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Sandy Bridgeがもたらした安定と成熟、2011~2015年【自作PC史&極私的パーツ名鑑】

DOS/V POWER REPORT 2024年冬号の記事を丸ごと掲載!

Sandy Bridgeがもたらした安定と成熟

 Phenom、FXと続けて不発に終わったAMDのCPU事業は暗黒期のただ中にあった。一方Intelは今に続くCoreシリーズのルーツとなる第2世代Coreシリーズ(Sandy Bridge)を投入し、今後数世代CPU業界の覇権を握ることになる。GPUもまたNVIDIAがKeplerとMaxwellで飛躍を遂げ、GeForceが定番GPUとして確固たる地位を築き上げた。さらにSSDの低価格化が進行し一気に普及、現在のスタンダードが揃ったのがこの時代だ。

2011年の自作PCニュース

・Turbo Boostを実装したCPU、第2世代Core(Sandy Bridge)が発売

その後のIntel CPUの方向性を決定付けたとも言える名CPU。その性能や電力効率の高さはもちろんOC耐性にも優れ、Intel史上最高傑作の声まである

・Sandy Bridge向けチップセットがリコール、混乱も交換対応により早期に収束
・PCI Express 3.0対応マザーボードが登場
・UEFI採用マザーボードが増加
・HDD容量が4TBに到達
・DOS/V POWER REPORTでMini-ITX自作特集

PCの省電力化の流れにより小型PCでも比較的高性能なPCが組めるようになり自由度が上がってきたのがこの時期だ

ハードウェア

・Bulldozerアーキテクチャ採用の「AMD FX」が発売
・ゲーミングマザーボード、GIGABYTE G1. Sniper2(rev 1.0)発売
・GCNを採用した、AMD Radeon HD 7000シリーズ登場
・SandForceコントローラ搭載SSD、ADATA S511発売
・14cmファン×2搭載の大型クーラー、Thermalright Silver Arrow発売

ゲーム

・現代戦を舞台にしたFPS、バトルフィールド3発売
・オープンワールドRPG、The Elder Scrolls V:SKyrim発売
・CoD4の続編、コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア3」発売

2012年の自作PCニュース

・タッチ操作をメインに据えたWindows 8がMicrosoftから発売

タッチUIに全力投球してしまったため、デスクトップではむしろ使いにくくなってしまい自作ユーザーからの評判は芳しくなかった

・3Dトランジスタを導入した第3世代Core(Ivy Bridge)が発売
・MicrosoftがDirectX 11.1をリリース
・電力効率を改善したNVIDIA GeForce 600シリーズ発売

GeForce 600シリーズではワットパフォーマンス重視路線になったため、上位のGTX 670でも写真のような小型クーラーで十分冷却できた

・SSDの搭載NANDの主流がSLCからMLCに

ハードウェア

・初の1TBプラッタ搭載HDD、HGST Deskstar 7K1000.D発売
・冷却型ケースの定番、Cooler Master CM 690 Ⅱ Plus rev2発売

ゲーム

・アクションMMORPG、TERA :The Exiled Realm of Arborea発売
・カジュアル方面に舵を切ったFPS、ファークライ3発売
・この頃からMMORPGの人気が下降を始める

2013年の自作PCニュース

・MicrosoftがWindows 8を改良したWindows 8.1発売
・Intelが省電力性がさらに向上した第4世代Core(Haswell)を発売
・Futuremarkから3DMarkがリリースされる

ハードウェア

・NVIDIAからGeForce 700シリーズ登場
・AMDからRadeon HD 8000シリーズ、Radeon R9/R7 200シリーズ登場
・NVIDIAからGeForce GTX Titan初登場

NVIDIAのフラグシップGPUであるTitanが発売される。価格も性能も大きさも当時としては超ド級だった

・液体金属グリスCoollaboratory LIQUID PRO+CS発売

液体金属を使用したグリスでショートの危険性がありながらその飛び抜けた性能の高さから人気を博した

ゲームパッド

・ファイナルファンタジーXIVが「新生エオルゼア」としてリブート
・バトルフィールド3の直接の続編バトルフィールド4発売

2014年の自作PCニュース

・M.2スロット搭載マザーボードが発売される

M.2スロットの搭載によりSSDは2.5インチベイからマザーボードに直接搭載される形態に移行が始まった

ハードウェア

・AMDが内蔵GPUまわりを強化したA10/A8/6(Kaveri)発売

・OC向けMini-ITXマザーボード、ASUSTeK MAXIMUS VI IMPACT発売
・NVIDIAがGeForce GTX 900/750シリーズを発売

ASUSTeK の STRIX-GTX970-DC2OV-4GD5。Maxwell世代からはアイドル時の発熱が非常に低くなったため、準ファンレス動作をすることが可能になった

・PCI Express 2.0 x4対応SSD、Samsung XP941発売

・Mini-ITXケースの名品、Lian Li PC-Q33発売

ゲーム

・オープンワールドFPS、ウォッチドッグス発売

2015年の自作PCニュース

・無料アップグレードも可能なWindows 10がMicrosoftからリリース

一転してスタートメニューなど旧来のUIが復活。旧Windowsから無料でアップグレードできるなどテコ入れを図った

・プラットフォームを拡張した第6世代Core(Skylake)が発売

Skylake世代ではCPUの性能はもちろん、プラットフォーム全体の底上げが図られ総合的な性能が向上した

・NVMe対応でSSDの高速化が一気に進む

・USB 3.1対応マザーボードが登場しType-Cコネクタも装備

この頃にはUSB 3.1(10Gbps)端子を搭載するマザーが増え始め外部インターフェースのさらなる高速化が進んだ

・DirectX 12がリリース

ハードウェア

・HBMを採用したAMD Radeon R9 Fury登場

ゲームパッド

・アクションRPG、ウィッチャー3 ワイルドハント発売
・オープンワールドRPG、Fallout 4発売
・空前の大ヒットを飛ばしたグランド・セフト・オートVのPC版発売

自作PC史&極私的パーツ名鑑

DOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載

 今回は、2023年末に休刊したDOS/V POWER REPORT「2024年冬号」の記事をまるごと掲載しています。

 なお、AKIBA PC Hotline!では、DOS/V POWER REPORTで活躍していた人気ライター陣のレビューや連載記事を毎月掲載中。是非、製品購入時の参考にしてみてください。