数装備していた。が、多くのユーザーはベイを一つしか使わないわけで、ならば余ったベイを別目的で活用するため実にさまざまな珍パーツが登場した。スピーカーや水冷クーラーなどは珍パーツではないにしても、小物入れとかシガーライターとか空気清浄機とか……。なかにはオーディオ用光学ドライブのため、PCの振動を抑制する石(蛇文石アンカーと言うらしい)なんてのもあったのだ。

机ケースは滅びない 前世紀から続く机の系譜

ソルダム WiNDy PRISM 実売価格:100,000円前後(2000年)

Lian Li Industrial DK-Q1HX 実売価格:130,000円前後(2014年)

Lian Li Industrial DK-04F 実売価格:240,000円前後(2020年)

 今でこそめずらしくないデスク型本体ケースだが、その元祖と言えるのがWiNDYy PRISM。安定感のある金属製のデスク、その引き出し部分にPCパーツを組み込むのである。そして天板は強化ガラス製で中が見えるという、今で言う魅せるPC的な要素も持っていた。ただし金属と強化ガラスで構成され、もちろん普通のデスクとして使えるサイズ。当然お値段も高かった。しかし実用性も高く、以後の机ケースの道しるべとなった。

PC冷却にも歴史あり あのAsetekのガス冷PCケース

Asetek Vapochill 7th generation SocketA/FC PGA 実売価格:100,000円前後(2001年)

 簡易水冷のOEM製造で著名なAsetekが、その昔リリースしたガス冷熱交換式のCPU冷却システムと言うか本体ケース。OCの記録を狙う真の勇者が使用するプロスペックのシステムだった。前モデルはSlot 1/Slot A用で、CPUカートリッジを割ってコアむき出しにして使っていた。

お値段なんと30万! モーターで動く完全変形PCケース

In Win Development H-Tower IW-CA06 実売価格:300,000円前後(2016年)

 側面パネルが内蔵されたモーターで自動開閉するという変形なんだか変態なんだかよく分からないマニアの夢と希望を詰め込んだ本体ケース。しかもレーザーを使って開閉時の障害物を感知するとか普通じゃない。スマホとも連係でき、夢の代償は30万円弱という価格だった。

一回見たら忘れない そびえ立つ青い巨塔型水冷クーラー

ZALMAN Tech Reserator 1 実売価格:30,000円前後(2004年)

 高さ59cm、直径15cmの水冷キット。と言うか目立つのはタンク兼ラジエータ部分である。まさにそびえ立つ青い巨塔なわけだが、当時は静音ブームまっただ中。ファンレスで冷却できることもあり結構な人気に。だがやはり場所を取るためか現在のような水冷クーラーに取って代わられた。

!取り扱い注意! 爆風爆音の超高速ファン

山洋電気 F12-HHH 実売価格:10,000円前後(2006年)

 回転数6,000rpm、音圧64dBというパワーに全振りしたアルミフレームのファン。爆風爆音ということで、OCユーザーに人気の製品であった。ファンが自走するほどの超高速回転であったため、動作中に指がフィン触れたりすると大変なことに。プロ仕様のとがったファンだった。

[TEXT:髙橋敏也]

自作PC史&極私的パーツ名鑑

DOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載

 今回は、2023年末に休刊したDOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載しています。

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