特集、その他
極私的パーツ名鑑 ①~④【自作PC史&極私的パーツ名鑑】
DOS/V POWER REPORT 2024年冬号の記事を丸ごと掲載!
2024年7月9日 09:05
日本IBM PS/55 5535-S
1990年10月発表 最初のDOS/V対応機
5535-Sは386SX 16MHzを採用したラップトップPCで、16階調のバックライト付き白黒液晶パネルは16ドットで日本語を表示し、IBMのVGA (Video Graphics Array)規格 に対応していた。同時に発表されたのがIBM DOSバージョンJ4.0/Vで、この新しいOSは一定の条件を満たせば、日本語サポートのないPC互換機でも使えて、日本語表示できるだけでなく、容易に英語のDOS環境に切り換えて使えることが示唆されていた。当時、まだまだ少なかった日本のPC互換機ユーザーから注目を集めることになった。
ソニー CDW-900E
CDの原盤制作で大活躍 CD-Rドライブの名機
今でこそ利用者が減ってきているが、21世紀初頭に一大ブームを巻き起こした記録型光ディスク。CDW-900Eはその元祖とも言える存在だ。音楽だけでなく、PCソフト、家庭用ゲームなどのCDと名が付くものの原盤制作用の機器として大活躍した名機で、当時、光ディスク専業ライターみたいなものだった筆者にとっては所持していて当然?みたいなCD-Rドライブだった。対応ソフトは少なく、SCSI接続で使いづらく気難しい面もあったが、時代の先駆けとなった製品であることは間違いない。
ASUSTeK Computer P/I-P55T2P4 実売価格:20,000円前後(販売当時)
自作ブーム初期を代表する大ベストセラー
自作ブームの初期におけるマザーボードの大ベストセラーモデルだ。まともに動かない製品が多かった中で抜群の安定性を誇り、ASUSTeKの名を日本市場に定着させる礎となった。当時、入り浸っていたアキバのTWOTOPというショップで、それなりの数が入荷したのに即完売してしまったという話を何度も聞いた。それほど売れた製品である。
初代はPentium(P54C)に対応していたが、リビジョンアップでMMX PentiumやK6-2などにも対応した。筆者もリビジョンが上がるたびに購入した記憶がある。
Matrox Millennium Ⅱ 標準価格:44,800円(掲載当時)
高解像度で映えるシャープな絵が好きだった
筆者が自作の道へ入り始めた頃、当時はモニタもインターフェースもアナログで、ビデオカードによって画質が違った。ATIの温かみのある絵もよかったが、筆者は高解像度で映えるMatroxのシャープな絵が好きだった。WRAMという特殊メモリの効果もあって2Dの描画性能も当時最速、増設で高解像度、高リフレッシュレートも可能。当時のCRTでは、リフレッシュレートが「チラつき」という万人が体感できる要素に直結していたため、高解像度高リフレッシュレート環境はちょっとしたステータスでもあった。
画質の秘密はRAMDACにあり
Matroxの画質はクッキリとシャープなイメージ。良質なモニタと組み合わせた際の高解像度、高リフレッシュレート環境では絶品だった。そのキモとなっていたのが、この高ドットクロックのRAMDACだ。
[TEXT:鈴木雅暢]
自作PC史&極私的パーツ名鑑
- 自作PCのこれまで、そしてこれから。PC自作の夜明けを迎えた1990年代
- 1990年10月発表 最初のDOS/V対応機。極私的パーツ名鑑 ①~④
- 自作界不動のレジェンドは技術がすごかった。極私的パーツ名鑑 ⑤~⑧
- Windows XPとブロードバンドの時代だった2000~2004
- 焼鳥、コア欠けに悩まされたAthlonの第2形態。極私的パーツ名鑑⑨~⑫
- 時代時代をにぎわせた、あんなパーツこんなパーツ
- マルチコアCPUとSSDが性能を牽引した2005~2010年
- 世界が驚天動地した低消費電力と性能!。極私的パーツ名鑑⑬~⑯
- 今でも驚く10,000rpmのHDD 形状も異色を放つ。極私的パーツ名鑑⑰~⑳
- Sandy Bridgeがもたらした安定と成熟、2011~2015年
- 「短」の一語のインパクト プラグインでより使いやすく。極私的パーツ名鑑㉑~㉒
- ASUS製品で振り返るマザーボードの進化
- Ryzenショックと多用途化するGPU、2016~2020年【自作PC史&極私的パーツ名鑑】
- AMD大復活の狼煙はCPU選びの定説も変えた。極私的パーツ名鑑 ㉑~㉒
- ゲーミングには欠かせない重要パーツ、MSI製カードに見る“ビデオカード”高性能化の歴史
- 大冷却時代到来。AIがすべてを変えてゆく、2021~現在
- 自作好きやPCゲーム初心者に響く。マウスコンピューターの「NEXTGEAR」
- 先進性を武器に川崎から世界へ!自作PC向けSSD市場にも挑むNextorageに“これまで”と“これから”を聞く
- 大容量化と高速化はまだまだ続く!!Western Digitalと歩んだ自作PCストレージの歴史
- 誕生から現在までその歴史を振り返る!ギガバイ子20年史
- 変えてはいけないところ、変えるべきところ。ニプロンが見つめる“電源の未来”
DOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載
今回は、2023年末に休刊したDOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載しています。
なお、AKIBA PC Hotline!では、DOS/V POWER REPORTで活躍していた人気ライター陣のレビューや連載記事を毎月掲載中。是非、製品購入時の参考にしてみてください。